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我が携帯創作サイトへの鎮魂歌――ガラケー版フォレストページ閉鎖に寄せて

2024年6月末。
日課のTwitter(X)警備業務に励んでいたところ、個人的に食いつかざるを得ないニュースを発見しました。
フォレストページ サービス終了のお知らせ

……今回は、私とフォレストページの思い出話とこれからについてをお届けします。


フォレストページとは

フォレストページ。
2002年にサービス開始した、携帯用webサイト作成サービスです。
個人が、無料で、専門知識がなくてもサイトを開設でき、イラスト・写真や文章などを手軽に公開できる場が得られる優しいサービス……という訳ですね。
ある時期世間に広く流布し、映画などにもなった『いわゆるケータイ小説』というよりかはもっと“オタク・アトモスフィア”に満ちた、いわゆる二次創作の発表の場として選ばれることが多かった……という印象です。
簡単に名前変換機能も搭載できる夢小説フレンドリーな場であり、もちろんカップリング系創作のサイトも多彩。
2000年代、2010年代前半くらいもかな……作品投稿サイトやオープンに作品を投稿・シェアできるSNSが広がりきる前……ていうかスマホが普及する前、とした方が適切なのかな? そのあたりまでは『ここ(フォレストページ以外の携帯サイト作成サービス含む)』をメインフィールドとしていた方が特に多かったんじゃないかな。
もちろん、過去形にするべきコンテンツではなく、現在進行形でフォレストページに自分だけの住まいを構築し、活動している方もたくさんいらっしゃいます。

かくいう私も。
2005年にフォレストページで一次創作サイトを開設し、今に至るまで維持し続けています。Twitterのプロフィールでもこのサイトをリンクしていますしね。

6/5とはn年前の6/5であることに注意

しかし『運営』しているとはとても言い難い状態です。
環境が変わり、興味もうつろい(一次創作自体はずっと好きですが、その時々で『アツいネタ』がころころ変わっていき、サイトに掲載している作品に妄想の焦点が当てられない……という問題もあります)、いつしかサイトの更新はぱったり途絶えてしまいました
創作すること自体が減ったのみならず、たまに何か書いても発表の場としてpixivやTwitterを選ぶことが多くなりました。

私だけのアトリエ兼データベース

なら、フォレストページはなくなっても困らないかというと……とんでもない!
誰の目に触れなくても、自分用のアーカイブという大事な役目が弊サイトにはあるんですよ!!
既にちょっと書きましたが、私の携帯サイトは一次創作サイトです。
そして私の一次創作は、サイト更新の過程で具体性を育てていったのです。
例を挙げると。
一次創作には登場人物が必要です。即ちオリキャラ、自分の脳内にしか居ないし住めないキャラクターです。
そのオリキャラたちの基本プロフィール(誕生日、身長体重、好きなもの等)は、フォレストページ編集画面にガラケーでぽちぽち打ち込みながら構築されていきました。
つまり、自分のパソコンなどの中に元データがないんです。フォレストページの記載が元データ、一次資料。
誕生日だけは被り防止チェックのため古いスケジュール手帳に書き込んでいた……のですが、いつの間にかその手帳を見失っていました。
これまではその情報が必要になったら自サイトを覗いて確認していました。
しかし、このまま何もしなければその情報元が消えてしまうことが確定した訳でして……。

対応としてやるべきことは一つ。サイト内文章をコピペし、別の場所に保存すること。
この『別の場所』ですが……自分のパソコン内のメモ帳なりwordなりがまず一つ。これはネット環境で提供されるプラットフォームに依存しない保存場所として必須です。
これを更に、フォレストページではない場所、他人の目につく場所に公開するか。
少なくとも『キャラクタープロフィール』『世界観設定』に関してはいずれ再アップしようかなと考えています。
設定に関しては、一部に記載当時から(自分の脳内で)変化した部分もあるのですが……ひとまず、当時の記載のサルベージとして。

その場所ですが。
既に保持している『Twitter投稿手動まとめブログ』を利用したいと思います。

私がこれまでトータルで創作の成果(妄想小ネタの発露含む……というかそれが大多数)を吐き出してきた場所。それは上記のフォレストページのサイトではなくTwitterです。時間から見ても、量から見ても。
しかしTwitterの投稿はどんどん積み重なり、過去へと押しやられていきます。検索も大変です。
なので、これはひとかたまりで残しておきたい! と私が思った投稿を手動でコピペして記事にしたのがこのブログの内容です。

これもFC2ブログという一サービスに生殺与奪の権を握らせた砂上の楼閣ではありますが……ネット界でスペースを借りる形で公開する以上、永遠はありません。今現在の対応としてはこれで問題ないだろうと考えています。
自分のパソコン内(と、外付け記録媒体)に元データさえ確保していれば、本当の意味で失われることはない、はずです。

個人サイトを終わらせること

ところで。
ガラケー向けのフォレストページは確かに閉鎖するのですが、スマホに対応した『フォレストページプラス』は残ります。
自動で移行されることはないのですが、新たにこちらでアカウントを取ってコピペ移動させることはできる訳です。
ですが私はそうしないつもりです。
面倒だからではなく、新たに個人サイトを設ける意味が『私の場合は』ないかな、と思ったためです。
これから新たにサイトを作ったところで、それを発展させていくモチベーションが私の中に見つからない、ということです。
だって、今までも完全に個人サイトのページを放置していたのですから。

どうして私は携帯サイトを放置していたのか。
それは『見てもらいやすさ』『見てもらったことの分かりやすさ』において、個人サイトより投稿サイト・SNSの方が勝っていたため……と思っています。
あ、これはあくまで私の環境と主観あっての話なので、普遍的な評価ではありません。
私の場合は『自分だけのトータルコーディネート・ネット空間』を創りたいという欲求はあまりなく、とにかく作品の展示場所が欲しい、という動機がより根幹にあるからですね。
この気持ちが強ければ「じゃあ新サイトに移設しよう!」となっていたかもしれません。
公開したものを読んでもらえるか否かが私にとって重要で、入れる箱は『みんなと同じ』でいい、欲する人に届きやすければ……と。
オフライン同人誌即売会への参加が途絶えた流れと似通っていますね。

しかし、読んでもらいたいなら何故サイトの全作品を投稿サイトに載せていないのか……とツッコミを入れたくなるかもしれませんね。
これは単に、読んでもらいたいレベル、オススメできなくもないレベルに差があるからです。
私の中の『読んでもらいたいレベル』の決定には複数の因子が絡みます。
ある程度完成しているか、さもなければ連載を重ねて完成に近付けていく見込みがあるか、という観点もありますが、結構大きいのは『読む人をより選びそうか』という点です。

pixivに載せている作品は私の中の『オススメ可能レベル』がトップクラスに高いものなのですが、ここに『原作キャラばかり出るクロスオーバー二次創作(オリキャラはあくまで話の進行に必要な最低限度の役割)』は載せられても、携帯サイト別館(別のフォレストページアカウントで制作し、リンクを張ることで連結しているページ)に置いてある『原作キャラが出ず、オリキャラだけで話が進む二次創作』は表に出しにくいなという気持ちがあります。
それは『クロスオーバー×その採用原作が十作品越え×二次オリ主』という、人を選ぶハードルが何重にも課されているためです。

しかし、万が一同じ嗜好の人が居ればその方には届けたいので、(携帯サイト以外では)私のTwitterアカウントにリンクしてあるプライベッターに一部置いています。
リンクを辿ってまで覗いてみたいほど気になる、そのレベルの人に見てもらえればいいかな、あまり人目に付きやすい所に置くには気が引けるな……となるんですよね。
『人目につけることは可能だけどつきにくい場所』の選択肢として、これまでフォレストページの携帯サイトを維持してきました。それが潰れるなら、仕方ないからセルフまとめブログに統合しておこうかな、ということです。

タイムカプセル、ボトルメールとしての個人サイト

もう一つ。
これまで携帯サイトを潰さずにいた理由として、自分用の資料だからという理由以外にも『基本、ネットにアップした作品は取り下げたくない』という思いがあるからです。
基本……という予防線を張ったのは、作品を下げることが皆無ではなかったからです。具体的には深夜テンションで綴ったポエムとか!
しかし、よっぽど自分的に耐えがたい感情を湧き上がらせるものでなければ撤去はしません。特に『メインジャンルが変わったから』という理由では撤去しない。
なぜかというと、投稿サイトにてブックマークしてたまに見返していた他の方の作品がある日突然消える悲しさを知っているからですね……。
あと、長年公開しておけば、後から興味を持ったどなたかに届くかもしれないから。撤去してしまったらその可能性もゼロになるのでね(なので、noteに上げている記事も撤去しません)。

その理念に準ずるなら、どこかにサイト内容をまるっと再アップするのが筋ではあります。
しかし、今回私はそれもしないつもりです。
さすがに年月が経ち過ぎたから。
執筆当時の私のパッションの展示場、一種のタイムカプセルとして保護しておくことはできても、アラフォーとなった2024年の私が全く同じ内容を再配信したいと感じるかというと……そこはちょっと見直したいな、と思ってしまいます。
自ら消しはしないけど、消えちゃうのは仕方ない。ずるいですね!
一部を、あるいはまとめ直したものを再アップする可能性はあります。

とはいえ、黒歴史とは思っていません。発表物としては見直したいとはいえ、根っこにある『好き!』要素を詰めた創作であることは変わりありません。私の中で生涯愛でていくし、ネタが下りてくればそれも発表します。
何より自分の過去作を黒歴史として否定することは、それを今好いてくれている、かつて好いてくれた人のセンスや好意への嘲笑にも繋がる(その意図がなくても)……と考えています。それは避けたいです。

ひとまず、私は個人サイトのある生活をここで終わらせようと思っています。
とはいえ、別の用途で取得した『エムペ』のサイトは残っているので、完全に携帯サイトオーナーでなくなる……というと嘘になるんですけどね。
個人ブログだって維持し続けるので、投稿サイト・SNS以外のホームを失うこともないですし。
フォレストページさん、創作する楽しさ、創作物を読む楽しさを広げてくださり、本当にありがとうございました!

おまけ:個人サイトの『同盟』の効能

最後に付録として、携帯サイトに入り浸っていた頃の楽しみ方を一つご紹介します。
それは『同盟』です。携帯サイトに限った文化ではないですがね。


mixiでも同じようなことをしていた……

こういうのです。
この写真のように、ずらっと並べる事で自己主張にもなりますし。
中でも重宝していたのが『名簿』制度です。全部の同盟に備わっていたものではないですが。
○○が好き、ということを主張している=同盟に参加している方のサイトに行けば、そのサイトでは○○が好き!という感情を肯定される……という保証として働くんです。
参加者さんのサイト内に〇〇に関する作品や語りがなかったとしても、少なくとも〇〇に肯定的であるという安心感が得られる。
特にあらゆるエンタメ作品・キャラに対する『アンチ』的感情を徹底的に避けたい私としては『好きの保証』は非常にありがたかったんですよ。

では、本日のインターネット壮年会・創作オタク女子の部の会合はここまでとします。
今回もお読みくださりありがとうございました!

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