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53.なぜ鳥に生まれずに、

行きたいところに快く行けない、そんな状況になってから旅行はもちろん、隣接県以外にお出掛けをする機会が減った。この状況下、遠出ができないことを頭では理解しているが、先日の快晴の日、たまらなく遠くへ行きたくなった。いつもと違う景色を見たい、はじめてに出会いたい、きっとお出掛け欲を抑え込んでいたせいか、知らず知らずにストレスを抱えていたのだろう。

お出掛け欲が弾けた翌日、この日も快晴だった。
さらに仕事も休み。どうしても出掛けたい!どこかに行きたい!それでも人が密集しないような場所を、と考慮しながら選んだ先は、車で1時間弱の場所にある野鳥センター。鳥は鳩も雀もカラスも、文鳥やインコや鶏も好き。だけど、野鳥を観察したことって、ない。そもそも素人が簡単に観察できるのか?興味に駆られて車を走らせる。

自然豊かな湖の畔にある、野鳥センター。
センター内に入ると、季節毎にやってくる鳥の種類が掲載されたリーフレットを渡され、望遠鏡がずらりと設置された部屋に案内される。室内から望遠鏡を通して、山側、湖側それぞれの野鳥を観察する。

望遠鏡からスマホをかざして撮影ができるとスタッフの方が教えてくださり撮った一枚。インスタントカメラで撮影したような、ちょっとレトロな雰囲気。水辺で毛繕いをしたり、寝ていたり、羽根を広げて日光に当てていたり。自由気ままな水鳥の集団を見ていると、気持ちが柔らかくなってきた。

今の季節なんかは、越冬のために遥か遠くから飛来してきた鳥もいる。ロシアはカムチャッカ半島からやってきた鳥も多いそうで、国を越えてやってくるなんて、本当に自由!と、ちょっと感動。鳥からしたら気ままな旅ではなく、生きるべく冬を越しにやってきたのだけど、ほんの少しのロマンを添えたくなってしまう。

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鳥、というと、やはり空を自由に飛べる存在ということで、自由の象徴とされることが多い。(今回、私が見た水鳥たちは空を飛ばずとも自由を謳歌しているように見えたのだけど)私が敬愛するスピッツの曲の中でも、鳥や空をモチーフにした曲は多い。

なぜ鳥に生まれずに 俺はここにいる?
「漣」
今鳥になって 鳥になって 君は鳥になって
「鳥になって」
海原を渡っていく鳥のような心がここに在る
「つぐみ」

他にも歌詞中に「鳥」というワードを使用した曲はあり、「自由」と入れ替えて読んでみると、また新しい見方もできるような気がして楽しい。

お出掛け欲を弾けさせた結果、自由の象徴ともいえる鳥たちの生態に出会い、思わず「自由」について考えるきっかけになった、貴重な休日。

おわり

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