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コンビニの温め待ち〜人間観察のススメ〜

コンビニで商品を温めてもらう時間は、中々退屈なものだと思う。
長くても2分程で過ぎ去る時間だが、大概空腹を感じていることが多いので、ついつい苛立ちが募ってしまう。
しかし、そんなイライラしがちな時間を、微笑ましい時間に変えてくれる、滑稽なお客様が登場してくれることがある。

まずは1人目のお客様から紹介していこう。
そのお客様は、鋭い目つきのコワモテで、年齢は30歳前後。身長は180はある長身で、体格も傭兵のようにがっしりしていた。
加えてよく焼けた肌に坊主頭、迷彩柄のジャケットという、頭に浮かぶ兵隊の姿を、そのまま具現化したような容姿をしていた。
傭兵は、発券してきたであろうレシートを店員に差し出した。
レシートをレジでタッチした、店員さんの一言がこちら。

「こちら、しまじろう2020、冬コンサートのチケット1枚で、お間違いないでしょうか??」

傭兵が、しまじろう。
虎ぐらい簡単に駆逐しそうな傭兵が、しまじろう。


しかもアラサーがチケット1枚。
1人で行くんやとしたら、相当なギャップ萌えやん。

次のお客様を紹介しよう。
茶髪パーマにベージュのカーディガンを羽織った、全国に1000人はいるような容姿をした中年女性だ。
中年女性はグラタンと、アイスを5、6個入れた買い物カゴを差し出した。
「いらっしゃいませー。温めますか?」

「あ、お願いします。」

「袋おわけ致しましょうか?」

「いや、一緒で大丈夫」

一緒でええわけないやろ!!
5、6個あるアイス全部溶けるやんけ。
600円ぐらい捨ててるようなもんやん。

最後のお客様を紹介。
スーツをビシッと着こなした、黒縁メガネが特徴的な中年男性だ。
お弁当とビールを2、3缶差し出し、マシンガンのようなテンポで捲し立てた。

「これあっためてな袋はいるそれからおでんは卵とこんにゃくと牛スジでツユ多めあとタバコは16番財布忘れましたー」

1人コントやん。
しかも息継ぎなしでオチまで辿りついとる。

このように、なんでもない待ち時間が面白くなることもある。
たまには全く知らない人を観察するのも、面白いんじゃないだろうか?


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