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ブーメラン発言道(バレエショートショート)

とある大人バレエ教室の最古参の生徒のBは、皮肉ばかり言う人だった。Bから見ての感想で不細工、へたくそと罵る。特に50歳でバレエを始めたCにはきつかった。振り付けの覚えが悪いCに対してあからさまな軽蔑の視線をよこす。Cは耐えていた。Bは増長し、肥満気味のCにアドバイスとして、バレエやめたら? とまでいう。

Bは公演の切符をすべて買い取ってくれるので、先生も強く言えない。

ある時、一瞬で事態がひっくりかえった。Cが実は高名なバレエ団経営者の娘だった。経営者の急死に伴い後継者としてテレビや新聞で報道をされた。

Cは皆を前にお別れの挨拶として、Bに対してこう言った。
あなたのおかげで生徒に言ってはいけない言葉をたくさん覚えました。ご機嫌よう。

Cは大人バレエ教室も起業し皆はそこに移籍した。Bは病気になりバレエどころではなくなった。そのうえ容姿に関しても老いが早くすすみ、過去の発言ブーメランがまともにぶつかったようだ。でもCたちは優しいので道でBを見かけても黙って微笑むだけだ。


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Bさんのような人います。まじで昔のバレエ漫画から出てきたのかといいたくなる人がいます。画像にロートレックの絵を使いましたが、この人にちょっと似ています。わたしはバレエをやるには肥満してますが、目障りだと言われました。センターレッスンの振り付けを覚えるのが苦手なもので、動作が遅く余計にいらつくらしい。見ているだけで腹がたつらしい。えてしてこういう人に妙に容姿や技量に自信があるのもお約束なのですが、一種の人格障害があるのだろうとスルーしていました。けど、その人に加えて先生までもが味方して別の人を虐めたのでもう諦めて、そのお教室をやめました。現在わたしは素敵な先生やダンサーと知り合って幸せに暮らしています。バレエ人生もいろいろありますよね。

ありがとうございます。