学生連合の強さ

 みなさんご存じかもしれませんが、箱根駅伝に自分のチームとして出れない各大学から一人ずつ選出して構成される関東学生連合というチームがある。オープン参加なので順位はつかないが参考記録としてタイムが残る。私が3年の時、関東学生連合の合宿に帯同したことがあり、合宿中の出来事やその時感じた事や考えた事を綴りたいと思います。

 私の大学は予選会で敗退してしまい、4年生は引退してました。しかし、学生連合に4年生が選出され、さらに、関東学生連合の監督を自分の大学の監督が務めることになったため、合宿に自分の先輩マネージャーが行く予定でした。しかし、予定が合わず行くことが出来なくなりました。それを聞いた時、他大学がどういう取り組みをしているか、各大学のエースはどんな走りをするのか知りたいというマニアみたいな考えが芽生えた。
 合宿が始まる2日前位に監督からマネージャー陣に伝えられ、その時自分が行きたいですと挙手をした。すんなり自分で決まり、荷物の準備もしつつ、陸上雑誌で参加する選手の名前、出身校、記録など覚えて、コミュニケーションをとれるように準備した。

 そしてあっという間に合宿当日になった。私は、監督と選ばれた先輩と一緒に車で合宿地に向かった。合宿地は富津。あまり富津で合宿や練習をしたことがなかったのでどこに何があるとか練習場所の環境が分からなかった。とりあえず宿に着いてから、自分の荷物を部屋において、到着した選手を中へ案内した。全ての選手の到着を確認して、次の日のポイント練習を行う場所の下見をした。箱根特集の番組で見た雑木林の風景が目の前に広がっていた。どこが何キロポイントか、スタート地点を確認して戻り、夕食をとった。選手、監督、コーチ、学連スタッフと一緒にとった。私はとても緊張していたが、雰囲気はとてもよく、正直、初対面の即席チームとは思えないほど会話が弾んでいた。その時のコーチ陣は豪華で、今年の箱根駅伝で3位になった國學院大学の前田監督、10位に入った創価大学の瀬上総監督だった。
 食事が終わるとミーティングになって、各選手自己紹介をした。もちろん私もした。ミーティングが終わり、各々の部屋に戻りそのまま就寝。私の部屋は、学連スタッフと一緒だったので、選手と関わる事は合宿を通して少なかった。

 2日目の朝は、大学の朝練と同じスケジュールで動いた。5時半までに宿舎の玄関に出てきて、朝練の出欠席を取った。朝練が終わり、朝食をとり、少し仮眠をとって午前練の準備を始めた。午前練習は5キロ3本。どんな走りをみせてくれるのだろうとわくわくしていた。連合チームとはいえ、ここにいる選手は全員各大学のエース。後から知ったけど、卒業してほとんだの選手が実業団に進んでいた。それほどレベルが高かった。
 設定タイムが告げられ、2列に隊列を組んでスタート。自分は車に乗ってタイム計測とセット間の給水のボトル渡し、リカバリータイム管理といういつもチームでやってることをそのままやった。集団から離れる選手は一人二人位で、それ以外の選手は設定どおりで行えた。3本目は設定タイムをフリーにしたが、15分を切る選手がほとんどだった。箱根駅伝に出るにはこれくらい走れないと戦えないと痛感したが、これがスタンダードだということが分かった。
 練習が終わり、昼食をとり、午後は取材対応。選手が各部屋で取材を受けるので、関係のない自分は取材が来ることがないので自分の部屋で寝た。取材が一通り終わり、昨日と同じように夕食を取り、就寝。

 最終日は朝練と午前練各自ジョグを行い、最後ミーティングをして終了。3日目になると少し選手と話せるようになって楽しかった。また、前田監督と瀬上総監督とも話すことが出来、もう少し期間が長ければなーと少し後悔した。何事もなく合宿は終わり、大学に戻ってから競技会の手伝いをした。その競技会には國學院大學も出場していて、前田監督もいた。見かけて挨拶したら、「お疲れ様」と一言かけられ、自分の事覚えてくれてたのかなと少し嬉しかった。
 その後箱根駅伝に出場した関東学生連合チームは11位相当の順位でゴール。その時自分は黄色いジャージを着て、走路員をしていた。運営管理者には監督が乗っていた。来ているジャージは関東学生連合チームのもの。来年こそは自分たちのチームで出るぞ。そう強く思った。 

 正直関東学生連合は寄せ集めのチームという印象が強く、各々が個人プレーしてしまうのではという懸念もあった。寄せ集めとはいえ、大学ではエースの立ち位置にある選手が選ばれてくる。しかし、私の見た限りではそんなことは無く、一人一人がやるべきことをやっている印象だった。
 関東学生連合チームの個々の選手の思いは、合宿が始まるまでバラバラだったかもしれない。でも、ミーティングを通して目標設定し、スローガンを決めて練習に取り組むとこれほどまとまるものなのかと驚いた。来ているジャージやユニホームに入ってる大学の名前は違えど、1月2日、3日はチームメイト。1つでも上の順位でゴールする事に対して全力だった。自分の目にはそう見えた。

 シード権争いや優勝争いに目が行きがちな箱根駅伝ですが、関東学生連合チームが生み出す強さや箱根駅伝が終わってその後チームに戻ってからどんな活躍をするのかという違った目線でも見てみると面白いのかなと思います。都内に住んでる人でしたら、ある程度の記録会が網羅出来ます。群馬に住んでる自分はなかなか見れません。
 最後にうまくまとまりませんでしたが、これからもマネージャー目線で何か書いていければと思います。


  

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