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詩 命ある歌

(金井さんが略)

人ごみというほどでもない ほどほどの人出の
人種ごった煮の町をゆき
イヤホンは部屋に置いてきてしまったので
私は心の中で歌を聴く 
手ぶらでだって歌は聴ける
脳が再生するメロディにとっぷりだったので
インド人かネパール人かわからないが
そちらへんから来たらしき人にぶつかりました
歌は気をつけて聴かないと 周りを見ながら聴かないと
インド人かネパール人かにぶつかるので
皆様ご留意ください 彼らはいい人たちなので
まずたいしたことにはならないとは思いますが
やはり町なかで歌にひたるほうが悪いのですから
裁判になればこちらが負けるでしょう
それでもやはり聴きたい歌があり 脳内再生もやまず
いい歌だなあ いい歌だなあと
マスクで隠した口もとが緩んでいるのはそれこそ秘密
いっそ歌ってやろうかと あれらすてきな歌たちを
歌ってみればどんなに晴れやかか
試してみたいのは山々 ああ歌いたい
そうして歌って通報されて 逮捕・収監・死刑宣告ともなり
冷たい独房にひとり座すことになれども
やはり脳は歌を覚えてございますから
どこでだって いつだって聴けるという次第
命ある歌のプレイリスト 私の中に幾万曲

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