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成長してる企業はやっている、職場モラルの高め方

若者が次々と辞めてしまうが、原因が分からない…


その原因は「職場のモラル・リテラシー低下」にあるかもしれません。


以前の記事でお伝えした、職場に人材を定着させるための6つの要素の一つである「一定以上のモラル&リテラシー」は、問題が発覚するまで気づきにくいものです。


「モラル?コンプライアンス?中小企業のウチには関係ないかな」


いえいえ、過去1年で4割の企業が違反発生を認めていて、


●パワーハラスメント:69%
●セクシャルハラスメント:42%
●(情報漏洩や情報の不正使用」(35%)


つまり中小の現場でも高確率で隠れているが、気付いたときには遅いのが怖いのです。


今回は、人材定着のために重要な『職場のモラルを高める方法』についてお伝えします。




コレが起こったらモラル低下に要注意!

モラルの低下は

  1. 若者の離職

  2. 労災の増加

として表れることが多いです。


日本労働組合総連合会(連合)の調査によると、意外なことにパワハラ被害者の大半は40代男性(42.4%)なのですが、若者にとっては“自分の未来”を見ているようなもの。


選択肢の多い若者にとって『長期的に働けるビジョン』見えない職場に残る理由がありません。


また、労災の増加は、後述する「職場の相互監視機能」が働いていない証拠なのです。



モラルは当てにならない

私たちのモラルは、自分達で思っている以上に環境の影響を大きく受けます。


クイーンズランド工科大学のジョアン・ラモスの実験では、清潔な部屋とわざとゴミを設置した部屋のどちらがその後ゴミが増えるか比較したところ、ゴミをわざと設置した方が3倍も汚される結果が出ました。


また、同じ実験の参加者にA:綺麗な部屋 B:ゴミを設置した部屋 両方を利用させたところ、下記のことが分かりました。

Aの部屋にごみを捨てる人:22%
Bの部屋にごみを捨てる人:70%


人には「ズルしたい、楽したい」「立派でいたい」の2つの心理があり、どちらが表に出るかは環境次第で変わってしまうのです。



学級崩壊は「生徒の質」で起こらない

多くの経営者は「モラルやリテラシーの高い人材を採用すれば問題ない」と考えがちです。


はっきり言います。コレが大きな間違いです。


イメージし易いのは学級崩壊の例。


先生が着任後、3月程度の間に、生徒は先生に様々な問いかけを行います。


「●●はしてもいいの?」
「何でダメなの?」


先生からするとわざわざ応えるに値しないような質問も多いのですが、コレは生徒なりに、クラスという社会集団の中で、


●絶対に守らないといけないルール
●ルールの優先順位
●集団の最終意思決定者は誰で、どう決めるか


を確認しているワケです。


関係性を構築中の間にこの説明を怠ると、組織のルールと優先順位を確立できずにモラルが崩壊するのです。


これは学校に限った話ではなく、例えばリーダー1人+メンバー5人程度のチームでは、おおよそ8週間で関係性とパフォーマンスが決まってしまうことが分かっています。


学級にしても職場にしても、メンバーのモラルが「× or ◎」どちらに振れるかは、環境を作る権限を持つリーダー次第なのです。



ルールは増やすな

特に製造業や建築関係なんかがそうですが、労災などの問題が起きるたびに、ルールを増やしがちです。


行動経済学のさまざまな実験で「ルールが多すぎる状況では、人々は認知負荷が増加し、ミスを犯しやすくなる」ことが分かっています。


さらに悪いのは、ルールを増やしすぎることでモラルの低下を招く可能性があることです。



海外の論文内の言葉を直訳すると「ルールオーバーロードとモラルの減少」なんだそうですが(英語苦手なモノで…)、 要はルールという“自分以外の誰かが決めたこと”に身をゆだねることで、個々の判断能力や責任能力が低下するというワケです。


職場のモラルを保つ上で重要になるのは、ルールを増やすのではなく、「絶対に守らなければならない最低限のルール」に優先順位をつけ、“絶対に守らせること”なのです。



「相互監視機能」を作れるか

私たちのモラルは


「ズルしたい、楽したい」
「正しくいたい」


誰もが環境次第でどちらにも振れる一方、ちょっとしたことで無意識的に「◎」の方に振れる様にできています。


その一例として、ニューカッスル大学のメリッサ・ペイトソンの実験を紹介します。


大学職員が使うキッチンの利用料を入れる箱を設置し、きちんと料金を支払うかどうかを観察。


A)キッチンに「花の絵」を飾る
B)キッチンに「目の写真」を飾る


けっかBの目の写真を飾った時の方が金額は2.76倍の金額が集まりました。


私が様々な職場を見てきた経験上、これは職場のモラルを維持する上で凄く重要な示唆です。


要は「ルール守っている人が自分を見ているかもしれない」と思うと、人は無意識的にさまざまなことを気をつけて行動するようになるから。


私はこれを「相互監視機能」と呼んでいますが、はじめはリーダーが守らせていたルールは次第に、メンバーたちのお互いの監視能力でモラルを維持できる様になるのです。



まとめ

モラルの問題は大手企業のモノだと思っている中小の経営者は多いと感じます。


ただ、人材定着や離職防止の観点からも是非、皆さんの職場を見直してみてはいかがでしょうか?


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