光を操る彼女は、まるで魔法使いのようで。
見慣れた家が、今日はスタジオとなる。
大きな機材を抱えて、まりーさんが家にやってきた。
今回も、まりーさんに新しくプロフィール写真の撮影をお願いすることになったからだ。
ご存じの方もいるとは思うが、わたしのアイコンの写真は、まりーさんに撮影してもらったものだ。
彼女の写真は、基本的に光を巧みに操り、光を味方にして撮影をおこなったものがほとんど。
以前撮影していただいたものは水族館と周辺での撮影だったので、彼女が得意とする光が遮断された状態での撮影はなかなか難しかったと思うのだが、とても素敵に仕上げていただいた。
それから、2年が経った。
あの時から髪は伸び、仕事には相変わらず悩んではいるが、自分の中での節目の年ということもあり、またまりーさんにプロフィール写真の撮影をお願いした。
そして、今回はゲーミングPCと一緒に撮ってほしいということもあり、わたしの家に来ていただくことに。
スタジオのような綺麗な家ではないが、まりーさんがずっと楽しみにしてくれている様子が、やりとりしているLINEからひしひしと伝わってきていて、不安も徐々に和らいでいった。
光が部屋に入り込む時間を考慮し、その日は午前中の撮影になった。
機材を抱えて入り込むまりーさんの姿を見ていると、彼女にとって今日はお仕事なのだというのが伝わり、自然と背筋が伸びる。
まりーさんは笑顔を振りまき、部屋の隅々まで目を配りながら撮影の話をし始めると、幾分が緊張も和らいでいくのを感じた。
まずはデスク周りから、と普段仕事をしている様子を撮影していただいた。
部屋の間取りやデスクの位置的に撮影が難しいだろう、と懸念していた中、彼女はまったく考えつかなかった位置から撮影をしていて、さすがプロだな、ととても感心した。
小道具らしい小道具を用意できなかったが、臨機応変に家の中にあるものを小道具にし、撮影する様子は本当に目を見張るばかりだった。
わたしじゃ、そんな構図は思いつかないし、ポージングの指示だって小道具の工夫だってできない。
それが、彼女の知識と技術、そしてセンスなのだ。
もちろん、プロフィール写真は自分で撮影することもできる。
だけど、それでも彼女に頼みたい理由は、すべてここにある。
彼女にしか見えない、彼女のファインダー越しに見た世界が、わたしは大好きだから。
「かわいい!」を連発しながら撮るまりーさん。
デスク周りの撮影から、窓際の撮影に移ると、「息を呑むほど綺麗……」と思わずこぼす。
我が家の自慢である日当たりの良さと、お気に入りのレースカーテン。
きっとまりーさんの琴線に触れたのであろう、被写体がわたしということを除けば、時間と太陽が許す限り撮影しているだろうと思った。
「こんな感じ!」と見せてくれるカメラ上でのデータですら、レタッチなしでも十分すぎる作品になっていた。
光を味方にし、操る様子は、ほんとうに魔法使いのようだった。
気が付けば時計はてっぺんを指している。
いつの間にこんなに時間がたったのだろう、と思うぐらい、あっという間に時間が過ぎていった。
データはゆっくりで、と話していたけれど、やはり彼女は特急便で仕上げてくださった。
送っていただいたコンタクトシート(写真を選ぶための仮のデータが記載されたもの)を見ながら、彼と一緒に頭を悩ませつつ写真を選ぶ。
前回は完全に主観で決めたが、今回は客観的に彼の視点も通じて選ぶことにした。
とはいうものの、盲目な彼はめちゃくちゃな量のデータをピックアップしていて、選ぶのが大変だったのだけれど。
そして、3枚の写真を選んでまりーさんに伝える。
写真がレタッチされるのを待っている間は、仕上がりが楽しみで仕方なく、わくわくしながら待っていた。
セレクトからしばらくたったある日。
まりーさんからレタッチが完了したとの連絡をいただいた。
「遅くなってごめんなさい」と記載されていたが、送ってもらったレタッチ済みのデータを見たら、遅れなど些細なものにしか感じられなかった。(というより、遅いとは全く思っていなかったが)
今回もわたしの雰囲気や世界観に合わせて、青色の世界が広がっていた。
透明感のあふれる写真に、思わずため息が出てしまったほどだ。
美しい。まりーさんというファインダーを通じて、魔法がかかったお写真は、本当に自分ではないかのように美しかったのだ。
わたしのことを思い、丁寧に仕上げてくださった彼女には頭が上がらない。
大切に撮影していただいたお写真を使わせていただこうと思う。
今もこうしてまりーさんと関わりと持てていることは、本当に幸せだということを感じて、今後も彼女と同じようにクリエイターとして頑張っていこうと思う。
お忙しい中、素敵なお写真をありがとうございました。
ここから今後の活動方針についてです。
今回プロフィール写真の更新をしようと思ったきっかけは、ただ髪が伸びたことと2年経ったからというだけではありません。
B型事業所を退所し、そのまま何事もなかったかのようにライターに戻っていたことに対してのけじめと、自身の新たな門出に向けて彼女に魔法をかけてもらおうと思ったからです。
確かにB型事業所では、さまざまな体験をさせてもらいました。
前々から興味のあった動画編集に手を出すことができたし、大好きなゲームに近いところで働くことができました。
事業所の方針が変わってしまったのが悔やまれるほどです。
だけど、またやれることであるライティングに戻ってきて、やはりわたしにはこの仕事が一番向いていると思えました。
なし崩し的に戻ってきたけれど、やはり自分の居場所はここで。
これからも胸を張って、プロのライターとして生きていこうと思います。
そして、新たな取り組みとして、自身の病気についてや病気がある人のライフハックについて発信していこうと考えています。
以前から病気関連の話題は少し避けているきらいがありました。
そういうこともあり、SNSの運用は今まであまり積極的におこなってこなかったけれど、25歳という節目の年を迎えて、自分が生きているうちに残せるものは何か、と考えるようになったのです。
フォロワーを増やす、承認欲求を満たす、のではなく、現在の患者さんや未来の患者さんに向けて情報共有することを目的として運用していこうと考えています。
わたしも病気になった当初はいろいろ検索して情報収集をしていましたが、なかなか情報を手に入れることが難しく、わずかな情報を頼りにしながら今まで生きてきました。
現在、SNSは便利な情報収集ツールであると言えます。画期的な文化があるのにも関わらず、ただ死ぬまでの日々を過ごしていくのはもったいないのでは、と考えたのです。
自分という被検体を通じて、現在の患者さんや未来の患者さんの手助けになれば本望です。
そして、患者さん自身だけでなく、その方を支えるご家族やパートナーにも役立つような発信をしていきたいです。
きっと、わたしが病気になった時、母は絶望の淵に立たされたと思います。
同じように検索するも症例が少なく、理解するのに時間を有したでしょう。
ご家族やパートナーの方々へも理解していただけるよう、そして誰よりも患者さんを一番近くで支え、味方になれるような情報発信をしていきたいです。
そして、医療従事者や医療従事者を目指す方に対しても、患者のリアルな生活や声として受け取っていただければと思います。
難病は目に見えないためわかりづらい病気です。偏見も多く、社会に出て生活するのに苦労することがたくさんあります。(少なくともわたしはたくさんありました)
全身性エリテマトーデス(SLE)や線維筋痛症の認知度や理解を深めていただくと共に、患者さんやご家族の心に寄り添えるような情報発信をしていきたいと考えています。
今回、情報発信を強化していく媒体は以下の通りです。
ご興味ある方は、各種SNSのフォローをお願いいたします。
noteはこれまで通り、エッセイ時々創作という形で、ゆるく運用していきたいと思います。
棲み分けという意味では、あまりnoteで病気のことについて書くことは少なくなるかも……というものの、病気関連の話はパラちゃんねるカフェさまで書くことが多いので、最近は必然的に少なくなっていましたが……。
そして、Youtubeはゲームの投稿や雑談配信メインでやっていきます。といいつつもあんまり投稿しないと思いますが……プライベートに近いわたしと交流できる場所ではありますので、ご興味ある方はぜひ。
これからも体調が許す範囲で、さまざまなことにチャレンジしていきたいと思います。
応援していただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
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