見出し画像

離職率の高い企業に共通する『役割』の曖昧さ




日本式マネジメントの特徴は“曖昧さ”

少し古い統計調査ではありますが、マネジメントに関する国際比較の調査によると、日本企業は外国企業に比べて下記の特徴があるそうです。


 ①部下に与える「役割」が曖昧
 ②部下に果たして欲しい「成果」が曖昧


曖昧さが特徴な日本式マネジメントですが、特に『権限の範囲』が曖昧となっており、

「自身の権限を把握している」と答えた部下の割合:10%以下 

なのだそうです。


【参考資料】
●リクルート&ワークス「働きぶりと仕事上の役割認識について」 
●リクルートワークス研究所「5か国マネジャー調査(2015)」  



与える「役割」が曖昧なことによるデメリット

日本式マネジメントの問題点について調べた統計調査によると、部下に与える「役割」が曖昧なほど、下記のデメリットが発生するそうです。


 ●離職率が高なる
 ●会社に対する満足度が低くなる
 ●部下の生産性が低くなる


【参考資料】
※Jackson, S. E. and Schuler, R. S. (1985). A meta-analysis and conceptual critique of research on role ambiguity and role conflict in work settings. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 36( 1), 16-78.



役割を明確にする ≠ タスクを明確にする

「私は細かく業務指示しているから問題ないよ」

そう考えている上司の皆さんほど要注意です。


実は「職務記述書を用いて、タスクやルールを細かく指示を行っても、役割の曖昧さによるデメリットが軽減されない」ことが分かっています。


  • タスクやルールを網羅的に書くことが難しい

  • 「業務遂行者としての役割」「(部署やチーム)メンバーとして役割」の2種類があり、大抵前者しか与えられない

  • 部下の「権限の範囲」が曖昧なことによる、意思決定スピードの低下
    …etc


業務プロセスにおける、上司と部下の間にある『認識の不一致』が、不信感や不満感を引き起こすため、“コミュニケーションの中で徐々に”役割に対する認識をすり合わせていく必要があるのです。



部下の『役割』を明確にできない上司の特徴

様々な方のコーチングを行ってきた経験上、部下と「役割に関する認識」をいつまで擦り合わすことのできない上司には2つの共通する特徴があります。


①部下に裁量権を与えない
②部下が与えられた裁量範囲で行った決定に従えない


前者は俗にいうマイクロマネジメントを行ってしまうタイプ。単純な業務であれば問題ありませんが、柔軟な対応が必要な業務や、イレギュラー対応が発生した際に、『認識の不一致』が発生しやすい。


後者を行う上司は非常に多いのですが、部下の判断による結果が出る前に、上司が自分の判断に従う様誘導してしまうケースです。


部下からすると「自身で決めてないのに、責任だけは背負わされる」形になるため、不信感が高まり、離職率を大きく高めます。


また、「役割の範囲内で行った決定」を覆してしまうことになるので、責任と役割がより曖昧になってしまうのです。



まとめ

“モノづくり”が産業の中心で、細分化された単純なオペレーションが多かった時代には、『役割』は必要なく、タスクに人を当てはめるマネジメントだけで良かったでしょう。


しかし、このマネジメント法しかできなくなってしまった事により、多様性を活かした意思決定や、時代に合わせた変化能力を失っているのが、今の日本です。


是非、部下に役割を与え、チームで成果を出せるマネジメントにシフトして欲しいと思います。

▶人材不足解消のための「採用・リーダー育成」お役立ち資料はコチラ◀


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?