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ひとが創り出すからこそ、美しいと思うこともある。 ー 仕立て屋のサーカス -Circo de Sastre- [まとめ]

昭和から令和への改元に伴って発生したゴールデンウィークの10連休。

その最終日に、愛してやまない仕立て屋のサーカスの公演をLumine0で観てきた。「Gran Exhibición de Circo de Sastreー仕立て屋のサーカス大博覧会」と銘打って実施された、記念公演のような位置付けの連続公演。帰宅して、クラウドファンディングで出来上がった映像作品を改めて見返している。

仕立て屋のサーカスのコンセプトは次の通り。(公式ウェブサイトより引用

音楽家×裁縫師×照明作家 による音と布と光のサーカス。

曽我大穂、ガンジー、Suzuki Takayuki、渡辺敬之。
この4人によって生み出される物語舞台。

これまでに何度か共演したのち、 その場で生み出される瞬間のエネルギーを大切にし、新たなグループ「circo de sastre(シルコ・デ・サストレ)=スペイン語で “仕立て屋のサーカス”」として2014年より活動を開始する。

本来、表現とは、分化され整理されていないもので、
人の衝動や、思いのエネルギーの塊のようなものであるのだろうという考えから、様々な表現が混在するありのままの姿で伝えていくことを重視し、過剰な演出、作為的な行為をせずに、だた一心不乱に物作りの姿を見せていく。

演じるのではなく、動きの真実を見せることをコンセプトとしている。
空間があり、音楽があり、光と影があり、衣服があり、料理があり、、、、、
人の周りにあるすべてのものを使って、何か心を揺さぶられるような感動を与えられる瞬間を作り上げようとし、自分達が消えて、時代が変わっても、永く残っていく、1000年続く表現の根元を求めて、普遍的でありながら新しい表現方法を追求し続けている。

途中で数えるのをやめたけれど、もう何度観たかわからない。軽く20公演を超えている予感。実験的で、ライブ。だからこそ涙が出るほど良い時もあれば、様々な要因で苦言を呈せざるを得ないこともある。アート色が強いからこそ、コラボレーション相手によって、仕立て屋のサーカスらしさが生きる時も、殺される時もある、と感じる。

2019年5月@LUMINE0:仕立て屋のサーカス大博覧会

今日は、ダンサーであり振付師である辻本知彦氏とのコラボレーションの回を観てきた。布や音楽をうまくつかっていて、奇妙だけど絶妙な存在感があった。いつものシンプルなセットや音楽、照明との相性がとても良く、素晴らしいコラボレーションだった。

好きな映画の一つに「ベルリン・天使の詩」があるのだけれど、なんとなく、今日の公演はそれが思い出された。仕立て屋のサーカスの公演は、どこか知らない遠くの地を思い起こさせるものがあって、いつも不思議に思う。辻本氏は、なんだか天使のようでも、幽霊のようでもあった。

仕立て屋のサーカスに初めて出会ったのが2015年。結成してほんの一年、6回目の公演で出会えていたことが奇跡のように思える。初めて観た時の衝撃が忘れられず、ことあるごとにtumblrやinstagramで記録を残している。今日観た公演のことを、と思っていたけれど、それらの残っている分だけにはなるけれど「まとめ」としてnoteに転載しておこうと思う。

2015年6月@VACANT:初めて観た公演

たまたまイベント情報を拾って行っただけだったけれど、とにかく衝撃的で、鳥肌モノだったのを今でも思い出す。

2015年7月@Esper

2回目は空間的には微妙だったけど、やはりエネルギーに圧倒されたのだった。いくつか映像も。

2016年1月@VACANT

初めて長期公演への参加で2回観る。このあたりから、友人にリコメンドしだして、何人道連れにしたことか…。複数回参加することにより、その日のコンディションでかなり公演内容にブレがあることを感じるように。おそらく紙吹雪はこのあたりから登場しているのではないか。

2016年6月@VACANT

この回はかなり良くて、久しぶりにものすごく感動したやつ。この時点で6回目のよう。

2017年1月@LUMINE0:初めてのホール公演

LUMINE0がオープンし、仕立て屋も初めてのホール公演。これまでは距離が近かったり、雰囲気のある会場が多かったけど、観る環境としてはかなり良くなった。ホールだと音も良いので、これまでの手づくり感は少なくなったけど、特に不満はなかった。ホール公演も2回参加。

2017年9月@光塾

ヨーロッパ行脚に出られて、しばらく公演はなかった時に急遽開催されたミニバージョン。黴臭い地下の空間で、初期の頃を思い出す雰囲気だった。

2018年1月@LUMINE0

スペイン凱旋公演。レパートリーも増え、完成度も増していたのに感動した。もともとお客さんはキャパに対して多くはあるものの、ホール公演が時々売り切れたり、客層も少しずつ変わるなどして、認知の拡大を感じた時でもある。

2018年3月@スパイラルホール

クラウドファンディングが始まった時。

若干追っかけみたいになってしまってるけど、毎回観る度に新しい発見があって、感動しっぱなし。これからも面白くて美しい実験を続けていって欲しい。多分追っかけ続ける!

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