辞めるってよ

2/3 退職エントリに思うこと

同じ人間の気持ちの移り変わりを見て頂きました。

一瞬、「辞めるけど、数字上げたから貢献したよね!いいよね!」って思ったんだけど、確かに数字上げたことはチーム的には良いけど、それで辞めることがどうにかなるもんじゃないな、って自分で冷静に振り返りました。結局、自己満足であり、ただの慰めでしかないな。

Twitterにも書いているように3月末で現職を辞めるのですが、私の知らないところで世の中が変わった感をヒシヒシと感じています。

先ずは、実名でのTwitter。
私が所属する企業では会社名を出してSNSを行うことを注意されている、たぶん。(明文化はされてないかも)結構、広告会社はその辺を厳しく規制していると思う。どこでクライアントが見ているか分からないし、社員発で炎上が起きるのは不味い(媒体を売る側だし、リスクマネジメントのメニューも提供している側なのに)。

私が関わった先輩が言っていたのは、

「クライアントより高い給与をもらっている可能性だってある。良い暮らしを見せびらかしたり、自慢っぽい話をしてみろ。嫌われて仕事なくなるぞ」

と。それは個人の意見だとは思うが、そういうのを気にする業界であることは間違いない。

蛇足だが、広告会社の社員は安くて旨い店を知っている。クライアントから良い店ない?と聞かれたときどう答える?と先輩から聞かれたことがある。自分がなんて答えたか覚えてないけど、先輩の苦言は覚えている。

「高くて旨い店なんて誰が調べても分かるし、そんな店を行きつけのだと言ってクライアント連れていってみろ、嫌われるぞ」「広告マンはな、安くて旨い店をどれだけ知っているかが重要だ」

我々は本当に人目を気にするのだ。


話を戻そう。
主にスタートアップ系には実名でSNS(特にTwitterやnote)をやっている人が多い。正直羨ましいと思う。加えて、「〇〇社を退職しました」というブログ(退職エントリというらしい)を書いている人も多い。

これらの退職エントリを書く方々はよく「卒業」という表現を使う人が多いが、彼らの周辺からはひと昔前の「あいつ辞めやがった」「裏切りだ」的なネガティブな要素は微塵も感じない。むしろ、社長がその退職エントリを「いいね、リツイート」していたりするから、なんというか本当に”卒業”なんだろう。

そのキャリア観、会社観の変化というのをひしひしと感じているが、大企業、特に退職者があまり出ないような会社であればあるほど、”卒業”のようなアットホーム感は無いような気がしている。どちらかというと、まだネガティブで後ろ向き、強めの表現でいうと正に「裏切り」という印象が拭いきれないところも多い。

こういった退職エントリを読んでいて思うのは、会社側が書くのを推奨しているのでは?と感じることだ。というのも、これを読んで業務の理解が深まる、会社に対する印象も向上という効果がありそうだからだ。CGM的な企業の評判ツールというとOpenWorkがあるが、こちらのサイトはどちらかというとネガティブ側面が強調されて書かれることがある。それも匿名性が影響していると思う。正直、OpenWorkに書いてある内容を読んで積極的に転職したいと思う会社は少ない。むしろ、この会社に行ってはダメだなとネガティブな要素を敢えて確認するために存在すると言っていいと思う。

一方の退職エントリは非常にポジティブで前向きだ。企業の悪口はほぼ無い。

人口減で労働人口がそもそも減っている経営環境のなかで、企業の評判というのは採用に直結する非常に重要なファクターだろう。スタートアップは人材が経営資源だからその点に敏感であると思う。退職エントリに対してネガティブな印象を持つ人も多いようだが、採用するスタートアップ側にとっても、求職者側にとっても必要なものであると思われるから、皆さんどんどん書いて欲しい。私は、、、。

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※以下は2/4追記分
ほれ、けんすうさんだって書いてるじゃんね。








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