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令和6年10月4日(金)のあたりさわりないエッセイ日記


今年も10月1日から31日まで毎日エッセイ日記を書くことにしました。


本日のテーマ
ジェネリック薬品


 数年前からジェネリック医薬品の供給が不安定です。全然良い方向に行っていません。しかし、国はジェネリック推奨です。先発薬を希望する人、ジェネリックが嫌いな人は、令和6年10月1日から負担金が増えました。もうすでにスタートしています。今まで薬代ゼロ円の患者にも少しだけだけど負担していただくので、こちらで数か月前から値上がりしますよ~というパンフレットを作成して、先発希望の患者に薬と一緒に渡していました。お金のことで揉めたくないから。

 多少値上がりしても、わたしは先発品ではないとダメですので、いいですよ、という人が大半です。
 しかし、諸事情で薬代が無料ですが、それでもお金を取るのですか、困りますという人もいます。申し訳なくて、こちらも胸が痛くなります。薬剤師が儲けるためではないし、国にお金がないからなのです。すみませんと、残念そうな表情で説明する。
 生活を切り詰めているのに、100円でも薬代を取られるのも困るという人もいて、謝り倒します。ほんと、どうなるのだろう。

 そうそう、生活保護の人で先発希望者の人も多いのですが、国はますます厳しくなってきました。先発希望の場合は、医師の確認が必要です。本当に先発を出してもいいのですか? の念押しです。
 医師の発言は患者にとって重いので「出されへんようになってん」 の一言で納得する人が多いのですが、「生保だから馬鹿にしてる」 と取る人も若干名いるので、薬局がなだめる羽目になる。
 一度わたしはそれで「薬剤師からも馬鹿にされた。なぜこのオレがジェネリックっちゅう、安物の薬を飲まなきゃいけないんだ」 と市役所の福祉課に通報されたことがあります。( →→ ショックだったので何回でもこの話を蒸し返す)

 あと、ジェネリックでもあるメーカーが製造中止になり、逆に先発品に変更したりもあります。この場合は、普段の薬よりも負担金が増える。これも、そのたびに患者に謝り倒す。なんなんだこの状況は。おかしいよね? ジェネリック推奨を国が率先してやっているはずが、結局現場まかせ。でも末端木っ端な窓際薬剤師がここで愚痴を垂らしても状況は改善しない。
 患者は次々に来局される。調剤薬局で長居をすることを好む患者はいない。
 結局仕事の流れに沿って、正確かつ素早く調剤して交付する。時間はすぐにたつ。それの繰り返しです。今日も愚痴になりました。


※先発薬が必要な患者さん、例えばジェネリックだと期待する効果が出ない、添加物などのアレルギーが出るなど、医師コメントが処方箋に書いてあればそのままで可です。念のため。


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エッセイの雰囲気が暗いので、ちょっと馬鹿っぽい話を。
妖怪子泣き爺バレリーナ、
題名が先に浮かんであとから話がついてきたパターン。
たまにこういう話を思いつく。

↓ ↓ ↓


No21 妖怪子泣き爺バレリーナ

 男性と組んで踊ることをパ・ド・ドゥというが某バレエ団で男性たちから一緒に踊ることを嫌がられるバレリーナがいた。リフトの時に彼女を持ち上げると急に重くなって腕や腰を痛めるからだ。彼女もそれを知り団長である私に相談してきた。

「体重は増えていません。急に重くなる自覚もないです。が、バレリーナとしては死活問題です。団長、私はどうしたらいいでしょうか」

「原因に心当たりはないのか」

「先週、肝試しで妖怪山に行きました」

「なんでバレリーナが肝試しを…? まあ原因はそれだろ」

「申し訳ありません」

「妖怪山といえば、有名な子泣き爺のふるさとだ。捨て子と思って哀れみ抱っこすると急に重たい爺になるというアレだ。とりあえず除霊をしてもらえ」

 神社で祈祷してもらうと体重問題は無事治癒し、パ・ド・ドゥを組めるようになった。ただ私生活まで治らなかったようで彼女の夫が彼女に押しつぶされて圧迫骨折したらしい。

小説家になろう/
ふじたごうらこ




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