リース会計における基礎理論

リース会計は簿記2級以降、すなわち簿記1級のみならず会計士試験や税理士試験でも頻出論点の1つです。そのため、計算についてはほとんどの方がしっかり押さえていると思いますので、今回はリース会計における基礎的な理論や考え方について記載していきます。理論や考え方の基礎的な部分を押さえ、計算とともにリース会計の理解をより深めていきましょう!


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①借手の処理における「実質優先主義」

リース取引というのは、法的形式、つまり普通の考え方によれば、リース会社からリース資産を借りてきて、使用期間に渡ってリース料を支払うという「賃貸借取引」です。

しかし、計算で学習済みの方も多いと思われますが、ファイナンス・リース取引は、解約不能(ノンキャンセラブル)とフルペイアウトの要件を満たした取引、つまり基本的に中途解約ができず、またリース資産から生じる収益・費用は借手が享受・負担することになるため、リース取引は実質的にはリース会社からリース資産を購入し、代金をリース料として分割払いするという割賦購入取引と同様と言えます。

したがって、法的形式は賃貸借取引であるものの、ファイナンス・リース取引の経済的実質は資産の割賦購入取引と同様と言えるため、割賦購入取引の処理と同様にファイナンス・リース取引も、リース資産とリース債務を貸借対照表に計上する売買処理を行うべきと考えることができます。なお、ある取引を貸借対照表に計上することを「オンバランス」、計上しないことを「オフバランス」といいます。

この考え方を、リース会計の「実質優先主義」と表現します。

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