UPDRS Part Ⅱ 2-11 ~ 2-13

振戦は、おもしろかったです。
まだまだ、いろいろありますね。

では、UPDRS Part Ⅱ 2-11から見ていきます。

UPDRS Part Ⅱ 2-11 
ベッド、車の座席、深い椅子からの立ち上がり

【引用開始】
2.11 ベッド、車の座席、深い椅子からの立ち上がり
この1週間を通して、ベッド(布団)、車の座席、深い椅子から立ち上がるとき、問題はありましたか?

0:正常: まったくありません(問題なし)。
1:ごく軽度: 私は、動作が遅くぎこちないですが、たいてい 1 回でできます。
2:軽度: 私は、1 回では立ち上がれないことがあり,たまに手助けが必要です。
3:中等度: 私は、立ち上がるために時々手助けが必要ですが,ほとんどの場合一人でできます。
4:重度: 私は、ほとんど、あるいはいつも手助けが必要です。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

つまり、立ち上がり動作です。立ち上がり動作で1や2で、1回でできるかを聞いています。パーキンソン病の方々は、姿勢反射障害があり重心移動が十分に行うことができないことがあります。
足の筋力低下をみているというよりは、重心移動が十分に行えているかを診ています。さらには、重心を移動できる可動域がありそうかもですね。
また、ぎこちないかという言葉から、立ち上がりの初動作を、適切な方向に適切な範囲で重心が動かせているかとみていいるものだと思います。
理学療法では、このように動作を観察して、重心移動に必要な関節可動域を保つようなストレッチをしたりもします。
筋トレもしますけど。

では、次!

UPDRS Part Ⅱ 2-12 歩行とバランス


【引用開始】
2.12 歩行とバランス
この1週間を通して、歩行やバランスに問題がありましたか?

0:正常: まったくありません(問題なし)
1:ごく軽度: 私は、歩行がわずかに遅く、足を引きずることがありますが、補助具は使いません。
2:軽度: 私は、たまに歩行の補助具を使いますが、人の助けは必要ありません。
3:中等度: 私は、たいてい歩行の補助具(杖、歩行器)を使って、転ばずに歩けます。しかし、人の助けは必要ありません。
4:重度: 私は、たいてい人に助けてもらって、転ばず安全に歩けます。【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

ここでは、あまり小刻み歩行などの話はでてきませんね。スクリーニングの要素が大きいように思います。
ま、1週間でみているところは、ここまでの患者質問票の中でずっと用いられてきていますが、オンオフ現象についても見ているためですね。

このオンオフとは、スイッチを入れたり切ったりするかのように、急激に症状が変動する現象です。

【引用開始】
ウェアリングオフが予測可能であるのに対して、オン/オフは予測不可能であることが特徴である。
【引用終了】
【出典元:パーキンソン病診療ガイドライン2018 第3章 Q and A 3-3】

ウェアリングオフと、オン/オフの明確な違いについて、すっきりと説明できない自分がいたので、これは、また調べてみなくては!

UPDRS Part Ⅱ 2-13 すくみ

【引用開始】
この1週間を通して、ふだん歩いているときに、足が床にくっついたようになり、急に立ち止まってしまったり、足がすくんでしまったことがありますか?

0:正常: まったくありません(問題なし)。
1:ごく軽度: 私は、短時間すくみますが、すぐにまた歩きはじめることができます。すくみのために人の助けや、補助具(杖、歩行器)は必要ありません。
2:軽度: 私は、足がすくんで、すぐに歩き出せないことがありますが、すくみのために人の助けや、補助具(杖、歩行器)は必要ありません。
3:中等度: 私は、足がすくむと、歩き出しが大変難しく、時々人の助けや、補助具(杖、歩行器)が必要です。
4:重度: すくみ足のために、私はほとんど、またはいつも、介助や補助具(杖、歩行器)あるいは人の助けが必要です。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

すくみ足ですね。
【引用開始】
パーキンソン病におけるすくみ足は一般に考えられているよりも頻度が高く、最近の研究では6,620例中47%に認められている。
【引用終了】
【出典元:パーキンソン病診療ガイドライン2018 第3章 Q and A 3-6】
【参考文献】Michael M, Kaussner Y, Möller JC,et al. Predictors of freezing in Parkinson's disease: A survey of 6,620 patients. Movement Disord.2007 : 22(7) :953-956

ちょっと古い文献ですけどね。まぁ、文献でも示されているように、臨床でも多くみることができます。

また、ガイドラインでは運動療法については下記のようになっています。

【引用開始】
Tomlinsonらは、歩行障害に対する運動療法のメタ解析によって検討した。39試験、1,827例のパーキンソン病患者において、全身運動療法、トレッドミル、キュー訓練、ダンス、武道などを施行した群では、しなかった群より平均歩行速度が有意に早くなり(0.04m/s.p=0.0002)freezing of gait questionnaire(FOG-Q)スコアが有意に改善(1.41点, p=0.02)した。運動療法では運動療法の方法による違いはあきらかではなかった。
【引用終了】
【出典元:パーキンソン病診療ガイドライン2018 第3章 Q and A 3-6】

ということですね。

最近では、仮想現実:virtual reality(VR)も取り入れられていたりするようなので、運動療法の方法についても進化していますね。
コクランでは、VRは歩行スピードと歩幅を改善させることも報告されてました。Wii Fitなどが使われています。
【参考文献】Dockx K, Bekkers EM,Van den Bergh V et al. Virtual reality for rehabilitation in Parkinson's disease. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Dec 21;12:CD010760.

と、最後は、ちょっと違う話になってしまいましたが。
UPDRS Part Ⅱはこれでおわりです。


次は、ウェアリングオフとオン/オフの関係です〜




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