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絵コンテのようなビジョンをつくろう!

長期価値創造のすすめ 1

長期価値創造のメッセージが重要になってきた

2020年、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、海外への渡航はもちろん、気軽に外出もできない世の中が現実のものとなり、かつてないほどに経済活動は停滞しています。

一寸先は闇の時代が実際のものとなったのです。

パンデミックだけではなく、米中摩擦、環境の変化による自然災害の大型化、テロも各地で頻繁に起こっています。

そもそも企業活動はSDGsも含め長期的な視座に立った経営を行うことが是であるという風潮が支持されてはいましたが、実際には、投資家を中心に短期的な成果に基づく評価が一般的であったことはご存知の通りです。

しかし、こういう世の中になると、短期的な価値の向上だけでは対応できなくなってきました。

外食業界は、坪売上を拡大し、店舗数を拡大するために知恵を絞ってきましたが、人が外に出られない時代になると、顧客単価を変えないままで坪売上を上げると、すなわち密となり、世の中に受け入れられません。店舗業績が下がる中、店舗数を増やすという戦略も採用できません

外食業界に限らず、ほとんどすべての業界は、心理的に移動の自由が制限され、自由な営業活動ができず、事業の先行きが見えづらくなっています。そういう状態ですから、多くの人の賃金が上がるはずもなく消費も増えません。失業の危機に瀕している人も数多くいます。

つまり、先行きが見えないことには、経営活動は立ち行かず、本当の意味での長期的な視座が重要な時代になったのです。

つまり、長期的なビジョンが腹に落ちない企業には、価値を見出しにくい時代が到来したということです。

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Picture of the future 未来を視覚化する

コンサルタントや企業人として、かつていくつもの事業計画をつくってきましたが、事業ビジョンをクリアにしてつくってきたかといわれると甚だ自信がありません。

事業ビジョンを蔑ろにしてきたわけではありませんが、少しお題目的になっていたことは否めません。

ビジョンよりも、個別企業の事情を斟酌した、現状の延長線上に沿った戦略を重視する傾向が強かったと思います。ビジョン自体は、耳障りの良い、普遍的な言葉を紡いでいたように思います。

つまり、紡がれたビジョンは、それ自体は間違っていないので異を唱えることはできないけど、もっとクリアで多くの人が共感できるものにはなっていなかったように思います。

なぜ共感できるビジョンが必要なのかといえば、コロナに端を発した社会の変化により、短期的な価値以上に長期的な価値を重視する時代になったからです。長期的な未来がどのようになっていて、その未来において自社がどう関わっているのかを共感してもらうことが、企業価値の創造に重要なファクターとなるからです。

耳障りの良い言葉だけでは、聞く人によって幾通りもの解釈ができてしまいます。ゴールが一共有されないので、ゴールにつなげる議論が噛み合わないことが多くなります。

みんなが目指すゴールの映像が一致していれば、それを実現するための議論はまとまりやすくなりますし、一体感が生まれます。

そういう意味で、ビジョンを共映像化して示してあげることが、多くの人の共感を得るには最も適したやり方だろうと思います。

環境の変化が局地的かつ緩やかな時代であれば、何か不測の事態が起こっても、その修正は可能だったかもしれませんが、新型コロナはその概念を打ち消しました。短期的な価値が、世界中で、かつありとあらゆる業種で脆くも一瞬で瓦解することが現実化したからです。

投資家もそのことには気づき始めており、企業には長期的な価値向上に向けた施策を求めるようになります。短期的に凸凹があっても、正しい方向に向かっているという証左が欲しくなるのは言うまでもありません。

Picture of the futureというのは、シーメンス社が行う、ヘルスケアなどさまざまな分野の将来像を予測し、その結果を自社の研究開発テーマにフィードバックする方法らしいのですが、それとは関係なく、ここでは、未来の可視化という意味で使っています。

イメージでいうと、その企業が進むべき未来を動画の絵コンテのようにイメージして、社内外の人たちと共有しやすいようにすることです。

視覚化された未来の事例 TOYOTAのWOVEN CITY PROJECT

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トヨタが東富士につくろうとしているWOVEN CITYという町があります。トヨタが2020年のCESで発表したコネクテッドシティ構想で、自動運転技術やMaaS、ロボット、AI(人工知能)などの検証・実験を行う実証都市になるようです。

つまり、トヨタは自動車会社からスマート社会を実現する企業になるというビジョンを具現化しようということです。映像化ではなく実際につくってしまうところが凄いことです。

町としてできるのですから、その具体性は明確です。否が応でもどんなことをしようかということが共有できます。

なにより、トヨタが日産や本田、メルセデスやBMWなど他の自動車メーカーとは違うということがわかります。もはや自動車会社ですらなく、スマート社会をつくる会社のイメージになっていくんでしょう。

企業としてのPicture of the futureがはっきりしているので、新型カローラが売れないということがあったとしても、トヨタのビジョンに賛同するのであれば長期的な投資対象としての価値は損なわれにくくなります。

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アルファ・ファンクションの栗本です。ブランディングとIRを組み合わせた企業価値創造メソッドを提唱しています 知る人ぞ知る優良な会社の”意思”を多くの人に知ってもらうことで、企業価値は大きく変わります。 連絡先:kurimoto@alpha-function.jp