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UPDRS Part Ⅲ 3-15〜3-18

振戦です。

UPDRS Part Ⅲ 3-15 手の姿勢時振戦

【引用開始】
3.15 手の姿勢時振戦
評価者への指示:姿勢を保つと再出現する静止時振戦(re-emergent rest tremor)を含むすべての振戦を評価に含めます。左右別々に評価して下さい。観察される最も大きな振幅で評価します。患者に手のひらを下にして、腕を身体の前に伸ばし、手首は真っすぐにし、指は互いに触れない程度に軽くひろげるように指示します。10秒間、この姿勢を観察します。

0: 正常: 振戦なし。
1: ごく軽度: 振戦があり、振幅は1cm未満。
2: 軽度: 振戦があり、振幅は1cm以上3cm未満。
3: 中等度: 振戦があり、振幅は3cm以上10cm未満。
4: 重度: 振戦があり、振幅は10cm以上。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

振戦のありなしだけでなく、振幅についても具体的なので、評価としてわかりやすいです。そしてやりやすい。左右を別々にみることが必要。
診るのは腕ではなく、手です。

UPDRS Part Ⅲ 3-16 手の運動時振戦

【引用開始】
3.16 手の運動時振戦
評価者への指示:これは指鼻試験の手技でテストします。腕を身体の前に伸ばした姿勢から開始し、少なくとも3回指鼻試験の手技を試行しますが、毎回評価者の指に可能なかぎり届くようにしてください。指鼻試験はできるだけゆっくり行わせます。速すぎると振戦を見逃すことがあります。他方の手でも同じことを繰り返して行わせ、それぞれの手を別々に評価して下さい。振戦は、運動時を通して出現する、あるいはいずれかの目標物(指または鼻)に達するときに出現することがあります。観察される最も大きな振幅を最終評価として下さい。

0: 正常: 振戦なし。
1: ごく軽度: 振戦があり、振幅は1cm未満。
2: 軽度: 振戦があり、振幅は1cm以上3cm未満。
3: 中等度: 振戦があり、振幅は3cm以上10cm未満。
4: 重度: 振戦があり、振幅は10cm以上。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

振戦をみるだけなので、指鼻試験は前方に伸ばすことで良いとは思います。
臨床上では、どの方向に伸ばしたりすると、その振戦が増強するかなどは把握しておきたいです。

UPDRS Part Ⅲ 3-17 静止時振戦の振幅

3.17 静止時振戦の振幅
評価者への指示:この項目と次の項目は、意図的にパート III の最後に配置しました。それは、いつ出るかわからない振戦に関する情報をすべて集めるためです。例えば、静かに座っているとき、歩行時、身体のある部分が動いていて他の部分が静止しているときなどです。診察中に観察された最大の振幅を最終スコアとして評価して下さい。振幅だけを評価し、振戦の持続や中断は評価しません。この評価のため、患者は手を椅子の肘掛に置いて(膝では
なく)、静かに座り、足を楽に床につけ、10秒間、静かに座っています。静止時振戦は四肢別々に評価し、口唇/下顎も評価します。検査中観察された最も大きな振幅を最終評価として下さい。

四肢の評価
0: 正常: 振戦なし。
1: ごく軽度: 最大振幅≦1cm。
2: 軽度: 1cm<最大振幅<3cm。
3: 中等度: 3cm≦ 最大振幅≦10cm。
4: 重度: 最大振幅>10cm。
口唇/下顎の評価
0: 正常: 振戦なし。
1: ごく軽度: 最大振幅≦1cm。
2: 軽度: 1cm<最大振幅≦2cm。
3: 中等度: 2cm<最大振幅≦3cm。
4: 重度: 最大振幅>3cm。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

UPDRS Part Ⅲ 3-18 静止時振戦の持続性


3.18 静止時振戦の持続性
評価者への注意:この項目では振戦の持続性に注目して、全ての身体の部位の静止時振戦をまとめて評価します。それは、診察中は身体の異なる部位がいろいろな静止状態になっているからです。診察の最後に、診察中を通しての振戦の持続状況をまとめて評価して下さい。

0:正常: 振戦なし。
1:ごく軽度: 静止時振戦は全診察時間の25%以下でみられる。。
2:軽度: 静止時振戦は全診察時間の26~50%でみられる。
3:中等度: 静止時振戦は全診察時間の51~75%でみられる。
4:重度: 静止時振戦は全診察時間の75%を超えてみられる。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

3-17と3-18はこのテスト時間中についてを評価するものです。
ちょっとーやられたなーって思う人もいるかもしれませんが、全体を通じて評価できると良いと思います。

また、振戦に対しての治療は薬物療法が主体となります。

そして、投薬治療がうまくいかない場合は、手術療法が選択されることもあります。
視床腹中間核破壊術と脳深部刺激療法が有効とされています。

この手術療法と理学療法については、またの機会に!


それではっ

次は、UPDRS Part Ⅲ ジスキネジアとHoehn and Yahr 重症度です〜


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