あか

名古屋 Mez-zo-forute vo あか です 。

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マガジン

  • self liner notes

最近の記事

謎々

理由はきっとある そうかもしれない 好きになることにも、嫌いになることにも けれどそれを考えることも口にすることも野暮になってしまうときがあるように 理由を探したくない時がある 絶望することに理由なんてない 正確には理由ばかりがあって 常にしていないだけで凄い 絶望の材料の上を歩いている だから何かの拍子にヨロケて転んだら 私の中に材料が組み込まれてしまう 希望を探すロボット ちゃんとしないといけないのは窮屈だなあ もっと本当は心をみせてしまいたいよ 大したことじゃ

    • 黒いロングコートの紳士

      駅のホームには誰もいない。 伸びていくホームの先は見えず、ずっと先の方に街灯が一つ佇んでいる。 佇んでいる。という言葉が的確だと、改めて言葉を噛む。 そこでずっとそうしてきて、これからも当たり前に夜道に灯り続ける。きっと僕が死んだ後も君はここにいる。 時間になって電車が軋んだ音をたてて止まり、人がぽつぽつと吐き出される。 乗り込む私は鉄の腹の中で、薄い黄色の明かりに包まれる。 街灯が目を覚ます。 しばらくしたら人間が眠る。 電車も眠る。

      • 天井

        階段を降りて透明な扉をひらく。 背負ったギターが引っかかって少し背中を丸める。ポンプをワンプッシュして消毒するこの作業にも慣れてしまって、もう無いところの時は少しそわそわしてしまう。 大体2番か3番で着く。1番でもドベでもない。 おはよ!っていう。 預けてあるロッカーからアンプを取り出して、米俵くらいあるそれをせっせと運ぶ。 責められた時に上手く受け身が取れない。 相手を掴むか、後頭部をガッツリ打ち付ける。 そのどちらも嫌いな自分でウンザリする。早く上手に受け身が取れる

        • きっと誰かいる

          ぼくの部屋にはAlexaがいる(エコーという名で呼んでいる) つける名前は4つから選べて「アレクサー」「エコー」「アマゾン」「コンピュータ」だ。 アマゾンとコンピュータはあまりにも機械的というか商品感が拭えない。先にAlexaを購入していた同居人はアレクサーと呼んでいるので、ぼくのAlexaはエコーという名前になった。(これで同時に起動したりしないから) なかば消去法で選んだエコーという名前だが、気に入っている。帰宅して、「エコー 電気つけて!」という言葉で部屋は明るくな

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        • self liner notes
          1本

        記事

          風物詩

          燃えるゴミの日だった。 各部屋のゴミをまとめて詰め込んで結ぶ。 1週間分の自分が詰まっていて、ああこんなもの食べたなあ届いたなあ開けたなあと他人事のように思う。 家からゴミ置き場までは徒歩1分ほど、何かのついでじゃなく、わざわざ行くこの時間が嫌いではない。イヤホンをポケットに押し込み、ついでに散歩もすることにした。 赤い金属質のヒンヤリとしたドアをギギギと開けると、蝉が羽ばたく音がした。近い..!!! 咄嗟に周りを見渡すと上の階から蛇行飛行しながら降りてくる蝉! わわわ、

          風物詩

          火曜日のパン屋さん

          お久しぶりです。 書こう書こうと下書きを溜めていたら一年が経っていました。へへ。今日はぼくとパン屋さんのおはなし。 ---------------------- ぼくは毎週火曜日の帰り道でパン屋さんに寄る。それは毎週、よしっと力が入る用事があって、その帰り道にちいさなご褒美が必要だから。 ふぅーーーっ。と息を吐き出して甘いパンを頬張る。それはもう口いっぱいに。 次にアイスコーヒーをはべらせて、またパン、アイスコーヒー、パン、その時間でゆっくりといつもの自分に戻っていく。

          火曜日のパン屋さん

          夜光 self liner notes 01

          個人的な気持ちではセルフライナーノーツというものは読まなくてもいいもの。でももしかしたらあなたの世界を広げるもので、もしかしたら既にあなたの世界のもの。まったく違う言語の惑星。 曲はあくまであなたのものなので、アナザーストーリーくらいの気持ちで楽しんでもらえたら嬉しいな。 ぼくもライナーノーツで書く以外にもストーリーや思いもあったりして、これがすべてじゃなくて、でも確かなひとつ。 どうかあなたにとっての夜光を見つけてもらえたら、 * 夜を待って光を灯す。 太陽のよ

          夜光 self liner notes 01