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断片 「お黙りー!」

 チョコレートのCMだったかな、昔流れてたもんなんですけど。ショパンという名の菓子だったか、これが忘れじのCMで、なんか上流階級っぽいセットの中で女子とおばさまがなんかいってた。女子が「おばさまだってショパンのすべてが欲しいくせに」と笑う。そんでおばさまが「お黙りー!」とガンギレで叫ぶ、というもの。なんだったんだろうな。あんだけ振り切れてると印象深いものだ。ショパンのすべてってなんだよ。それ言葉の響きだけでいってんじゃねーのかって話。または作品全集のCDボックスの話題なのか。おばさまのガンギレの理由もよくわからんのだが、十五秒かそこらのCMで語れることは少ないのだろう。

 青い切り花がまだまだしおれない。まったく元気。ゾンビ化してんじゃないのこれ。ゾンビフラワーですか。すげえなあ。さて書斎の一輪挿しをひとつ追加、そこへ芍薬を一本飾った。あーいいっすねー。半ば開きつつあるこの白いつぼみからふわっとした花が咲き誇ることでしょう。そりゃ楽しみよ。切り花だから水を替えるくらいの世話で、ちょっと栄養剤もあげつつね、見守りましょう。あと花を紹介している本を買った。辞典。出回ってる花は千種類くらいあるんだってね。読んでみればこれまた奥深い。ちょっとすぐには覚えきれない。ああ、私はこんなにも花と縁が遠かったのだった。勉強しなきゃな。

 休日だからといって町へ出てみれば人の山よ。多くはお出かけでどっかへ遠出しているだろうが、この町にいるだけでもけっこうな人数。もうちょっと少なくていいですよ。ひっそり感ほしい。そうはいえここも派手な町ではないのだが。住宅街。ベッドタウン。行政のほうでは住みやすいところだといい張っていても、ときどき殺人事件が起きてるっぽいところ。外国人も増えて三ヶ国語くらいは常に町を飛び交っている。刺激はあるかもしれんけどもね、しかし住む場所はもうちょっと田舎でもいいぞ。移住の計画は常に頭の片隅を占める。ちょっとだけ都会な地方、というあたりで考えているのだった。徒歩でコンビニに行けりゃいいから。

 バロックもののボックスセット十八枚組を聴き終えた。いやー大変でしたねこんだけあると。だが実りは多かった。知らない作曲家の逸品なども掘り出せたし、知ってる曲も耳に新しいアプローチによって別の顔を見せてくれる。楽しい時間でした。アマンディーヌ・ベイエがしれっと参加してて驚き。この人は凄腕ですよ。別のボックスでバッハを聴いて心を打たれたものだ。で、CD十八枚組、アルビノーニからラモーからペルゴレージからと、半月ほどかけてざっくり十八時間くらいが音楽に費やされ、ようやく一周できたという記念すべき本日。またタイムリープしてバロックから他の時代へ行きましょう。古典派でもロマン派でも聴けばいいのだ。

 なんかタイミングとかやる気とか体調とかがそろわなくて読めなかったのが昨日のこと。読書するために微妙な要素がしっかりしていないといかん。たまにそういうしっかりが必要な日がある。しっかりの要素、関係ない日はとことん関係なく読めるんだけどね。なんのこともなくガリガリと。仕込みの時期はまだ続く。キャンベルはおもしろいんだけど重量級と見えてしんどい。読む前にしんどい。めんどくさい。しんどくてめんどくさいが読めばおもしろい、という厄介な本だ。だがこれが最後の武器であろうし、つまりはエクスカリバーであろうし、ヒノカグツチであろうし、あとなに、マジカントバットであろうし。魔法でいうならミナデインとかメテオとかメギドラオンとか禁呪だ。金井はかつてゲーマーだったのですよ。ゲームが好きでした。



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