見出し画像

成果は必ずしも努力に比例しないが、覚悟には比例する

東京の桜は散り始め、4月が始まった。僕が代表を務める株式会社クエストリーも新年度を迎え、21期目に入った。新年度になると思い出す言葉がある。それは「覚悟」についての言葉だ。

創業時の苦しみのなかで、自らの言葉で伝え始めた

ある経営者から創業時の話を聞いたことがある。創業間もないころは人材の確保が難しい。「女性社員がほとんどでした。辞められては困ると思い、好きなように任せていました。本音は好かれようと格好つけていたんです」。

しかし、業績は思うようにいかず、悪化していく一方だった。任せているはずの社員との意思の疎通も思うようにいかない。「このままではつぶれてしまう」と思ったその方は、自らの言葉で社員にやってほしいことを伝えた。

根拠はないが、「必ず会社はよくなる」という思いだけはあった

社員からは戸惑いと反発が返ってきた。やってほしいことを伝えても、不満だけしか戻ってこなかった。それでも「根拠はないのですが、必ず会社はよくなるという思いだけはあったんです」とその方は笑いながら語る。

しかし、業績はさらに悪化し、もう後がなかった。諦めずにやった方がいいと思うことを伝え、率先して動いた。しばらくすると「どうやら社長は本気らしい」と思う社員が出てきた。その頃から業績が伸びていったという。

後がない状況になったときに、経営者の覚悟が試される

誰に教えていただいたのか忘れたが、この言葉がずっと胸の中にある。「成果は必ずしも努力に比例しないが、覚悟には比例する」、先ほどの経営者の話はまさにこれだと思う。瀬戸際になって初めて覚悟が決まったのだ。

努力を否定しているわけではない。きちんとした努力は報われることが多い。しかし、必ずしもそうとは言い切れないのが、いまの世の中だ。予想もしないことが次々と起きてくる。努力だけでは乗り越えられない。

伝えたつもりでも、伝わっていなければ何も変わらない

口先だけで言っているのと、覚悟を決めて本気で言っているのでは、伝わる思いの熱量が違う。多くの人は「伝えているのに、なぜわからないのか」と嘆いて諦めてしまう。しかし、「伝える」と「伝わる」は別物なのだ。

伝えたつもりでも、伝わっていなければ何も変わらない。覚悟を決めて、伝え続けることで、考える力や行動する力が生まれてくる。その力に感化され、人は動いていく。覚悟の差が姿を変えて成果につながるのだと思う。

困難に真正面と向かい合うと、困難が握手してくれる

では覚悟とは何か?「向かってくるさまざまな困難から逃げずに、真正面から受け止めて、それを跳ね返す力」のことだ。覚悟を決めれば、受け入れることができる。うまくいかない状況でも、何とかなると前に進んでいける。

でも人は弱い。どうしようもない困難にぶち当たるとやっぱり逃げたくなる。しかし、逃げれば逃げるほど、困難は追いかけてくる。腹を決めて、真正面から向き合うと、困難が握手してくれる。新たな打ち手が見えてくる。

覚悟を経験するのは、若ければ若いほどいい

「早いうちにご苦労されてよかったですね」と経営者に伝えると、「本当にそう思います」と返ってきた。覚悟は実際に経験してみないとわからない。それを創業間もないときに経験されたのは、かけがえがないことだと思う。

ということで、21期目も覚悟を決めて進みます。「ブランディングで中小企業と地域のいまを輝かせます」、そのためにやるのは「ミッションを掲げ、その実現を目指す企業を支援します」・・・ここが僕の「覚悟」です。

こちらもお読みいただければうれしいです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?