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さよならGoodbye#25

第25章 由美さんとの別れ

激しい雨が降っていた・・・
由美さんの葬式には、トリップワンの社員をはじめ多くの親族が参列していた・・・
受付には30人ほどの行列ができていた。彼の前には親族と思われる50代位の女性が
二人、小声で話をしていた。
「自殺ですって?」
「電車に飛び込んだらしいわよ・・・」
「やっぱりあの事件が原因なんでしょうね・・・」
「そりゃそうよね・・・あんな事があれば、私でも耐えられないわよ・・・」

そして・・・彼は、つぶやく
「自殺じゃないです・・・」
「えっ?」と二人の女性が振り向く・・・・

「彼女は、自殺なんてする人じゃないです!」

「絶対に!」思わず大きな声を出してしまった彼に30人ほどの人が一斉に振り返った!

振り返った30人ほどの人と人の間に・・・・彼は見た・・・

間違いなく有島洋子だった!

「有島洋子・・・」

激しい雨の中、傘を捨て洋子に向かって叫ぶ!

「有島洋子!!」

彼にはもう理性はなかった・・・

「有島洋子!!」と叫びながら洋子に走り寄る・・・

30人ほどの受付に並んでいた人々は思わず道を開けるが、何事が起っているのか理解できないでいた・・・

「お前だけは許さない!」彼は洋子の胸ぐらをつかんで今にも殴りかかりそうな勢いだった。

勇敢な男性が彼を後ろから羽交い絞めにして止めに入る・・・

「おい!やめなさい!」

羽交い絞めにされながらも、なお洋子に手をあげようとする彼・・・

「放せ!放してくれ!」

「ちくしょう!ちくしょう!」

「全部、洋子お前の仕業だろ!分かってるんだ!」

洋子も彼も雨に打たれびしょ濡れだった・・・

そして、洋子はつぶやく「ばーか!つぎはお前だ!」

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