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【読書記録】*ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に*
こんばんは。今回読んだのは、斜線堂有紀さんの「ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に」です。5つの短編で構成された物語です。
それぞれ物語としての繋がりはありませんが、どれも「メッセージ」がテーマになっています。封じ手、音声以外の言葉、虹色の手紙、ジュークボックス、円盤状記録媒体。これだけ聞くと意味のわからないものかもしれませんが、謎を解くのに一番重要なものだったりします。
この作品は時間軸が行ったり来たりなものが多かったです。「妹の夫」では、タイムワープをすることで地球と宇宙船で進む時間が異なり、事件の解決の糸口を知っているのに、言葉も伝わらずヤキモキする男の物語。帯に書いてあるあらすじもこちらの作品でした。宇宙好きの自分はこれが一番好きなお話。終わり方もなんとなく良いエンドが想像できて、主人公の努力が報われてよかった。
「雌雄七色」は夫に裏切られ離婚し、ボロボロに傷つけられた女性が虹になぞらえて7通の手紙を元夫に送る物語です。最初は怒りマックスで殺してやる!と書いてあるところから始まり、2通目3通目と進んでいくごとにその激しい感情がおさまっていきます。読み手としては、手紙に書いているうちに怒りがおさまってきたのかと思いきや…少しだけ捻った物語でした。これは、最後元夫がどんな結末を辿ったのか気になります。
他の3作品も少し変わった設定で、しかし内容が理解できないほど難しくもなく、丁度いい塩梅で摩訶不思議さとミステリが楽しめました。物語として繋がっている短編小説はたまに読んでいましたが、今回読んだ作品のように、テーマは統一されているが内容は別というのは久しぶりで、短期集中で物語の世界に入り込めるので読みやすかったです。
さて、次に読もうと思っているのは、駄犬さんの「誰が勇者を殺したか 預言の章」です。1作目が本当に良かったので、気持ちが熱いうちに続きも読みたいと思います。今度の話は1作目で話の重要人物であった、巫女の物語で時間軸で言うと過去になります。より物語の核心に迫れると言うことで今から楽しみです!
体調を様子見ながら読書はしていくので、なかなか読了投稿はできないかもしれませんが、また見にきていただけたら嬉しいです。ここまで読んでくださりありがとうございます。