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断片 夢による浄化

 昨日は疲れすぎていたせいか、あまり長時間は眠っていられなかった。夢を見た。派手なパレードをやっているような光景。これはなんの暗示か。脳はクリーンアップされたか。フロイトをまだ読んでいないことを思い出した。

 貨幣が別のものに化けていく。主に本とCDになっていく。このように交換されたものは私には価値があり意義深いことなのだが、そんな内実を他に誰か知る者がいるわけではない。当然だ。その本やらCDやらは私にとってのみ強い意味を持つので、その専有的な意味や価値観が誰かとまったく同じであることはない。

 だが君、噴火の影響で地表が冷えるらしいじゃないか。不作で食糧危機が来る、などと喧しく叫ぶ記事を読んだのだ。夏が涼しくなればいいなあ、などと私はぼんやり思っていたが、いやまったく、食うものがなくなるとは怖ろしい。

 準備が十分に整うときは永遠にこないのではないか。これを読め、といわれる鉄の名著をいったいいくら読めたというのか。常に準備の足りない状態から紡がれてきた、私のあれら数々の箱庭と人形劇。書くことの幸福と不幸ならいくらか知っていると、いつかいってみたい。

 さあ、朝が来るよ。夜に寝るようになって体調がよろしい。酒をやめたことも大きいだろう。よいコンディションで朝を迎えられるのだから、気分も爽やかというもの。ケンプのシューベルトに彩られたこの未明の部屋、スピーカーからのピアノ曲の他には、キーボードを叩く音と時計の秒針が鳴っている。

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