見出し画像

断片 ロン毛のおっさんデュード

 映画欲に火がついて『ビッグ・リボウスキ』を観た。買って積んであった安いブルーレイ。おもしろかったっすねーこれ。問題のある人間ばっかり出てくる。そういうのいいですよね。問題があるとかクセがあるとか、個性的なやつというのがストーリーの中では光るもんなのかもしれねえなあ。主人公のデュードもたいがいなんだけど、そいつが普通に見えてくるくらい周りがおかしい。話は少しねじってあって、細かいとこなど完全には理解できなかったんだけれども、今回の初見ではひとまず笑っとけばよかったんだろう。気楽に観てればいいもんじゃないのこれ。また観たいしな。どうしようもないやつばっかり出てくる。笑うしかない。

 神社に行きたいんですけど、世はぼちぼちゴールデンウィーク、さなかともなればどこも混んでくるであろう。行くとすれば始まる前か後。神頼みしたいなー。行きたい神社仏閣があるのだ。祈りの場に行こうということで、しかし反対意見もある。出かけなくても神様仏様はすぐそばにいますよ、とこれは瀬戸内寂聴先生がどこかでいってたこと。たぶんそうなんだろう。でもねえ。心情としてはやはり畏まった形で、儀式のようなものとして祈りに行きたいというのもあるじゃないですか。参拝のときの対面してる感じがね、私はけっこう好きであるな。お礼参りもしなきゃだし。力を貸してくださいって祈ってきたんだから。

 喫茶店を発明したのが誰かご存知か。一説によるとフランツ・カフカであったという。誰でも勝手に来て勝手に帰れる場所、というのをアイディアとして持っていたそうな。カフカの時代に喫茶店がなかったのかと、そこは意外なんだけれども。酒場とか食堂とかはあっただろうし。というわけで喫茶店、いまやあちこちにありますれば、今度の長い休みの間に本でも携えて出かけてみたいと思う。まだ地元で行ったことのない店がある。ダラダラとしにいくのもいいかもしれねえなあ。地元でなくてもどこか、近場の町にでもだな。しかし喫茶店ですら混んでいるのかもしれないとなれば、やはりちょっとしんどいのであった。どうにかならんか、空いた時間の過ごし方。

 ミケランジェリのボックスを中古で買い叩いた。新品のものは廃盤で手に入らなかった。これこのあとレアになってくるんじゃないの。それはそうとこれを聴くのはまだまだ先のことになりそうで、しばらく先までは聴くものが決まっているのだ。チアーニのベートーヴェンボックスだとかシューベルトのまとまりだとか、グラズノフ、ラウタヴァーラ、あとなんだろう、バルビローリが振った何か。バルビローリはいいですよ。モーツァルトを単品で聴いてみたらばびっくりしたんだから。モーツァルトがここまで色づいて豊かだったのか、おもしろかったのかって。宝がある限り探さずにはいられない。digっていきますよまだまだ。それで死んだら仕方ない。

 アンブローズ・ビアスのおもしろさというのはなんなのか、ひとことでいえるだろうかと。『悪魔の辞典』はニヤニヤして読んでいればいいんだけど、小説のほうはなんだか得体の知れないざわざわ感、憂いのある感じ、そして優しく見つめてもいるあの作風。不思議だ。光文社古典新訳のを読んだだけなんだけど。ビアスって全集があるんですよ。古本で以前そろってたのを買ったのだ。芥川龍之介が賞賛したと帯かどこかに書いてあって、や、芥川はエドガー・アラン・ポーとかも好きなハイカラさんだったから不思議ではないが、ともあれ文豪のお墨つきの書き手としてのビアス、読まずにはいられない。いずれ全集も。



この記事が参加している募集

#休日のすごし方

54,157件

サポートありがとうございます!助かります。