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ソシャゲに思う事(負の感想編)

こんにちは、yukihisaです。
最近、就職活動でソシャゲを作っている会社のゲームプランナーに応募する機会があり、久しぶりにいくつかのソシャゲをプレイしています。その過程で沢山の気付きがあったので書いていきます。


分かりづらいUI 

第一に、分かり辛いUIが多かったです。ユニット一覧を見るボタンがなぜかユニット個別の強化画面からしか開けなかったり、クエスト終了時のリザルトがなぜか2回に分けて表示されたり(しかもスキップできない)…といった感じです。


UIの「見た目」は綺麗なゲームが多かったので、問題はUXにあるのかな?と思いました。以下はUI/UXに関して面白かった記事などを貼ってみます。僕の考えはこれらの記事の影響を受けています




次に、ソシャゲをプレイしながら「こういうUIになって欲しいな…」と思った内容を下に書いていきます。


「何ができるのか」が分かるUIにして欲しい
例えば、ホーム画面から「ユニット」のメニューを開いたら、その先には「ユニット強化」「ユニット進化」といったボタンを設置してプレイヤーがその画面でできることを明確にしてほしいです。「ユニット」のメニュー画面に「武器」と書かれたボタンがあっても、そのボタンで何ができるのか掴みにくいです。



とにかく文字を大きくして、読めない文字は省く
文字が小さくて読めない場合が多いです。プレイヤーはゲームを先に先に進めたいため、小さい文字を読む時間はありません。無駄な文字はとことん省いて可視性・可読性を高めるべきであり、どうしても長い説明が必要な場合は別の場所に問題があることもも疑うべきだと思います。


●説明が長い
これは上記と同じような説明の「文字の長さ」もありますが、「時間的にも長い」と感じました。特にチュートリアルなどの説明は、プレイヤーが読むのではなく体感する形で退屈にならないよう説明して欲しいです。



●重要なボタンは大きく
重要な=頻繁に使うボタンは大きく表示するべきです。プレイヤーがタップしやすくなりますし、「大きさ」で重要性を認識するのは現実世界の感覚にも似ていて分かり易いと思います。


重要度が同じぐらいのボタンは「横並び」で
加えて、重要度が同じぐらいのボタンは横に並べるべきです。僕たちは勝手に上にあるものが重要だと認識してしまうため、重要度が同じボタンを縦に並べてしまうと、その重要度が異なって見えてしまいます。


●押せるUIと押せないUIの区別をはっきりと付ける
「え、これって押せるの!?」というボタンがかなり多いです。逆に押せそうで押せないUIも結構あります。ゲームをプレイしていて、このようなUIとボタンを間違って認識してしまうのが意外とストレスになる事に気付きました。プレイヤーから見て押せるボタンと押せないUIを分かりやすくする工夫が必要です。


●必要な情報は階層を浅く
必要な情報までの画面遷移が多いとイライラします。例えば、「火属性の強化クエストの上級」を選ぶのに

「ホーム」
→「クエスト種類の選択(強化クエストを選択)」
→「属性選択」
→「難易度選択」
→「パーティ選択」(ゴール)

という画面遷移が必要、とか。途中で戻ったりするとどの画面にいるのか分からなくなってしまうので、画面遷移は2つぐらいで済ませて欲しいです。


●統一する
例えば、どの画面でもキャラのアイコンは長押しすると必ずステータス画面に移動するといった風にアイコンやボタンの機能を統一して欲しいです。統一感が無ければ「さっきの画面ではキャラの強さを確認できたのに、この画面だとできない…もしかしてバグった?」といった誤解を与えてしまう可能性があると思います。


●枠の中に機能を収める
枠の中に必要なボタンを収めるなど、枠で機能をまとめて欲しいです。例えばユニット一覧を表示する枠がある場合、その枠の外にユニットの並び替えボタンを配置されても全く気付きません。枠の外にあるので、ユニット一覧に関係するボタンだと思わないからです。



こんな感じでとにかく分かり辛いUIが多かったのが最も印象に残りました。スマホゲーは人間が直接画面をタップするので、プレイヤーの行動を深く予想してUI/UXを設計する必要があるな…という実感を得ました。これはやりがいがありそうです。
また、「ボタンの重要度」は恐らくQAのプレイヤーが押したボタンの頻度を元に決められるのだと思います。そういった開発の事情はとても気になります。



「面白い」「面白くない」以前に「面白いかどうか分からない」


次に、プレイしたゲームが面白いかどうか分かる前にゲームをやめてしまった…という話です。


初心者の救済

長い期間リリースが続いたソシャゲは、コラボキャラ、究極進化、限定キャラ、と要素がてんこ盛りです。エンドコンテンツも高難易度化し、初心者がより早くエンドコンテンツに参加できるよう無料ガチャや魔法石の配布が行われます。しかし、僕はこの救済が逆に初心者の「飽き」の原因になっているように感じました。


救済で「弱くないパーティ」が完成
救済ガチャによってある程度のクエストを攻略できるパーティを作った後、ほぼ何も知らない初心者はメインクエストを始めます。しかし、開発当初に設計されたメインクエストは救済を受けた初心者には簡単すぎます。実際に僕はオートプレイだけでほとんどのメインクエストをクリアしました。


オートプレイでゲームを遊ばずにクリア
メインクエストを自動クリアする間、プレイヤーは画面を眺めるだけで「ゲームを遊んでいない」状態になります。これが問題なのです。メインクエストはアップデートを重ねて膨大な量になっており、それをクリアするまでただ画面を眺めて過ごすだけでは「ゲームの面白さ」まで辿り着けず飽きが先にやってきます。


面白いかどうかが分からないままやめてしまう
つまり「面白い!」までが長いのです。ゲーム自体は面白そうなのに、その遊びが体験できない…。すぐにイベントなどのエンドコンテンツを触り始める初心者ならば問題ないでしょうが、そうでない人は面白さを体験する前にやめてしまうな、と思いました。



解決案

ゲームの面白さを体験させる(=ゲームを自分で考えてプレイできるようになる)ための解決案を考えてみます。


1. ストーリーの導入
ストーリーを導入することで、ゲームの面白さを体験できなくとも物語の面白さを楽しめるようになります。ストーリーを求めてメインクエストを進める内に「自分の手でゲームを遊べる」ところまで到達すれば解決です。
しかし、クエストを膨大な量クリアする必要がある、という事実は変わりません。ストーリーに興味が無い人にとっては効果が無いと思われます。



2.パーティの強さでクエスト免除
パーティの「戦闘力」を算出して、クエストのプレイを免除できるシステムを導入します。具体的には、「パーティの戦闘力が1万以上なら、メインクエストの50ステージまでは全てクリアしたことにできる」といったシステムです。これでプレイヤーは「自分の手で遊べる」クエストからゲーム開始できます。
ただしストーリーのあるゲームや序盤のクエストにチュートリアルなど重要な要素を含んでいるゲームでは実現が難しいと思われます。


3.イベントへの誘導
「初心者を最初からゲームの面白さを味わえるコンテンツ(例えばイベントクエストなど)に誘導する」のも手です。イベントなどでゲーム自体を面白いと思って貰えればメインクエストも後々遊んで貰えるかもしれません。

ただしイベントクエストは多くのギミックが使われる場合が多いため、ギミックに対処するためのチュートリアルを十分実施してからイベントへ誘導する必要があります。


4.ゲーム性以外の面白さを提供
ゲーム性以外の面白さを提供して「ゲームが面白くなるところまでユーザーがプレイしてくれるのを粘る」という策です。ゲーム性以外の面白さは「ストーリー」「魅力あるキャラ」「他プレイヤーとの交流」「音楽」などを使って提供できます。
この方法は開発側の負担が増えるものの、様々な角度で課金を促すことが可能です。(音楽に課金、キャラのスキンに課金、チャットで使うスタンプに課金など)



Pay to winと課金について


よく、「ソシャゲはpay to winで課金しないと勝てないから面白くない」と言った話を聞きます。僕の友達も言ってました。
以下ではpay to winに加えてその他の課金に関する考察を書いていきます。


pay to winの問題点


pay to winの問題点を書いた以下の記事。

Pay to Win(P2W)は基本プレイ無料(Free to Play)タイトルの中でPvP要素を有しており、課金サービスによって勝敗に影響が出るタイトルを指す。

P2Wの一番の問題点は公平性が担保されないという点である。クラロワで言うと同じカードを使用し、同じプレイヤースキルの場合でもより課金し、カードレベルが高いユーザーが勝つ仕様になっている。これは無課金ユーザーには理不尽に感じるし、課金ユーザー同士でも相手より強くなるためにより課金するという「札束での殴り合い」が発生する。勝ち負けに金銭が絡むためeスポーツとして定着しないのも大きな特徴である。

記事を読んで、pay to winの大きな問題点が「公平性が担保されないこと」だという主張に納得しました。「pay to winの対戦ゲーム」におけるプレイヤーの心境を以下に考えてみました。
・無課金プレイヤー:実力を磨いても課金者に負けて面白くない
・中課金プレイヤー:廃課金者に負けて面白くない
・廃課金プレイヤー:ゲームには勝てるが、多額の課金が必要


対戦ゲームの勝敗が課金額で決まるのは本末転倒だと感じます。「勝ち」を買えるなら別にゲームじゃなくても良いのでは…と思います。



対戦ゲーム以外のpay to win


対戦ゲームではなく「イベントステージやエンドコンテンツを攻略・周回して目的のアイテムを入手・強化する」ゲームへの課金を考えてみます。
・無課金プレイヤー:実力で攻略し、時間をかけて周回する
・中課金プレイヤー:課金キャラで攻略・周回を楽に行う
・廃課金プレイヤー:課金キャラで攻略・周回を更に楽に行う

イベントやエンドコンテンツを全てのプレイヤーが楽しめるようになっていることが分かります。課金が「お金で時間を買う」仕組みになっており、時間がない人でも課金をすることで有利になれるメリットも見られます。

更に、「イベントを周回してポイントを稼ぎ、ランキングの順位で報酬を得られるゲーム」についても考えてみます。
・無課金プレイヤー:膨大な量の時間を使わなければランクイン不可。
・中課金プレイヤー:大量に時間を使えば上位を目指せる。
・廃課金プレイヤー:時間を使えば上位を目指せる。

上位を目指すためには課金額が多くても大量に時間を使う必要があります。廃課金プレイヤー以外は「欲しい報酬が貰えるランクで止める」といった選択をすることになるでしょう。



Pay to winと課金に関する結論


対戦に課金額が影響するゲームは作らない方が良さそうです。対戦ゲームはスキンなどに課金させるのが良いでしょう。もしくは「ポケモンユナイト」やDCGのように「課金はプレイヤーの選択肢を増やす」という形式にする必要がありそうです。


逆に「イベントステージの周回」など競う要素のないシステムは課金してイベントを楽に勝てるようにして大丈夫でしょう。無課金プレイヤーは時間を掛ければ楽しめて、課金すれば更に時短して遊べる。そういうシステムが求められる気がします。

また、課金で「ランキング」を有利にするシステムはあまり良いとは言えません。やるのであれば無課金・中課金がランキング以外でも楽しめるようにコンテンツを充実させる必要があるでしょう。また、「時間をかければランクインや上位を目指せる」というゲームバランスも重要となります。 


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