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書けるはずのことの落とし穴

 夜中に執筆をしようとするも不発。代わりにアイディアスケッチをやって問題点を洗い出していた。どうも描写が足りていないようであった。その場所やできごとがどのようなものなのか、細かすぎず黙りすぎず、ちょうどいい具合に書かねばならない。いまは細かい描写は読まれないっていうから。現代文学の描写というものが古典と比べて減っているともいわれる。あと紙面いっぱいに字が並んでいると「うわぁ」ってなるんだそうだが、まあ、小説なら確かに「うわぁ」かもしれない。原理的にそれは読む前にはおもしろいかどうかわからんものなんである。字でびっしりというその謎の小説に自分の時間をかけられるだろうか、かけてもらえるだろうかということ。読んでもらえたら作家の勝ちだな。そうして読者の「うわぁ」が「うわぁ♡」へと変わったら完全勝利。小説家の栄光はここに極まるのであった。

 ああ、タイトルを回収しますけども、いま勝手知ったる街のシーンを書いてて、知りすぎているがゆえにだろうか、かなり書き落としが見られるんですね。想像力の余地がないというのか。拙作のサミダレ町にせよ東九龍にせよ、ああいう架空の街の話を書くようにはできない、という状況になっている。なぜか難しい。このへんの問題は解決しておきたい。知ってるから書けると思っていたけども、むしろ書きづらい場合もあるのだなあって話。実在するから自由に書けないってことなんだろうとは思う。そういう落とし穴があった。なんとかしてみよう。

 もう真夏です。皆様方におかれましては熱中症などにお気をつけて、よろしくご自愛のほど。

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金井枢鳴 (カナイスウメイ)
チップありがとうございます!助かります。