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「認知」は世界を変える

 
「メタ認知」ができるようになると、学力やコミュニケーション力がアップします。人生が変わります。
 
 
認知
「私は楽しい」
 
メタ認知
「『私は楽しい』と思っている」
 
 
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「認知」の意味は、「自分の捉え方」です。
 
 
「メタ認知」は、自分の頭の中に、もう一人の小さな自分、冷静な自分がいて、「ふむふむ、自分はこう考えているな」というやつです。
もしくは「自分の今日1日の行動を、ユーチューブで鑑賞している」と言ってもいいでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
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友だちとのトラブル原因のひとつに「勘違い」があります。
 
 
 
 
「先生! 〇〇さんが、私のこと、すごく怒ってます!どうしよう…泣」
 
 
「怒っている」生徒に確認すると、
「え、私、何も怒ってませんよ。」
 
 
これが勘違いです。
 
 
 
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なぜ、「勘違い」が起きたのでしょうか。
 
 
「無視されました」
→呼ばれた生徒が気付いていなかっただけです。
 
 
「にらまれました」
→特にそのような事実はありませんでした。 (この場合)
 
 
 
「ため息をつかれました」
「眉間にしわをよせていました」
→その人にしたのではなく、その生徒が、誰にでもやってしまっている「クセ」でした。
 
 
 
これら
「勘違い」「早とちり」「思い込み」
を、
 
「認知の誤り」
 
と言います。
 
 
 
 
 
 
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友だち関係のトラブル原因
「認知の誤り」
 
 
「認知の誤り」は、コミュニケーションの「すれ違い」の原因です。
 
 
「あの人は、自分のことを嫌いなんだ!」
と、自分で思っていても(認知していても)、
実際に本当かは分かりません。
 
 
 
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「認知の誤り」を修正する方法
 
 
・本人に直接聞く
 「私のこと嫌い?」
 
・とりあえず本人に謝ってみる
「ごめん、この間私、悪いことしちゃったよね」
 
・他の人に、代わりに聞いてもらう
先生「〇〇さんが、気にしていたけど…」
生徒「え、私、全然怒ってませんよ!」
 
 
 
 
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「認知の誤り」を、減らす方法
 
 
「自分がどう考えているか、冷静に考えてみる」
 
これを「メタ認知」と言います。
 
 
 
 
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「メタ認知力」を鍛える方法
(=自分がどう考えているか、冷静に考えてみる方法)
(=自分を客観的に観察する方法)
 
 
・自分の言動すべてに「~と思っている」を付けてみる
・自分の言動すべてに、実況中継をしてみる
・自分に質問してみる「なんでそう考えてるの?」
・「他者の視点」「物質からの視点」で考える
・ひと呼吸おく
・自分の心拍、脈拍、肩、手などをモニターする
・今の考えを、声に出してみる。書いてみる。誰かに話す
 
 
 
次からひとつずつ、解説しますね。
 
 
 
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自分の言動すべてに「~と思っている」を付けてみる
 
「あ~、あの先生マジむかつく!」
→「あ~、あの先生マジむかつく!」 『と、自分は思っている』
 
 
 
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自分の言動すべてに、実況中継をしてみる
「あ~、ケーキが食べたいなあ」
→「山田は、自分がダイエット中であるにも関わらず、ケーキを買おうとしている!」
 
 
「ほんと、あの人はありえない!」
→「さあ~、戦いのゴングが打ち鳴らされました! 青のコーナー本田は、最初にどういう攻め方をするのでしょうか!?」
 
 
 
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自分に質問してみる「なんでそう考えてるの?」
 
「また数学のテストで10点だったよ…。終わった」
→「なぜ自分は、『終わった』と思っているのだろうか。」
 「自分は本当に、〇〇学校に進学したいのだろうか」
 「それにどんな意味があるというのだろう」
 「一緒に進学したい友だちがいる」
 「その友だちは、70点だった。そうか…!!」
 
 
 
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「他者の視点」「物質からの視点」で考える
 
ケーキ屋さんにて
「う~ん。チョコケーキ、チーズケーキ、いちごのケーキ…」
 
パティシエの視点
「両方買ってほしいなあ」
 
ほかのお客さんの視点
「ああ、私のいちごケーキが取られる!」
 
チーズケーキの視点
「なぜ私は、選ばれなかったのだろうか…泣」
 
 
 
 
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ひと呼吸おく
 
・とりあえずトイレに行って、冷静になる
・いったんスマホを置く
・散歩に行く
・「それって、本当なの?」と自分に問う
 
 
 
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自分の心拍、脈拍、肩、手などをモニターする
 
 
「〇〇さん、それじゃダメです。もっとちゃんとしてください」

・ああ、自分は今、緊張して、肩が上がっている
 (肩を下げればよい)
 
・心臓が早い
 (深呼吸する)
 
・腕時計で測る心拍が上昇している
 (区切りがついたらトイレに行く)
 
・手を握りしめている
 (ハンカチを握る)
 
・汗をかいてきた
 
※カッコ内は、対策例です
 
 
 
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今の考えを、声に出してみる。書いてみる。
 
・「ああ、いま自分はこんな気持ちだ」(ボソッ)
・(紙を読んで)「ああ、自分はこんなふうに思っているんだ」
 
実際に、声にしたり、紙に書いたりすることは、
「自分の耳で聞く」「自分の目で見る」
という行為です。
思っているだけとは違い、客観的なものが入ってきます。
 
人に話すと、考えが整理されたり、具体的になったりするのも、このためです。
 
 
 
 
 
 
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「認知を変える」
 
 
私たちは、これまでの人生で、失敗をしてきました。
同じ失敗をしないように、脳は危険な行動を、すぐにキャッチするようにできています。
勘違いや思い込みは、私たちが生きていく上で、どうしても起きてしまうエラーです。
 
このエラーを「認知の誤り」と言います。
 
 
この「認知の誤り」を修正できると、人生が変わります。
 
「認知を変える」と言います。
 
自分の捉え方、考え方を変える、ということです。
それは、人生が、よりよい方向へ変わるという意味です。
 
 
あなたの認知は、これまでの人生すべてで、得られてきたもの。
いきなり完璧に変えるのは、かなり難しい。
 
だから「考え方を変える」というよりも「こんな考え方もアリかもしれない」というレベルから始めても、いいと思います。
 
 
 
ここから先のお話は、「メタ認知」をちょっとでも理解して、少しでもできていることが大切になります。
 
 
 
 
 
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認知を変える方法
 
・自分を録音録画してみる
・自虐ネタを言う
・セルフ認知行動療法をしてみる
・日誌を書く
 
 
 
 
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自分を録音録画してみる
 
自分の声や行動はイヤだな、と思います。
この「イヤだな」が、認知を変えることの出発点になります。
 
具体的に、自分の行動の、どんなところがイヤなのか。
相手への発言か、自分の動きか。
 
 
 
 
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自虐ネタを言う
 
自虐ネタは、高度なワザです。
 
・自分をネタにするという勇気
・自分の何が面白いかを、客観的に把握している
・自分をネタにするには、他の人の視点も、分かっている必要がある
・自分をネタにできるという、心のゆとりがある
・今自虐ネタを言ってOKと、その場全体を把握している
 
 
だいたい私たちは、自分の問題になると、おおげさに考えます。それは自然なことです。だって、自分の人生だから。自虐ネタにすることで、その問題を捉え直すこともできます。
 
 
 
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セルフ認知行動療法をしてみる
 
本物の「認知行動療法」は、専門的な理論や、しっかりとした手順があります。本屋さんに行けば、入門書から専門書までたくさんあります。
 
認知行動療法は、心理療法のなかで、かなり優れた効果があることが、いろんな研究で証明されています。
 
本格的なものは、カウンセラーと行えますが、ここでは、本当に簡単な方法をご紹介します。
 
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1自分が思ったことを書く
2なんで、そう思ったのか、書き出す
3他の捉え方はないか、探す
4この手順を繰り返す
 
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私はあの人が嫌い

いつも私のことばかり呼んで、いろいろ注意してくるから。

「もしかして、私のことが気になったり、心配してくれたり、育てようとしてくれたりしているのかもしれない。」
「私の性格や考え方だと『そっとしておいてほしい』が、心配の表し方だけど、あの人はエネルギーが高いから、『何度もたくさん声を掛ける』ことによって、私への気持ちを表現してくれているのかもしれない」
「あの人は、今日、たまたま不機嫌だったのかもしれない」
 
 
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この「3」の、「他の捉え方を探す」ことが、最初はなかなか出てこない。
それは自然です。だって、これまでの自分の人生で、なかった考え方だから。
 
簡単に探す方法は「誰かに聞く」。
もちろん、「相談」の形で誰かにきいてもよいし、
「ねえ、このパターンだと、相手は他にどういう気持ちだと思う?」
と考えるのです。
ちょっと、国語や道徳の学習に近いかもしれません。
 
***
「4」 手順を繰り返す
 
これは、「慣れる」「訓練する」と同じです。
筋トレや部活動と同じのように、練習していないものを、いきなり上手にできません。計算ドリルを何度もやれば、必ず計算が早くなります。
 
先ほどの「3 ほかの捉え方を探す」 は、最初は、家に帰って、「う~んう~ん」と考えて、ようやく出てきます。
でも、続けていれば、相手と話した直後、もしくは、相手と話しながらでも「ああ、自分はいまこう捉えているけれど、別のパターンかもしれない」と思うことができます。
 
これは、自分が冷静になれている、客観的にものごとを見ることができている、ということです。
 
このあたりまで来ると、
「自分が2人いる」状態になります。
・イヤな人と話している自分
・それをモニターしている自分(脳の中のもう一人の自分)
 
・「イヤだな~」
・「自分は、イヤだなと、思っている」
(↑この自分は、イヤと思っているわけではない)
 
 
今までの人生では、「一人目の自分」しかいませんでした。
でも、自分という最強の味方が登場しました。
おめでとう。
 
 
 
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日誌を書く
自分の行動を毎日振り返るために、日誌を書きましょう。
その中に、これら「認知」に関して思ったことを、自由に書きます。
 
日誌は、よい提案を持っています。
日誌のnoteマガジンをご覧ください。
(2022.7.25まだ途中でアップしていません。長大になります笑)
 
 
 
 
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「自動思考」
 
認知行動療法において、最初に登場する感情や捉え方を「自動思考」と言います。
「イヤだな~」と、自然とまっさきに浮かぶ考えのことです。
 
時間をかけて「他の考え方もあるかもしれないよ!」としていくのが、認知行動療法です。
 
認知行動療法は、「自分と相談する」とも言えます。「自分と向き合う」とも言えます。だから、自分一人でできるところもあります。
 
その一方、自分という「身体」はひとつしかありませんから、力のあるカウンセラーに自分を映し出してもらって、自分と対話することもできます。
 
深い自己対話や気付きは、大きな癒し効果もあります。
カウンセリングが「セラピー」を含んでいる理由です。
 
(怪しいスピリチュアルなわけじゃないよ)
(本当のスピリチュアルは、多分、「精神」「自己」みたいな意味だと私は思います)
 
 
 
 
これ以降は、スペシャルコラムを2つお届けします。
 
 
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コラム  「認知」は人生を変える
 
・自分が病気になった
 「人生終わりだ」→「何か意味がある」
 
・仕事で大失敗
 「もうだめだ」→「あの時失敗したから、今の自分がある」
 
・対人関係
「なんであの人と一緒に活動しなきゃならないの」
→「自分が学ばせていただくために、出会ってくれた人だ」
 
 
もっと突き詰めると、
 
「必要な時に、必要なモノが、必ず手に入ります」
「必要な時に、必ず必要な人に会えます」
「チャンスに気付く力」
「人とのご縁は、なにか偉大な力が働いている」
「出会った人を、少なくとも自分からは、大切にしよう」
「一人一人が、それぞれ尊い存在なんだ」
 
 
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これらの「ポジティブ的な考え」に至る前には、背景に「自動思考」があったはずです。たぶんそれらは、相当ネガティブだったでしょう。
 
単に、ポジティブ思考を勧めているのではありません。
 
本当にポジティブに捉えられる人は、かつて、とてもネガティブなところを経験しています。
 
今、輝いている人は、かつて、闇の底にいた人です。
 
いま、闇の中にいる人は、望めば必ず、輝けます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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コラム  歴史上の人物とメタ認知
 
 
スペインの「ピカソ美術館」に行ったとき、大変驚きました。
高齢になったピカソの映像が、たくさん再生されていたのです。
 
ビデオは白黒です。
ピカソが、ガラスにいろんな絵を描いているシーンが撮られています。
他の人とのコラボもあります。
 
 
すでにピカソが十分に有名になった後の映像ばかりです。
特に知識がない人がこれらを見ると「自慢か…??」と思うかもしれません。
 
でもおそらくピカソは、メタ認知力が高かったと思います。
あれだけの絵を描いているし。
 
 
つまりピカソは、高齢になった辺りで「ああ、多分自分は、世界的に見ても才能があるのだろう。であれば、ビデオに自分が絵を描く姿を残して、後の世の人の参考になればいいな」などと思って、記録映像を残したのだと思います。
 
一部ユーチューブにもありますよ。ぜひ。
https://www.youtube.com/watch?v=W3pfNT6qJUk
 
 
 
ベルリンフィルを指揮した、ヘルベルト・フォン・カラヤンという有名な指揮者がいます。彼も、帝王と呼ばれるくらい、たくさんの名録音を残しています。
彼の円熟期には、自分が未来及ぼす影響を予測しており、後世のためにいろんな音楽を残してくれたのでしょう。
おそらくメタ認知力が高かったのだと思います。
 
 
この視点で考えると、例えば、
スティーブ・ジョブズ
チャールズ・チャップリン
歴史に残る名演説や書籍を残した政治家、運動家、宗教者
 
 
たちも、「ただの自慢」「自己満足」「自画自賛」でなく、あえて私たちの未来のために、非難されることを分かっていながらも、素晴らしい贈り物を残してくれたのかもしれません。
 
 
 
 
 
 
やっと原稿ができた。親指が痛い(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 
 
※この記事、出典明記で使ってOKです。
 
 
 
 

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