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再び熊本

 熊本に出張した。新幹線で中国地方を通り過ぎる間、車窓から移り変わっていく風景を見ると、はるか向こうの山々から朝の息吹が立ち込めていた。濃く色づいた山々の緑の木々が曇り空の下、覚醒を始めようとしていた。

 幻想的な世界に浸る間もなく、九州・熊本の地に降り立った。

 熊本の街は以前来た時と同じ様に人々が行き交っていた。
 東南アジア人らしい観光客が大勢で詰めかけていた。数年前に起きた地震の影響はもう既に表面的には見られなかった。
 でも、特に南区内の住宅地を歩いていると、時々ひびの入った塀やまだ青いシートをかぶった屋根が姿を現し地震の痕跡が所々まだ残っていた。早期に復旧した華やかな都心部の商業地域と未だ地震を引きずっている寂しい佇まいの郊外の住宅地、そのコントラストが現実の厳しさを物語っていた。

 駅前も再開発ビルが華やかに竣工していて、熊本城も無事に修復された。
 熊本城は加藤清正にちなむ九州の黒い稲妻! 勇壮な姿が清々しい!

 街の雰囲気は依然と同じなのだがどこか物寂しい。何度訪れても飽きない街のはずだがトキメキ度の限界効用が低減していく感はやはり否めない。

 震災が与えた影響は確かに大きいが熊本はこんなもんじゃない、更なる復活を待ち漕がれている。
 観光客は戻ってきている。駅前の再開発で生まれ変わった姿も見事だ。

 半導体関連企業の進出で一部の地域の地価は急騰している。この流れが呼び水となり周辺に波及していく効果を次回訪問時にもっと感じ取りたい。

 

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