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逆噴射小説大賞投稿作品

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400字の宇宙世界で可能性を模索する自身の小説群。
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2018年10月の記事一覧

おいしいカレーの作り方

おいしいカレーの作り方

家庭料理の定番であるカレー。
食材確保・調理が楽なので料理入門にもよくオススメされます。

そんな簡単な家庭料理というイメージのカレーですが、
実は少し手間を掛けることで格段に美味しくなるんです!

さあ、ワンランク上のカレーを目指して頑張りましょう!

★食材

最初に必要食材と分量を確認しましょう。
途中で不足に気付いてもリカバーはもはや不可能です!

・市販のルー…一箱

※下記食材の量はH

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ランチタイム・ウォーズ

ランチタイム・ウォーズ

「…こうして人格転写は…」教科書を読む声が響く。
タケル先生の近代技術は安眠できると評判の授業だ。
…だがこの時間は違う。4限、この時間だけは。

皆が目をぎらつかせて時計を見る。
いつもは寝ているバカも、一言一句書き写すマジメも、
授業など知らぬふりの不良も、優等生も、男も、女も。
誰もが時計の針に目を凝らす。
TICK‐TACK…TICK‐TACK…
秒針が歩を進める。空気が張り詰める。

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SUN;SETTER

SUN;SETTER

世界規模の大工場群が吐き出す産業煙が太陽光を遮るようになり幾年。
慌てて科学者が発明したのは煙を消す魔法でも、出さない技術でもなく。
地上を照らす人工太陽群『6レ☼Я¥$』(グローリーズ)だった。

『6レ☼Я¥$』は地上を照らす。
24時間365日、休まず勤勉に。…我々の意思を無視して。
人類は手に負えぬ神々を生み出してしまったのだ。

地上の気温は上昇、水は枯れ、多くの生物が死滅した。
地下に

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直感探偵・閑雅冴

直感探偵・閑雅冴

俺は探偵、閑雅冴(かんが さえる)。
車がエンストし、近くの屋敷で休ませて頂いていた時に事件は起きた。

被害者は大鐘為雄(おおがね ためお)。書庫の焼け跡から発見された。
警察は事故と断定したが、俺はなんか違和感を覚え捜査を始めたのだ。

パイプをふかしながら、ライターを眺める。
「これは重要な証拠だ。検査に回したまえ」
そう言い、知り合いの刑事に渡す。
どんな証拠かは…まあ鑑識が見つけてくれる

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変身  ‐Transformed‐

変身  ‐Transformed‐

ある朝、グレゴリオ・ザザは夢から覚めると、自分が超人になっている事に気付いた。

彼は悪と戦う!鬱憤晴らしを兼ねて!害虫ヒーロー、ウンゲツィーファー!

🐛

銀行へ立て籠もる緑の男!彼はアクタリバー。カッパの世界を知ると嘯く
異常者だ!
「私が皆をカッパへとアセン…」

KRAAAASH!

窓を破り毒々しい服の男が飛び込む!そして!

SPLAAASH!

毒液噴出!アクタリバーは目を掻き毟

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トキメキ?ハック♥スラッシュ!

私は江楠マキナ!花も恥じらう14歳!
ちょっと身体が重サイバネなスラッシャーを目指す普通の女の子!

その日は目覚ましアラーム機能が作動しなくて大寝坊!
遅刻しそうだからってパンを咥えてジェット移動してたら十字路で男と衝突しちゃってもう大変!
しかも!あわてて謝る私にアイツ
「チッ…機械女が…」
とか言い放って走り去ったの!信じらんない!

ちょっと遅れて学校に到着した私を待ってたのは演習のパート

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ハンドレッドエントラント、ワンヘッド

ハンドレッドエントラント、ワンヘッド


『…あしびきの』

パーシモン・マンカインドは屋根を跳び移りながらチャントを詠む。

『山鳥の尾のしだり尾の、ながながし夜をひとりかも寝む…!』

闇が一帯を包み、彼の獲物…一人の男が地面へと倒れ込んだ。
「長き夜の中、永き眠りに堕ちよ…」パーシモンはダガーを構え…

『…秋の田の…かりほの庵の…苫をあらみ…我が衣手は…露にぬれつつ』

「なっ!?」水がパーシモンへ纏わり付き、耳を目を、口を鼻を

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トーキョー・カブキ・アクターズ

トーキョー・カブキ・アクターズ

眠らぬ街、トウキョウ。煌びやかなこの地にも闇はある。

「終電間に合うかな…」スーツ姿のOLが早足で歩く。
彼女は急いでいた。月は隠れていた。路地裏を照らす光は微かだった。

故にトリイにも、一面に貼られた札にも、
(オオオ…羨ましい…恨めしい…)宙を舞う悍ましき生首にも気付かなかった。

「…そして今後気付くこともあるまい」

女性と生首の間を黒装束の男たちが駆け抜け、幕を引く!
棚引く布は亡者

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綺麗な死を探して

綺麗な死を探して

「綺麗に死にたい」

そう思って花火を取り寄せた。
爆発させれば光の中で綺麗に死ねると思って。

…多分違う。けど、綺麗な死に方なんて分からない。
だから、お守り代わりにカバンに入れた。
誤算だったのは底が抜けたこと、そして斜面だったこと。

「ま…待って!あれが爆発して人が怪我とかしたら…私犯罪者!?」
そんなの美しくない!
走ってる今の私も美しくないかも!そんなこと言っていられないけど!
必死

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シャドウ・オア/アンド・ムーン

「…………」父か母であろう、背の高いノイズが何かを話す。
背の低いノイズ…兄弟か姉妹?は蠢く。
それは何気ないある日だったのだろう。残された記憶の断片。
恐らくはその日、私は全ての記憶を忘れ、全ての記録から忘れられた。

あれから体は成長しなかった。それすらも忘れてしまったかのように。
記憶は未だに消え続ける。一昨日の記憶も怪しい。もう慣れた。
一昨日を忘れるのならば、昨日の内に全てを再確認すれば

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