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令和5年10月18日(水)の あたりさわりない薬剤師日記


※令和5年 クリエイターフェスに参加※ 10月1日から31日まで毎日薬剤師日記を書く。


 新規の患者さんには問診票なるものを渡して書いてもらう。住所氏名生年月日は当然として、過去のアレルギー歴などを書いてもらうものだ。これらは簡単に、ハイ、イイエでマルをつけてもらうようにしているが、とにかく備考欄をびっしりと埋め尽くす人もいる。情報が多いほどこちらも対応しやすい。

 さて今日の新規さんは本人ではなく、家族が代理で来ていた。紹介状を持って転院してきたという。その家族さんは、問診票に住所と名前だけ書いて、薬手帳を添え「コレを見ておいてください」 と言ってきた。それは別の薬局が調剤した処方内容の記録シールでこんもりと膨れている。ああ、問診票に書き写すのが大変だからかなと思った。

 内科、呼吸器内科、外科、整形外科、皮膚科、眼科……通院するのも大変だろうなあ。かかりつけ薬局も複数ある。事務さんがすかさずかかりつけ薬局制度の話をしていたが家族は興味なさそうに聞いている。

で、わたしが調剤を終えて薬の交付窓口で名前を呼ぶ。

わたし → この人、マルマル系の薬をたくさんお飲みですが病名を伺ってもいいですか?

患者家族 → さあ、わかりません。薬を取りに行くように言われただけなので

わたし → 失礼ですが患者さんと同居のご家族さまですか?

患者家族 → そうですけど

 ご家族さんは、薬の説明はいいので、早くしてという態度。幸い飲み合わせの悪い薬は出ていない。でも内科で認知症の進行予防の薬や安定剤も出ている。わたしは服薬管理状態を聞きたくてさらに質問をした。

わたし → 重ねて伺いますがデイケアや訪問看護師さんは利用されていますか?

患者家族 → いえ、ずっと家にいますけど?

わたし → 飲み忘れが心配ですが、薬の管理はご家族さんがされていますか

患者家族 → いえ、本人がやってます。チェックすると怒りますので時々見る程度です。すみません、急いでいますけど?

 彼女は露骨に帰りたがっている。患者に対する無関心さといい、この人は患者とは仲の悪い娘もしくはお嫁さんかも。わたしは今日の夕食後から普段の薬と一緒に飲むようにと渡す。どうもと軽く頭を下げて帰って行かれた。臨時的な薬だったので、もう来ないかもしれないけど、気になる人はずっと気になる。



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ふじたごうらこ
ありがとうございます。