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教員は「世間」を知らないのか?

 先日、仕事の話をしていた。
 先輩の先生方に、悩んでいます。と伝えると、

 違う学校ではこんなことがあったよ!とか、
 昔はこうだったけど、最近はこういう傾向に変わってきたから、こうやってみたら!など、丁寧にアドバイスをしてくれた。

 当たり前のことかもしれないが、勤務校が2校以上ある先生の経験値は、すごい。
 私は現在の勤務校しか教員経験がないので、わからないことがたくさんある。

 地域の違い、学力層の違い、時代の違い、学校文化の違い、同僚の先生方の巡り合わせ。

 私はまだ肌感覚としてはわからないが、子どもたちや保護者の特性やニーズも話を聞く限り、やはり全然違う。


 経験のある先生は、「前任校の生徒たち」に対しても、しっかり関わってきた。さらに「前任校の生徒の保護者」とも関わってきている。担任であれば、それぞれの家庭事情について多少なりとも知ることになる。

 もちろん、1校しか経験がなくても素晴らしい人もいる。
 でも、この経験値は非常に大きいと思う。


 さて、タイトルに戻るが
 教員は「世間」を知らないのか?

 一般企業の採用とは違うが、採用試験を経て教壇に立っている。民間企業経験のある方もいるし、公立であれば転勤で学校が変わり、仕事の内容が大きく変わることもある。
 「授業」という名前のついた、プレゼンテーション・学習環境デザイン・ファシリテーションのようなものを毎日、複数回にわたって行っている。

 さらに高校教員なら、その地域の「15歳から18歳の子どもたち」と、「その保護者たち」とずっと関わってきている。それも深い部分まで。


 それでも「教員は世間を知らない」という指摘を、真っ向から否定することはできない。当然、わからないことはたくさんあるのは事実だろう。
 
 個人的には、その指摘を受けることも、大事だなことだと思う。それを原動力にして、生まれるものもあるのだから。


 でも、教員だからこそ知っていることは多いと思う。

 誰かが言っている「世間」のことは知らないけれど、教員が知っていること、教員だからわかることは、きっとたくさんある。

 現場では、今日も粘っている人がたくさんいる。
 
 教員はおもしろく、そして奥が深い。
 アドバイスをくれた先輩に感謝。まだまだチャレンジはつづく。

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