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続・断片 2 諸人よ、楽しんでしまえ

 腕時計が一度止まったんだけども、しばらくするとまた動き出した。まったく問題なく時を刻んでいる。なぜ止まったんだろうな。電池切れかって思ってたけど動く限りはそのまま使っていこう。腕時計。これはまた沼だ。あたくしはやや高級なのからチープなのからと四本コレクションしている、といってこの数は自慢にもならんが、フォーマル用、カジュアル用、あとは自宅でつける二本、という布陣。寝るときにもつけてるからそちらは安いので済ましてる。寝返りを打って破壊しても泣くほどではない程度のもの。普段使いですね。

 楽しいというなら腕時計くらいのことでだって楽しいので、皆様方におかれましても何かしら楽しいことはございましょう。それずっとやってるといいよ。なんか極まってくるから。楽しいことイコール好きなことなんだろうし、沼にはまってでもね、やってりゃいいじゃん。やがて何かにはなる。いいことがある。そこ保証する。だいたいが楽しいことまたは好きなことをやれてる時点ですばらしいのだ。それだけで既にいいことが起こってるではないか。どうですか。何をやってもつまらないというのなら、それ自分でつまらないレール引いてるから、路線を変更すればいい。あたくしなど突発的に木製の模型を作り出したりするし。普段の自分がやらないことをやるとよい。案外楽しいはず。

 説教するつもりはないのだが説教くさくなる。おじさんだね金井も。おじさんといえば、甥っ子とか姪っ子とかという、そんな毎日リアルな存在が現れそうなあたくしの人生のこの先なのだが、そうなるとあたくしは金井のおじさん、叔父さんということになる。金井の叔父さんは作家やってるんだよっつって。正月に会ったらお年玉をはずもう。絵本をプレゼントしよう。はやりの児童文学もひとそろいあげたい。できれば世界文学全集も。幼少期に家にある蔵書の数で学校の成績は変動するんだって。たくさんある家の子ほど成績はよいらしい。だから本は大事なんだよってね、思いますし、この話にはデータとかエビデンスとかもあるし。あとあれ、斜めの関係というやつ。親と子だけだと直線なんだけど、斜め、この場合叔父さん叔母さんですね、そこもけっこう大事らしいぞ。あたくしはしっかり叔父さんをやっていこう。あと将棋を仕込みたい。金井家に伝わる戦術があるのだ。そこ継承させるだろ。

 フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック全集というのを買った。ショップのサイトにはどういういわれのものかは書かれておらず、おっ、チェンバロか、くらいのノリで買ったのだが、ちょっとネットでこの作品集を調べればなんか少しばかり歴史があるのだった。なんだっけ、ともう一度ウィキペディアを見ると、ルネサンス末期からバロック初期の作品集だそうだ。あたくしそのへんの時代のものは好きなんでね、これは聴くのが楽しみなのだったが、しかしこれから聴くディスクは何十枚先まで決めてあるので、まず今年には間に合わないだろう。そこまで行きつかないと思う。倉庫と化したこの部屋よ。モーツァルトの宗教作品集も買っちゃったし。ほしいもの底なし。

 涼しくもなってくるし、動きやすくていいね。ちょっと写真を撮りに出かけようと思い、カメラの準備などをして。いまのデジカメで3000枚くらいは撮ってきたようだ。そろそろ使い込んでるみたいな領域になるのかしら。まだかしら。不具合もなんもないんだけど、それでもニコンのZfcとかは気になる。新しいカメラ。ほしいもの底なし。いろんな沼にはまりこむこの生き様よ、おお、あたくしの業よ。


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