腱板断裂ってなに?
こんにちは、PTのじんた(@k_jinta)です!
私は現在、大阪市内の総合病院に勤めており、
運動器・スポーツ疾患の方が多く来院されています!
私は1日の診療の中(1日平均8-9人)で、
2/3以上を肩関節疾患の患者さんで占めていました。(現在はRAを中心とする慢性期病棟に配属)
以前、肩関節疾患についての記事を出しました。
こちらでは肩関節疾患を担当したら
何を考えて、何を行えばいいか、について
書いており、疾患自体を深堀はしていません。
(とはいえ、比較的担当することが多いであろう
疾患の概要は説明しております)
今回の記事では
私が担当していた肩関節疾患のなかでも
特に多い“腱板断裂”について書いていきたいと思います。
「肩関節を担当したらまず読もう」の記事の
内容と重複するところがございますが、
ご了承ください。
こちらの記事では
腱板断裂の患者さんから
よく聞かれる質問をまとめております。
実践編として私が患者さんに聞かれたら、
こういう返答をしますと言った内容も書いております。
以前、
ツイッターのフォロワーが2000名を突破した際の
感謝企画として、
無料配布させていただいたものから
かなりボリュームアップしています!
私なりにこれを知っておくと、
腱板断裂の方を担当した際に
役立つという内容をまとめています。
また、アプローチの部分では特に私の考え、
経験を元に書いていますので、
これをしたら必ず良くなる、
これだけやっておけばいいと言ったものではありません。
このnoteでは
肩関節の解剖学・運動学、論文のレビュー、
実際の腱板断裂の患者さんに対しての
評価方法〜アプローチ、
運動療法を紹介していきます。
このnoteを購入していただくことで、
・腱板断裂の方を担当した際の、一通りの評価・アプローチ方法を知ることができます!
・可動域・疼痛の改善はもちろん、運動療法まで知ることで、高齢者からアスリートまで応用が可能になります。
・エビデンスを用いながら解説していますので、自信を持ってアプローチ、患者さんへの説明ができるようになるはず…!
購入されずとも、無料部分だけでも有益な情報をという思いで作成しておりますので目を通していただけますと幸いです。
本文の内容をざっくりお見せすると以下の通りです。
※このnoteは随時更新・バージョンアップを行いますが、購入後は追加料金は一切なく何度もご覧になれます。
※バージョンアップや需要アップ、時間経過とともに値上げしていきます。低料金で欲しい方はお早めにどうぞ!
ですので、肩についてかなり勉強されていて、
普段から肩関節疾患を診ている方に関しては、
新たな知見に繋がる可能性は低いと思いますので、
オススメはしません。
(が、手にとっていただけると嬉しいです!)
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腱板断裂の歴史
まずは歴史から。
腱板断裂は1788年Monroによって発見され1911年Codmanによってはじめて手術的修復が行われました。Codmanの著書である「The Shoulder」は現代の肩関節外科のバイブルとして、現在肩関節外科の定礎となっています。
腱板断裂とは
正式には回旋筋腱板(Rotator cuff)といい、
棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の総称です。
腱板断裂とは
のことを言います。
加齢に伴い、腱板の変性が起こり、
退行的に脆弱化するため、
中高年に多く見られる肩関節疾患のひとつです。
また、治療には保存療法が第一選択されます。
肩腱板断裂は
本邦では約1900万人に存在すると言われ、
40歳代から出現して、80歳代になると
その半数に存在する代表的な肩関節変性疾患である
と言われています。
発生要因
ここからは
腱板断裂の病態ついて説明していきます。
まずは発生要因です。
外傷性腱板断裂と非外傷性腱板断裂に
分けられます。
外傷性は転倒して肩を強打するなど大きな外傷で起こります。
また、重いものを持った時、筋トレなど
軽微な外傷でも起こる場合があります。
非外傷性は骨形態の異常や、
繰り返しのインピンジメント、
腱板自体の加齢変化、腱の変性によって起こることを言います。
Seitzらは
腱板病変発症のアルゴリズムを発表しています。
腱板断裂に対するリハビリに関わる
外因性メカニズムについて
少し掘り下げていきます。
腱板病変発症の主要因として考えられているのが、
肩峰下インピンジメントです。
肩峰下インピンジメントとは
大結節に付着している腱板や
その上層にある肩峰下滑液包が
烏口肩峰アーチの下面と接触することです。
肩峰下インピンジメントは
肩峰下スペースの狭小化によって生じます。
肩峰下スペースについては
後ほどスライドで説明します。
危険因子
腱板断裂の危険因子についてです。
先ほど腱板断裂の概要のところで説明した、
腱板の変性に加え、
肩峰の形状変化も腱板断裂の発生に
影響している可能性があるとされています。
解剖学
棘上筋と棘下筋は表層をCHLに覆われ、
その深層こそ各筋が独立した
太い腱線維を有しているものの、
さらに深層では細い両筋の剣線維が入り乱れた構造となっています。
この5層を貫いているものを完全断裂、
貫いていないものを不全断裂と言います。
イメージ的には穴が開いて関節の中と外が繋がった状態です。
棘上筋は
約1cm程度の厚みがあると言われています。
そもそも狭いスペースなので、
癒着や炎症が起こると、
インピンジメントしやすくなるのは
容易に想像できますね。
また、肩峰下スペースの狭小化は、
腱板の退行変性を促進させると報告があります
また、大結節が偏位(形状変化)することで、
棘上筋に損傷が起きる可能性がある
との報告があり、
腱板断裂を引き起こす要因とも
考えることができます。
また、肩峰下スペースの狭小化は、
腱板の退行変性を促進させると報告があります。
さらに、腱板断裂のサイズの増悪に寄与するとの報告もあります。
加えて、
AHIが6mmを下回ると腱板の完全断裂の発症に
寄与することが報告されています。
ですので、肩峰下インピンジメントによる腱板への圧縮応力を軽減するためには、
肩峰下スペースの狭小化を改善させること
が必要になってきます。
少し話がそれましたが、
ここが腱板断裂の方に対してアプローチする際、
軸になってくると考えています。
解剖学に戻ります。
先ほどから述べている
肩峰下スペースとはここ(黄色)のことです。
このスライドは肩峰下スペースを示した図と
肩峰下インピンジメントが増強する因子を載せています。
序盤で少し触れましたが、
肩峰下スペースの狭小化に寄与する
5つの生体力学因子は
と言われています。
ですので、
腱板断裂の方にアプローチをする場合は
この項目を頭に入れつつ、評価、
アプローチすると、問題点が見つけやすくなるかもしれません。
神経終末の分布についてです。
森澤らは
肩峰下滑液包および腱板の肩峰下滑液包側では、
自由神経終末の密度が高く、
腱板断裂やインピンジメントによる疼痛の発生に
関わっているものと考察しています。
以上のことから、
肩峰下滑液包は痛みを拾いやすい組織であることがわかります。
ですので、
腱板断裂やインピンジメントによる疼痛は
ほとんどの場合が肩峰下滑液包が
原因になっているのでなはいかと考えています。
ここからは
腱板を構成する筋の特徴をざっと載せていきます。
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