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読書ノート 「東洋哲学覚書 意識の形而上学 『大乗起信論』の哲学」① 井筒俊彦

目次

第一部 存在論的視座
Ⅰ 序
Ⅱ 双面的思惟形態
Ⅲ 「真如」という仮名
Ⅳ  言語的意味分節・存在分節
Ⅴ 「真如」の二重構造

第二部 存在論から意識論へ 
Ⅵ 唯「心」論的存在論
Ⅶ 「意識」(=「心」)の間文化的意味論性
Ⅷ 「心真如」・「心生滅」
Ⅸ 現象顕現的境位における「真如」と「心」
Ⅹ 現象的世界の存在論的価値づけ
Ⅺ 「空」と「不空」
Ⅻ 「アラヤ識」

第三部 実存意識機能の内的メカニズム
XIII 「覚」と「不覚」
XIV 「不覚」の構造
ⅩⅤ 「始覚」と「本覚」
ⅩⅥ 「熏習」的メカニズム
ⅩⅦ 倫理学的結語


 「意識の形而上学」を読む。三部に分かれたこの本を、一気にここに掲載することは、今の私には消化不良を起こしかねず、今回は各部毎に三回に分けて掲載する。井筒俊彦の著作の中でも難解であり、最後の著作となったこの作品は、井筒の意味哲学の最前線であり到達点でもある。我々はここから前進することを命とし、生を消費していかなければならない。なんて言ってみましたが、私如きには無理無理。せいぜい井筒の思考の変遷を追いかけるぐらいしかできないであろう。それでも構わないのだ。なぜなら好きなのだから、考えることが。



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