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読書生活

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#koko書房

マキャヴェリを必ず読む人たち

1996年に「在ペルー日本大使公邸占拠事件」というのがありました。 ペルーにある日本大使館をテロリストたちが押し入り占拠。4ヶ月も人質をとって立て篭もったという事件でした。大きく報道されました。 あの時。 人質を放せ!というのにテロリストたちは最初は「イヤだ」と言って聞く耳を持ちませんでした。ところが、突如としてアメリカ人の人質だけがさっさと解放されたのです。 アメリカ軍の特殊部隊デルタフォースが来るらしい。 この噂が流れたと言われています。デルタフォースとは元々は

今の目線でもう一度。古典を読む。

昔と今は当たり前ですが、かなり違います。昔は生まれたその地で一生を全うし、海の向こうなんて、ましてや空の向こうに何があるかなんて知ろうにも知り得なかった。 しかし、今はインターネットがあり、航海技術があり、宇宙探査機も遥か彼方へと飛んでいきその景色まで通信で見ることができる。 今の我々の立ち位置というのは、かなり特殊です。 この時代になって占星術が再び人気を得てきたのは、複雑な占星術の読み解きをわかりやすく説明してくれる教え手がたくさんネット内に出現したことと、占星術の

ハイエクを読む。今一度。

koko書房にご来店くださる方、或いは親しい知人に、必ずおすすめしている本があります。それはアルヴィン・トフラーの「第三の波」という一冊です。 私はトフラーの大ファンで、何かあったらトフラーを読め、トフラーを読めと言ってきました。 今から16年前になりますが、音楽の授業をやっていました。あらゆる音楽の歴史・成り立ちを解説しながら、そこから色んな国の特徴や歴史背景を学んでみようという授業でした。ブルーズ、ロック、ジャズ、ソウル、ファンク、レゲエ、テクノ、ハウス、ヒップホップ

記号と構造 (哲学 占星術 相場チャート)

哲学は一体何から読めばいいのか。 フッサールという思想家の存在をまず知ってみよう。フッサールはちゃぶ台をひっくり返すようなことを言い始めた。「世界は一つではない」と。 そのフッサールが登場した20世紀初頭。 それ以後の思想界の流れを見ると、西洋哲学に対してクレームを入れるような人たちが多く出現している。そのクレーム内容に注目すれば、間接的に西洋哲学の全体像がわかるはずだ。これが私のおすすめする哲学への入門の仕方です。この話を先日のワークショップでさせていただきました。

言語学からのヒント

以下はカントの「純粋理性批判」からの引用です。難しいのですが、ちょっと読んでみます。 「無限で一切を包括する全体としての空間と時間は、アプリオリな直感であって、このアプリオリな直感は空間と時間内の特定の対象を、認識する条件であり、その認識に先立つものである。」 ❓❓❓ はて。これは一体、何を言ってるのでしょうか? カントを読もうとして挫折してしまう人が多いのは仕方がありません。私もそうでした。 自分で読めないのならしょうがない。誰かわかりやすく解説してくれる人はいない

トリックだらけの言語学

この前の哲学ワークショップの時に大学で言語学を専攻した経験のある男性が参加してくださっていました。 私の講義も言語学にチラッと触れる内容でしたので、その方からのフォロー解説をいただいたのですが…。 とにかく。 言葉・言語というのは非常に厄介なものなのです。 ダーウィンの進化論で人類がおよそいつ誕生したかはそれなりにわかったみたいなのですが、言葉・言語がいつ生まれたか。これについてはさっぱりわからない、手がかりがないみたいなのです。 言語の起源について研究を進めると、

初めての哲学ワークショップ終了

5月29日、思想・哲学のワークショップを行いました。 哲学とは。 そこで一体どんなことが問題にされて来て、どんな議論が行われて来たか? そもそも思想・哲学を勉強する意味ってどこにあるのか。 それを読んで、一体、何が面白いのか? それが少しでも伝わればいいなと思って。 ぶっ通しで喋らせていただきました。 あっという間の2時間でした。 エドムンド・フッサール。 この、あまり名前の知られていない一人の哲学者。 フッサールの哲学。 現象学という考え方。 まさしくこの一

ウェイン・ダイアー「自分の中に奇跡を起こす」

1990年代に著者のウェイン・ダイアーの本は全米で大ベストセラーになり、年間売り上げランキングのトップ10にダイアーの著作が何冊もランクインするという事態が起こりました。 アメリカという国はとても不思議な国だと思います。 先進国であり科学が発達した最先端の国であるはずなのに、その反面でピンクフロイドのアルバムが何百万枚も売れたり、アメリカの代表的女優シャーリー・マクレーンが神秘体験を告白した本をリリースしても叩かれるどころかそれも何百万部を売り上げる大ベストセラーになると

学問とオカルトの線引き

小学校・中学校で習う理科の法則に「パスカルの原理」というのがありました。その他にも台風の大きさを示すヘクトパスカルというのもありますが、これはどちらもブーレーズ・パスカルという偉大な学者が確立したものです。 言うまでもなくパスカルの法則は学校で教えられる歴とした学問です。 しかし、そのパスカルが途中から物理学の世界を引退して別分野に移行したことはあまり知られていません。大科学者だったブーレーズ・パスカルはある出来事をきっかけに数学・物理学のフィールドを去り、まったく別の研

「そもそも論」からの哲学入門

哲学の世界は当たり前ですが広くて、一体何をどこから勉強したらいいのかさっぱりわからないというのが大多数の人の本音ではないかと思います。もちろん私もそうでした。 例えばですが、多度津町にある哲学カフェの哲学屋さんでは、ホームページを拝見すると、よく勉強会を開催されているようで、そこではデリダやフーコーの哲学を取り上げていらっしゃいます。 しかし、そもそもデリダやフーコーって誰よ?という、そもそものところから教えてほしいという方もきっといると思いますので。koko書房では、今