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ゆめのきろく

透きとおった水に赤や紫色の
インクを落としたような色で、
浅くてきれいな海がずっと広がっている

砂浜にステージがあって
顔を白塗りにした天女の様な、
着物を着た女性達が舞いを披露していた

海の上には魂のような光が
たくさん飛びまわっていた

音楽にのって躍っているようにも見えた

美しい光景に見とれていると
何年も前に夢の中で
逢ったことのある少年が現れた

青白い肌でフードを深くかぶった
隙間からはうす暗く光る目が見える

冷たい手で私の手をそっと掴むと
彼はマントを広げて海の上を飛んだ

海の中を見ると、無数の人間や動物達の骨があって
小さな光る石の様なものがキラキラしている

とても幻想的で、
まるで天国の地獄がまざった様な世界


ずっと飛び続けると、見なれた光景が見えてきた

そのずっと端にある小さな家の
小さな窓から部屋に入り
私を降ろすと、悲しそうに見つめた

「また逢えるかな」と聞くと、
うつむいたまま手を離し、寂しそうに飛んで行った

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