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パナマ共和国 サンブラス諸島の民族手芸“モラ”の紹介 (その2)

この記事は、下記の記事の続きです。


サンブラス諸島には個人による土地(島)の所有権はありませんが、ココヤシの木の持ち主は決まっているそうです。パナマ政府はこのサンブラス諸島を保護区として認めており、クナ族はパナマ政府に対して土地所有権と沿岸への利権を持ち、治外法権を確保しています。

このように民族としての意識が強く、特に女性は民族の血を誇るかのように、首都パナマ市内でもモラの民族衣装と独特の化粧姿で、誰はばかることなく通りを歩いています。男性にはこのような民族的な衣装等はないようで、Tシャツ・ズボンといった普通のいでたちです。しかも、クナ族は女系家族制度で、結婚すると男性がその女性の家に同居するということになり女の子が生まれるほうがその家族にとっては、将来男性の労働力が増えることになり喜ばれているようです。それゆえにクナ族の女性は、女性として生まれたことの誇りや喜びをカリブの太陽とともに自分たちが身にまとうモラの衣装の一針一針にこめているように思えます。


もともとは、モラの刺繍はシャーマニズムからくるボディ・ペインティングに由来するといわれています。現在はその図柄や色も多岐にわたり、クナの女性のおしゃれとして、そして観光の貴重な現金収入源となっています。クナの女性がていねいに縫いあげたモラは、赤や黒オレンジを基調とした布のなかに南国らしい原色が独特の模様とともにおどり、カリブの海に輝く太陽とともにサンブラスの真白な砂、エメラルドグリーンの透き通った海にうまくとけあっていくように思えます。

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