190317

仙台

大学時代を過ごした仙台に1年半ぶりに訪れようとしているー
ここまで間が空いてしまったのは仙台が遠いこととか日常の研究がなかなか落ち着かなかったこととかが関係しているわけだが、仙台への郷愁のような感情は時間に比例して増していくようだった。東京から鈍行で向かっている車窓からの眺めは僕の知っているのものと、少なくとも記憶の上では同一のもので、久しぶりに聞く駅名と合わせて意外とすんなり僕の知覚を通り過ぎていった。

閑話休題

仙台に着いてまずやったことといえば、仙台駅のすぐ脇にあるBivi1階のつけ麺屋「竹次郎」の存在を確かめることであった。このつけ麺屋にある「学生つけ麺」という学生専用メニューは低価格(税込626円)、高品質、大容量(700g?)ということから仙台周辺に生息している学生のオアシスのような場所なのである(ちなみに仙台に存在するこの手の学生向け飲食店といえば北京も捨て難い)。
そうした中で僕もBivi2階のあるゲーセンに通い詰めている最中、たまたまこの店に立ち入ってしまいそれ以来定期的に訪れる場所の一つになったのである。変わらぬ「学生つけ麺 特盛もりつけ麺 醤油」を食べながら、この店を訪れた大学1年のある日のことを思い出していた。

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大学生、いや、一人暮らしにとって米は常食である以上に、金銭的にも食欲的にも純粋にライフラインである。これが切れてしまったら、ゲームの合間に食べるものがなくなってしまうばかりか、(そこらの大学生が日常的に使うには)高い金を叩いて近場のコンビニでカップ麺を買わなければいけないのである。逆にいえば米さえ切らさなければいくらでもゲームし放題なのだ。食事のバランスがどうこうとか言う者がいるかもしれないが、一人暮らしを始めたばかりの大学生がそんなこと気にしないことくらい容易に想像が着こう。

その日僕は新聞(金ないのに新聞は取ってたんや)に挟まったある広告に目を留めた。
休日大特化 ひとめぼれ10kg 2570円(価格は適当)
なんと普段買ってる米の単価と比較し、2割ほど安い値段である。しかし、店の所在が良くない。「カワチ薬品 仙台東店」である。当時の下宿から10キロくらいある。ただ当時は休日サイクリングを趣味の一部としていたため、今日はここまでチャリで行こうと、考えもなしに決めてしまったのであった。

さて、行きはヨイヨイ、帰りは怖い。10Kの米をいつものリュックに押入れ、いやー10キロだとやっぱ重いよなー(笑)、みたいな感じで帰路に着いた。
明らかに肩にかかる負担が尋常じゃなかったのに、それに気がつかないふりをしてもと来た道を黙々と漕ぎ進める僕。ほんと自衛隊の訓練とかを考えると10Kくらいって思うじゃないですか、一度やって見てください。10Kの米背負って10Kチャリ漕ぐの。
信号に捕まるたびにリュックを下ろして小休憩をとって、また再出発みたいなことを繰り返しても疲労(というか純粋な身体的ダメージ)は蓄積し、これは自宅まで一度にたどり着くのは無理そうだと直感した。
あえなく中間地点の仙台駅で休憩したわけ。で、その時休憩に利用したのが竹次郎だったのでした。仙台駅より東ってあんまり行かないから仙台駅に戻って来た時の安心感ったらなかったよね。残念ながら疲れすぎててその時の竹次郎で何を注文し、どんな味だったかは全く覚えてないけど。

ちなみに、当然その後10Kの米をチャリで輸送するなんてことはやらなかったし、近場のスーパーにしか行かなくなりました。ちゃんちゃん

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