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クロサワの映画『影武者』のこと、その他サウンドバーについてなど

 去年、黒澤明のブルーレイボックスを買って、全部で二十一作入ってるんですけどねこれ、なかなか観るタイミングがとれずにいた。そうしておいて『七人の侍』は早めにいっといて、いつか名画座で観てからの二度目の視聴、えがったっすねー。ストーリーがシンプルでも調理法次第ではうまくなるということを教わる。「山賊に困っている村を侍たちが救った」って、雑にいえばひとことで終わるあらすじじゃないですか。そこをもう撮影技法から演技、演出、台詞と人物像と、もう味つけがすごいのでこれは秘伝のタレのようなもんだろうな。クロサワに教わることは多いので、今年はじっくりとボックスをやっていこうと思う。

 昨夜はボックスの中からとった『影武者』を観た。八〇年のカンヌのグランプリ作品らしい。武田信玄の影武者を盗人にやらせてのああだこうだなんだけど、これもストーリー自体はシンプル。余分なものを入れないんですね。で、小説だと「読ませてしまう」という力が良作にはあり、それにも似て、いい映画だと「観させてしまう」ということがあるんじゃないのか。冒頭の三人のやりとりからして尋常でない。座って話しているだけでけっこうな情報量がある。会話の内容もそうだが演技の部分も大きい。信玄は信玄だし盗人は盗人だなあと。三時間もある大作、どっぷりと浸かってしまっていわばやられた。これは観といてよかった。時代もの、歴史ものには疎いのだが楽しめた。

 そんな映画鑑賞を支えたのが新しく買ったサウンドバーである。テレビ画面の前に設置した。サラウンドシステムが壊れたのでこれは捨てて、いや十年以上使ってたし、壊れちゃあもうダメだと。そうしておいてサウンドバーをポチればこれはいいものでありました。ポークオーディオのREACTというモデルで、安いながらもものはよいと評判、じゃあいってみようと。ポークオーディオではいずれデカいスピーカーを買うつもりなので、そのお試しの意味合いもあった。だがこれはお試しなどという枠を超えてきましたね。音質としてははっきりいって地味。そうでありながらまったく聴き疲れしない。何より聴きとりやすい。解像度の問題なのか。タイムドメインの音づくりに近いというとしっくりきますでしょうか。地味なのは自然な音だからなのだ。だもんで普段使いにちょうどよくて、アレクサまで搭載してるんで無駄に呼んでいる。アレクサ、ジョン・レノンをかけて、というとイマジンが流れてきたりしますよ。おもしれ。

 なんかけっこういろいろ買ってるものの、財布事情的にはなかなかにシリアス、今月これから届き始めるディスクの数にもよるが、そこらへんでかなりヘヴィ。業なんですねこれ、沼にハマって買い続けること。いろいろ沼にハマってきたけどCDの沼がいちばん深かったかな。あとは本も同じくらい深い。あたくしにはコレクター気質があるね。まあやっていけりゃいいんじゃね。生きられりゃいいわ。

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