連載「いい映画には理由がある」

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【いい映画には理由がある】Vol.6 恋人たち

アトリエのある広島市には、映像文化ライブラリーがある。東京でも、銀座や竹橋によく足を運び、並んで、またはハシゴして、観ていたものだが、ここでも、作品によっては、満員になる。

作品によっては、ガラガラなので、その「満員」の中で、拍手とともに観るのがまた、楽しい。

前日の『死刑台のエレベーター』が満員だったとの噂を聞き、最終日の『恋人たち』に予定を合わせた。今晩は眠れなさそうだ。

モノクロで、白

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【いい映画には理由がある】Vol.5 イタリア旅行

『イタリア旅行』(1953年 R・ロッセリーニ)、遅ればせながら、初めて観た。

「“男と女と一台の車とカメラがあれば映画ができる”とJ=R・ゴダールに言わしめた、ヌーヴェル・ヴァーグ の原石的傑作とされるフィルム」

という生意気な覚え方をしていた。生意気な時代をとうに超えた今、初めて観てよかったと思う。

英国のお金持ち夫婦のイタリア旅行。それでも、高級車とバーグマンの美貌以外は、人生の後半に

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【いい映画には理由がある】Vol.4 ベニスに死す

どこでとめても美しい映画。30年ぶりに再観。20歳の時には理解できなかった、悪臭・菌・道化・老い・誤魔化し、そして・美。今回はマーラーの曲やマンの少年愛と共に、理解できたように思う。

実はこの映画にはもうひとつの物語が私にはあって。20代になったばかりの「超」生意気盛りのころ、やたら難し気な映画評論で語られるこの『ベニスに死す』。

公開時から10年たった80年代ではかなりのアングラで。ようやく

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【いい映画には理由がある】Vol.3 ベティブルー

『ベティーブルー』、『グランブルー』、『ディーバ』。あのころの映画を再観しています。この三作品以外にもあるのだけれど、この三つは特に、私の中で「ブルー繋がり」。(※ブルーベルベットは、私には「赤の印象」なので入らない。)私の中では勝手に、映像と印象が「青で繋がって、完結して」いるのです。

その他にも、『美しき諍い目』『バーディ』『シェリタリング・スカイ』『汚れた血』「バグダッドカフェ』『C階段』

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【いい映画には理由がある】Vol.2 男と女

映画『男と女』にみるチャーミングな仕草

「見たこともない新しい価値」と「時が経っても古くならない真の価値」、相反するモノですが、どちらも大切だと私は考えています。

若い時には随分と失敗をしてきました。髪型だって、ずっとボブだと思われがちですが、実は、全5ミリカットや、ドレッドスタイルも経験済み!たくさんチャレンジして、たくさん失敗して……。そして、待ちに待った人生の後半には、憧れていた女性にな

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【いい映画には理由がある】Vol.1 ティファニーで朝食を

元祖ファション映画、オードリー・ヘップバーン主演『ティファニーで朝食を』。女の子の夢がぎゅっと詰まった1時間54分。

何が元祖ファッションかと言うと、同居する猫と一緒に飲むミルクがワイングラスだったり、夜の仕事をするために昼間に寝るときに必須のアイマスクがキュートだったり、“やってないことをやる一日”を試すためにNYで悪戯(10セントストアで万引き!)をする日も綺麗色のエレガントなコートだったり

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