各年度の本屋大賞受賞作品とノミネート作品の紹介(随時更新)

各年度の本屋大賞受賞作品とノミネート作品の紹介(随時更新)

働きながら会計士を目指すルカ(読書記録)

はじめに。

芥川賞や直木賞といった非常に有名な文学賞は、基本的に著名な作家さんなどが選考するため、読書がちょっとした趣味である方やこれから読書を始めようという方はもちろん、かなりの読書家の方でも、「この作品は自分に合わないなぁ」と感じることが珍しくありません。(もちろん、素晴らしく名誉な賞であることには変わりませんが)

その点、本屋大賞というのは、日頃からたくさんの本に接しているリアル書店員の方が選考に関与しているため、どんな作品が人気なのか?とか、最近なぜかこの作品が売れてきているなど、「多種多様な読者の好み」が反映されていると言えます。そういった意味で、本屋大賞は「書店(員)が売りたい本」を選ぶものでもあり、結果的に本屋大賞のノミネート作品というのは、「基本的に誰が読んでも面白い作品」が選ばれているということになります。

したがって、新しく読む本を探している方や、自分があまり読んだことのないジャンルの作品を開拓したいという方などは、この本屋大賞のノミネート作品が非常に参考になります。

そこで、にわか読書家でありますが、各年度の本屋大賞受賞作品と、個人的に好きな各年度の本屋大賞ノミネート作品から1冊、新しい年度から遡ってご紹介していきたいと思います☺️!


2021年受賞

『52ヘルツのクジラたち』

(以下あらすじ・一部ネタバレ注意!)


親に虐待を受けた過去を持つ貴瑚は、かつて祖母の住んだ田舎で新しい生活をはじめる。

しかし、貴瑚は今でも親から義父の介護を押し付けられ、人生を搾取されていた。貴瑚は薄暗い海中でクジラが歌うように、助けを求めて声を発していたが、貴瑚が発していたのは「52ヘルツ」で歌うクジラの声。普通のクジラと周波数の違うその声は仲間の誰にも届かなかった。そんな自分を助けてくれたのは、そのかすかな声を聞き取ってくれたアンと美晴だった。ここで貴瑚は、アンから「キナコ」というあだ名をもらう。

ある日キナコは少年と出会う。その少年から自分と同じ匂いを感じたキナコは、少年を救うため行動を起こす。かつて自分を救ってくれたアン・美晴を思い返しながら。


この作品では、虐待や育児放棄、トランスジェンダーなど現代における「重め」の問題が取り扱われていますが、著者の町田そのこさんは「クジラの声」を用いながら描写されているため、全体的に重くて切ない内容ながらも、どこか神秘的で引き込まれるものとなっています。


以上が『52ヘルツのクジラたち』のあらすじとなります。

また、2021年の本屋大賞のノミネート作品は以下の通りです!


・伊吹有喜『犬がいた季節』(双葉社)

・青山美智子『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)

・宇佐見りん『推し、燃ゆ』(河出書房新社)

・加藤シゲアキ『オルタネート』(新潮社)

・伊坂幸太郎『逆ソクラテス』(集英社)

・町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)

・深緑野分『この本を盗む者は』(KADOKAWA)

・山本文緒『自転しながら公転する』(新潮社)

・伊与原新『八月の銀の雪』(新潮社)

・凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』(中央公論新社)


ここから個人的に特に好きな作品を1冊ご紹介いたします☺️


滅び行く世界で人々はどう生きるのか。コロナで世界が混沌としている今だからこそ読むべき1冊。

『滅びの前のシャングリラ』

(以下あらすじ・一部引用)

「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。その日から日常は一変した。学校でいじめを受ける友樹、友樹が特別な感情を抱く雪絵、何年も忘れられない女性がいるヤクザの信士、友樹の母親であり恋人から逃げ出したシングルマザーの静香、人気絶頂の歌手であるLoco。荒廃していく世界の中で、彼らはそれぞれの生きる意味を見つけられるのか。圧巻のラストに息を呑む。滅び行く運命の中で、幸せについて問う傑作。


『滅びの前のシャングリラ』は、好きな作品でもあり、かつ個人的に今推したい小説でもあります。コロナで混沌としている今だからこそ、読む価値のある1冊ではないでしょうか☺️!


2020年受賞

『流浪の月』

(以下あらすじ・一部引用)

物語の主人公・更紗は、とある事情で大好きな両親と別れ、母方の叔母の家に引き取られた。そこは両親と共に過ごした生活とは違っていて生きづらさを感じ、自分の居場所はないとさえ思っていた。そんな時、当時9歳であった更紗は19歳の青年・佐伯文に声をかけられ、一緒にマンションで2ヶ月ほど暮らした。その後文は誘拐事件の犯人として逮捕され、誘拐された小学生が警察官に抱えられ泣き叫ぶシーンは居合わせた人の携帯電話で撮影・拡散されていった。かくして、更紗は「傷物にされた可哀想な女の子」、文は「ロリコンで凶悪な誘拐犯」としてレッテルを貼られ続ける。

しかし、この事件は世間が思うような「凶悪な誘拐事件」などではなく、むしろ更紗にとって生きる希望や安らぎを与えてくれた出来事だとしたらどうだろうか。

そして事故から15年過ぎ、24歳になったある日、更紗は偶然文と再会する。その外部からは見えない真実や、恋愛でも友情でもない言い表しにくい2人の関係性を描いている。


作品紹介の並びから、たまたま二作連続で凪良ゆうさんの作品となりましたが気にしないでください(笑)

運命というのは残酷であり、しかし儚さや美しさも兼ね備えています。再開すべきでなかった二人が再開したとき、私が胸が震えました。この物語の最後には、本編を通して伝えたかった「何か」がきっと届くはずです☺️


以上が『流浪の月』のあらすじとなります。

また、2020年の本屋大賞のノミネート作品は以下の通りです!


流浪の月(著者:凪良ゆう) 
ライオンのおやつ(著者:小川糸) 
線は、僕を描く(著者:砥上裕將) 
ノースライト(著者:横山秀夫) 
熱源(著者:川越宗一) 
medium霊媒探偵城塚翡翠(著者:相沢沙呼)
夏物語(著者:川上未映子) 
ムゲンのi(著者:知念実希人) 
店長がバカすぎて(著者:早見和真) 
むかしむかしあるところに、死体がありました。(著者:青柳碧人)

ここから個人的に特に好きな作品を1冊ご紹介いたします☺️


働くすべての人にエールを。書店のリアルとおバカな店長、その店長に振り回されながらも懸命に大好きな仕事に向き合う姿をコミカルに描いたお仕事小説。

『店長がバカすぎて』

(以下あらすじ・一部引用)

とある書店の店員である京子は、日に使えるお金に乏しくなっても本を買ってしまうほど本が好き。それもあって書店員となり、京子いわく「幸せになりたいから働いているんだ」と。ちなみに独身。この書店の店長は山本猛。吉祥寺本店の契約社員。しかし山本猛(たける)という名前ばかりが勇ましく、実態はおバカで「非」敏腕店長。京子はこの店長の元、文芸書の担当として、次から次へとトラブルに遭いながらも、日々忙しく働いている。あこがれの先輩書店員小柳真理さんの存在が心の支えだ。しかしそんなある日、小柳さんに、店を辞めることになったと言われ……。

この作品は色々な方にお薦めできると個人的に思っています。今現在働いていて、職場の人間関係や職務内容などに不満がある方はもちろん、日々の生活に不満がある方や、人生における一歩を踏み出す勇気が欲しい方、あるいは書店を舞台としているため、本屋さんや本が好きな方にも非常にオススメです☺️!


2019年受賞

『そして、バトンは渡された』

森宮優子は幼いころに母親を亡くし、また父とも海外赴任を機に別れ、その後も大人の都合に振り回されてきた、3人の父と2人の母を持つ女の子。こうして何度も住む場所や名字が変わり、高校生の今は20歳しか離れていない血のつながっていない"父"である、森宮さんと一緒に暮らしている。

そんな複雑な家庭環境であるゆえ、学校の先生などからは家庭のことを気にされるが、優子は気を遣われることに困った様子を見せるほど、健気で強い女の子。なぜなら、血のつながらない親の間を「リレー」されながらも、次から次に出会う家族たちからはいつも愛情をたくさん注がれてきたため、複雑ではあるもののそんな家庭環境であっても特段困ったことがないからである。

そんな優子も成長し、今度は自身が家庭を持つ時がやって来る。優子の成長を描く中で、周りからたくさんの愛情を受けた彼女の過去の回想がつづられている、愛にあふれた心温まる家族小説。


私自身がこの手のジャンルの作品をあまり読まないこともあってしばらく敬遠していましたが、映画製作の発表を機に読んでみることに。すると、見事にほっこりとさせられました…( ´ー`)登場人物が皆優しいし、最後にいくにつれて、「血が繋がっているだけが家族の繋がりではない」ということを身に染みて感じることになりました。

家庭でのトラブルや問題が多い今だからこそ、この作品を通して改めて「家族の繋がり」について考えてみてはいかがでしょうか(*^^*)?

以上が『そして、バトンは渡された』のあらすじとなります。

また、2019年の本屋大賞のノミネート作品は以下の通りです!

ひと(小野寺史宜)
ベルリンは晴れているか(深緑野分)
熱帯(森見登美彦)
ある男(平野啓一郎)
さざなみのよる(木皿泉)
愛なき世界(三浦しをん)
ひとつむぎの手(知念実希人)
火のないところに煙は(芦沢央)
フーガはユーガ(伊坂幸太郎)

ここから個人的に特に好きな作品を1冊ご紹介いたします☺️


1枚の怪文書をめぐるミステリーと、研修医指導を通じた人間関係模様を描いた、本格ヒューマン医療ミステリー

『ひとつむぎの手』

大学病院で過酷な勤務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば…。さらに、赤石が論文データを捏造したと告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられる。個性的な研修医達の指導をし、告発の真相を探るなか、怪文書が巻き起こした騒動は、やがて予想もしなかった事態へと発展していく。

著者の他の作品として、デビュー作『レゾン・デートル』や『螺旋の手術室』、映画化もされた『仮面病棟』や関連書籍『時限病棟』などがあります。どれも本格的な医療ミステリーかつ、現役医師ならではのリアルな描写を楽しむことができます!


2018年受賞

『かがみの孤城』

入学早々、学校の同級生から嫌がらせ受け、家に閉じこもる生活を送っていた中学1年生の安西こころは、ある日自分の部屋の鏡がまばゆい光を発していることに気づく。恐る恐る鏡に手を触れた瞬間、こころは見知れぬ城がそびえ立つ異世界に引き込まれてしまう。「オオカミさま」と呼ばれる城の管理人と、こころに似た境遇の7人が過ごす世界。そこでは「願いの鍵」を見つけた者が、何でも望みを叶えられるという。果たして「願いの鍵」は見つかるのか。7人が城に集められた驚くべき理由とは。(引用元:ポプラ社)


登場人物は中学生7人のほか、こころの両親や同級生、フリースクールの先生、担任の先生などで、本作の特徴としてそれぞれの特徴を捉えた人物描写が豊かなことが挙げられます。特に、筆者自身が教育学部出身であるためか、学校を取り巻く登場人物のリアルな描写を感じることができます!

また、童話をモチーフにしているため謎解きに深みがあり、ミステリ要素は少ないものの、作品の全体に深みを持たせてくれています。さらに、一度読み終わったあとに再び読み返すと、冒頭から伏線が散りばめられていることがわかります。筆者は「かがみの孤城」刊行記念インタビューで、ラスト10ページを1番読んで欲しいと語っており、その言葉通り、ラストシーンでは心が隅々まで晴れる感覚を味わうことが出来るでしょう!


以上が『かがみの孤城』のあらすじとなります。

また、2018年の本屋大賞のノミネート作品は以下の通りです!


2位 『盤上の向日葵』/柚月裕子
3位 『屍人荘の殺人』/今村昌弘
4位 『たゆたえども沈まず』/原田マハ
5位 『AX アックス』/伊坂幸太郎
6位 『騙し絵の牙』/塩田武士
7位 『星の子』/
8位 『崩れる脳を抱きしめて』/知念実希人
9位 『百貨の魔法』/村山早紀
10位 『キラキラ共和国』/小川糸

ここから個人的に特に好きな作品を1冊ご紹介いたします☺️


ちょっと不思議な、古き良き百貨店を守るべく奔走する人々の話を描いた、心温まる童話のような物語

『百科の魔法』

時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。 エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける――。 百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語。

物語の舞台である星野百貨店も、他の百貨店と同じように不況の煽りを受けて、経営が傾いていました。そんな星野百貨店には不思議な噂があり、それは魔法が使える猫がいるというもの。なんでも、正面玄関の吹き抜けの天井にあるステンドグラスに描かれている白いネコがときどき抜け出して、願い事をひとつだけ叶えてくれるのだとか…。

この作品は、前述した通り、まるで「童話」のような物語となっているため、たとえばミステリやノンフィクションなどが好きな方は敬遠するかもしれません。しかし、特にこんなご時世であるからこそ、「童話」を読むことで心温まる体験をしてみてはいかがでしょうか?きっと百貨店に訪れたくなりますよ☺️



2017年受賞

『蜜蜂と遠雷』

俺はまだ、神に愛されているだろうか?

ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。

著者渾身、文句なしの最高傑作!

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?(「BOOK」データベースより)


読み終わった後、何とも言えない爽快感と、音楽って良いなと改めて感じたのが率直な感想でした!

ありきたりな表現をすれば、本当に「本から音楽が聴こえてくる」作品であり、一つの物語としてだけでなく、一つの音楽作品としても楽しめるのではないでしょうか☺️!

ピアノコンクールのお話ということで、特にクラシックなどに興味がない方や、内容的になにかお堅いイメージがあるなど、敬遠されている方も多いのではないでしょうか?

そんなことはなく、たとえピアノやクラシックなどに興味がなくてもお話に入り込むことができるので、読書が好きであればぜひ読むべきだと作品だと思います!


以上が『蜜蜂と遠雷』のあらすじとなります。

また、2017年の本屋大賞のノミネート作品は以下の通りです!

2位『みかづき』森絵都
3位 『罪の声』塩田武士
4位 『ツバキ文具店』小川糸
5位 『桜風堂ものがたり』村山早紀
6位 『暗幕のゲルニカ』原田マハ
7位 『i』西加奈子
8位 『夜行』森見登美彦
9位 『コンビニ人間』村田沙耶香
10位 『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和

ここから個人的に特に好きな作品を1冊ご紹介いたします☺️

今回は特に『罪の声』と『ツバキ文具店』で悩みましたが、今回は後者を紹介します!

『ツバキ文具店』

言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。
伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします。

家族、親友、恋人⋯⋯。
大切に想ってっているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。
鎌倉の山のふもとにある、
小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。
店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。
和食屋のお品書きから、祝儀袋の名前書き、
離婚の報告、絶縁状、借金のお断りの手紙まで。
文字に関すること、なんでも承ります。

ベストセラー『食堂かたつむり』の著者が描く、鎌倉を舞台した心温まる物語。

内容(「BOOK」データベースより)


公認会計士の勉強など勉強する機会が多く、私自身が文房具好きなのもあって、大好きな作品の一つです( ´ー`)!

ツバキ文具店では、文房具を扱う傍ら、手紙の代書を受け付けていて、そこにはいろんな(時には風変わりな)依頼が舞い込みます。その内用はぜひ本書を読んでいただきたいのですが、ここで注目して欲しいのは、それぞれの依頼に合わせた文房具選びです。近年では文房具ブームが到来していることもあるため、本書を通じてその魅力に取り付かれること間違いなしでしょう!

読んだ後に優しい気持ちになれる一冊です☺️


各年度の本屋大賞作品と、それぞれのノミネート作品からの紹介は随時更新していく予定ですので、興味があればぜひご覧いただけると嬉しいです!

なお、他のnoteでも色々な作品を紹介していますので、こちらも興味があればぜひ!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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働きながら会計士を目指すルカ(読書記録)
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