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流れが分かれば心配無用! お店取材のルーティン

こんにちは、ミナミノマリコです。

ひと口に編集者、ライターと言っても、
「旅行」「医療」「フード」「金融」…扱うコンテンツによって
その仕事の進め方はさまざま。
私の場合は、雑誌や旅行ガイドなどを担当する機会が多く、
これまで数百件の店舗取材を経験してきました。

レストラン、洋菓子店、美容サロン、アパレル店など、
お店の形態によって多少の違いはありますが、
店舗の撮影取材には、ある程度決まったルーティンがあるように思います。

今回は、カメラマンと2名で行く60分のカフェ取材を想定して、
その流れをご紹介したいと思います!


10:00 まずはお店にご挨拶


店舗取材の場合は、お客様のいない or 少ない日時設定が基本です。

お店のオープン前や、飲食店であればランチとディナーの間の
ブレイクタイムなどに取材時間を設定することが非常に多いです。

当日は、電車遅延や時間通りに到着しても店に誰もいない…
なんてことも、よくありがち。
急ぎでも連絡が取れるように、事前に自分の電話番号を伝えて、
また担当者の連絡先も確認
しておきます。

10:10~ 「撮影は外観から」が鉄則

担当者に挨拶して名刺を渡したら、
カメラマンの機材を置くスペースが必要なので、
必ず、邪魔にならない荷物の置き場所を確認しましょう。

ほとんどの場合、撮影は内外観からスタートします。
店側が、撮影する料理や商品を準備するのに時間が必要だからです。

しかし、いきなり内外観を撮りはじめてはいけません。
まずは撮影内容を確認し、お店の人とコンセンサスを取りましょう。

カフェ撮影であれば、何を、何品撮影したいのか、

撮りたい料理は代表的なもの?
それとも新作商品?店員さんのおすすめ?
一緒にドリンクを添える可能性は?

など、お店の人と意見を細かくすり合わせます。

また、料理ができるまでの所要時間も確認しておき、
それまでにカメラマンがスタンバイできるように準備します。

お店の人が料理の準備に入ったら、内外観を撮ります。
外観は窓の映り込みや、看板の有無などに注意します。

この間に、カメラマンとは別に、自分のスマホなどで
メニュー表やお店の看板などを資料用に撮影しておくと
原稿をまとめるときに役立ちます。

10:25~ 料理がきたら最優先!美味しい瞬間は1秒も逃さない

さあ、料理が出来上がりました。

湯気の出る温かいもの、とろけるチーズ、アイスクリーム…
料理をおいしく撮るのには、寿命があります

そのため、出来上がる前には空の皿を借りて構図を決めて、
ライティングも準備OKにしておきます。
料理ができたら、たとえ他のことをしていても料理撮影が最優先です。

掲載カットが、掲載ページにおいて
背景込みのカクハンなのか、切り抜きなのか、
縦位置・横位置どちらが有力なのか、カメラマンに伝えておきます。

ただし、撮影後にデザインレイアウトの変更が発生することもあるので、
私はなるべく構図はそのままで縦・横どちらも依頼します。
皿を全部入れたカットあると、後で切り抜きカットにも対応できます。

ソースの小さな汚れ、ゴミにも注意しましょう。

10:40~ お店の方へのインタビュー

料理の撮影を終えて、お店の方へインタビュー。
たとえ、本文がたった100文字だとしても、
お店の人から直に聞く話は、良い誌面作りには不可欠
です。

お店のコンセプトや客層、売れ筋商品、
経営者であれば前職や開店のきっかけなど、
その人にまつわるお話も聞いておきましょう。

終盤に基本データ(住所・営業時間・電話番号・定休日)を確認します。
校正の連絡先も忘れずに。高齢の方でメールを使わず、
FAXでやり取りすることも稀にあります。

また、発売日も忘れずに伝えましょう。
先方はいつなのか、気になっていることが多いです。

11:00 撮影終了。ありがとうございました!

ご厚意で、撮影したお料理をいただけることもあります。
食べて気づいた点も、メモしておきます。

おいしそうな顔で食べてください。笑

どんなお店でも共通の要点は3つ

さて、60分の流れをご紹介しましたが、
最後に、どんなお店の取材でも共通の大切な要点を3つお伝えします

①原則、多めに撮る!
撮影カットは基本的に多めに押さえておくこと。
決めカットのみでは、後々のレイアウト変更に
柔軟に対応することができない恐れがあります。

また、商品もなるべく1、2品は多めに撮影しておくと安心です。
掲載しない商品を出してもらうのは申し訳ない、と感じるかもしれませんが、
お店の魅力を最大限に伝えるためには、決して悪いことではありません。

②確定していないことは言わない
お店の人と打ち解けてくると、
つい気が緩んで掲載に関する内部事情まで、伝えてしまいがち。

例えば
「多分、1ページで掲載できると思います」
「対抗ページにはこのお店が入る予定です」などなど、
制作の段階で確定していない内容です。

後々、状況が異なってしまい揉め事に発展する恐れもあるので
確定していないことを伝えるのはやめましょう。

③お店の目線になる
結局、一番大切なのは、取材先への思いやりの心です。
お店の人がどんな取材をされたいと思うか、
どんな記事を書いて欲しいと思うか、想像を広げてみてください。

お店側への一つ一つの気遣いが媒体の印象を決めます。

よい取材ができれば、お店の人も発売のときに
SNSで記事をPRしてくれることも。

以上、お見せ取材のルーティンでした。

お店の人への気遣いと同時に、
一緒に働くスタッフであるカメラマンへの気遣いも大事ですね。
飲み物を用意したり、レフ版を持つのを手伝ったり、、
良いカットを撮るためには、編集サイドの配慮も大切です。


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