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ユコユコ マガジン

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いくつか小説を書いています。 このマガジンでは制作途中の小説を一章毎にアップしていきます。 完成したら記事にまとめます。 アマゾンでも販売していますのでよかったら購入してください…
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2022年8月の記事一覧

さよならGoodbye#19

さよならGoodbye#19

第19章 有島洋子の脅迫!

「おーい、彼君起きてる?」

ドンドン・・・ドアをたたく音・・・

それは、里佳子さんだった・・・

「あっ!里佳子さん・・・まだ朝の4時なんですが・・・」と、言いながらもドアを開ける彼

「あぁ疲れた、夜勤明けなのよ!君の部屋の明かりがついてたから、からかってあげようかと思ってね・・・あれれ寝てたんだ?」

「当たり前ですよ、電気は消し忘れただけですし、そんなしょっ

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さよならGoodbye#20

さよならGoodbye#20

第20章 そして由美さんと・・・

その日は朝から雨が激しく降っていた。
「せっかくの休みの日なのに・・・」彼は、そうつぶやきながら、ベッドから起き上がった。
玄関ドアの隣の窓を少し開けて隣の香山里佳子の部屋の様子を伺う彼・・・

その時、ガラステーブルの上に置いていた携帯電話が、着メロのメロディを流した。
当時、流行っていたU2のSundayBloodySundayと言う曲だった。

「はい、も

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さよならGoodbye#21

さよならGoodbye#21

第21章 告白

「由美さん、風呂沸かしますよ、、、風邪ひきますよ!」
ベッドに腰をかけ、うなだれる彼女・・・
そして、小さくうなずく・・・
彼は、バスタオルを彼女に渡し、風呂を沸かしにいく

「由美さん、はいあったかいココア飲んでください」
「ありがとう・・・突然ごめんなさい・・・」

「ずっと心配していたんですよ・・・電話をしても出てもらえないし・・・」

「ごめん・・・晃君には迷惑をかけたく

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さよならGoodbye#22

さよならGoodbye#22

第22章 有島洋子からの電話

あの日から、そう由美さんと一夜をともにしたあの日から彼は、仕事も手につかない状態で
寝ても覚めても由美さんの事を考えていた。
そんな彼に突然、不幸が訪れる。それは有島洋子からの電話だった。

プルルルル  プルルルル

「はい、トリップワン 田島です。」
「おい、田島晃!」有島洋子だった・・・
「あっ・・・いつもお世話になっております。」彼は仕事の電話を装って返答す

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さよならGoodbye#23

さよならGoodbye#23

第23章 最初の犠牲者

そんな不安の中、彼は眠れない日が続いた・・・
そして突然の携帯電話が鳴る
「もしもし・・・」
しばらく無言が続く電話口からは激しい雨音だけが聞こえてくる
「もしもし・・・やられた・・・あいつの仕業だよ」
「里佳子さん?」
「バイクで事故った、山王病院まで迎えに来て・・・」
里佳子はそれだけ言って電話を切った。

えっ何?やられたってどういうこと?朝の4時だよ電車もないよ!

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さよならGoodbye#24

さよならGoodbye#24

第24章 絶望・・・

その日は、朝から彼は、いやな予感で落ち着かなかった。
「何かそわそわしてるんじゃない?」吉森課長だった。
「いえ、そん風に見えますか?」
「見える見える!いつもの田島君じゃないよ!」
「いつも通りのつもりなんですけどね・・・」
彼は、そう言うと壁にかかった時計を見上げた。
9時5分前・・・由美さんはまだ出社していなかった。

「由美さん、今日は遅いわね?いつもならとっくに出

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さよならGoodbye#25

さよならGoodbye#25

第25章 由美さんとの別れ

激しい雨が降っていた・・・
由美さんの葬式には、トリップワンの社員をはじめ多くの親族が参列していた・・・
受付には30人ほどの行列ができていた。彼の前には親族と思われる50代位の女性が
二人、小声で話をしていた。
「自殺ですって?」
「電車に飛び込んだらしいわよ・・・」
「やっぱりあの事件が原因なんでしょうね・・・」
「そりゃそうよね・・・あんな事があれば、私でも耐え

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さよならGoodbye #Final

さよならGoodbye #Final

第26章 最終章

やられる前にやってしまえ!
彼の心の中に住む悪魔がそうつぶやく・・・
彼は、里佳子さんから聞いていた有島洋子が務めるガールズバーを探し当て
有島洋子の監視を続けた・・・
そして、ついに有島洋子の住むマンションまで突き止めることができた。

有島洋子は月島のタワーマンションに住んでいた。

「洋子の奴!なんでこんな高級マンションに住めるんだよ!」
そうつぶやきながら彼は有島洋子が

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