続・断片 4 ひけらかさない知識
原稿が完成したその日からもう連日飲んでいたんであって、へべれけという状態はあまりよくねえなあ、と思いながら休肝日をとった。飲みものはコーヒーとソーダ水と麦茶である。さわやかな時間を過ごしている。けっこう休肝日というのも簡単にとれるものだ。やれるねこれなら。週に二、三日はこうしてシラフでいよう。やるべきことをやるためにもそのほうがよろしい。本を読まなければならない。音楽を聴かなければならない。映画を観なければならない。これらをシラフでこなしていくことこそ重要よ。特に本だね。いまのうちたくさん読んでおきたいじゃないですか。月十冊いければと思うがどうだ。今年はあと三ヶ月ある。ならば三十冊、いけますか。いけたらいいなあ。
noteでは見かけないが、人の世に、知識をひけらかすということがある。たぶんマウントをとるということに近いものなのだろうが、おそらく「俺はこんなことを知ってるんだぜ」といったような心象、「俺がお前よりすごい件について」みたいなノリ、実は本当に勘弁してもらいたいんだけども。だってこっちはそんな小さいスケールで勝負してないもん。ジャンケンで勝ちましたヤッホーイというほどにもどうでもいい。まるでガキの相手だ。ひどく疲れる。一方でひけらかさない知識というものがある。これは議論や話題の中で、必要となったときに適切に引き出されて使われる知識であって、つまりは謎や疑問や問題が発生した際に参照されるもの、役立てるもの。どうもこうした知識はひけらかしだとはいわれないようだ。知識。あたくしもそれを求めているが、すごい人だと思われたいんじゃなくてすごい人になりたいという次第、それで本を読んでるんだけど。
ああ、なんか普段と違うことをしたいな。何かあるか。ゲーム。とんとやっておらぬ。心を無にして経験値稼ぎとかやりたいような気がする。模型作り。これはいまビシビシ惹かれているところ。飛行船の木製の模型、パズル式に作っていくやつを未開封で持ってて、けっこうでかいそいつを作りたい。だが完成したら置き場がないだろうね。引越し後にやろうと思ってずっととっておいてあって、いやはや、いま作りたいんですけどこれ。そうして部屋を見回すとどうにか置き場となりうる場所が見つかった。やるか。飛行船作るかこれ。そういうことしてる場合でもないんだけどさー。読書だよ最大のポイントは。いやどうしようねこれ。これ。
クラシックから趣向を変えてテクノなど聴いている。capsuleを聴いている。いいものですなこれも。これ執筆中に流したかったな。いや、この文章のごときものを書く上ではBGMにしているのだが。iTunesにアルバム六枚が入っている。順に聴いていこう。こういうのって場所としてはクラブでかかってるんだろうか。クラブねえ。一度だけ行ったことがあるな。音楽を聴きながらなんかぼんやり過ごしたな。あれは踊る場所だったのかなあ。クラブ。クラブがわからない。あたくしももうおっさんなのでわからなくてもいいのかもしれない。若者の行くところだろうからねぇ。とうとうクラブに親しむという可能性が人生からなくなってしまった。ああ若者文化よ。
花をここんとこ飾ってなくて、なんか一輪でも買ってくりゃいいんだけど、いまの季節だと何があるのかね。秋だからね、花屋の店先にもまた違った花が置かれていることでしょう。せっかく一輪挿しもでかい花瓶もあるのだ。花か。飾りてぇなあ。せっかくの新しい趣味だったから。
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