ミッション経営・・・自社の存在理由を見つけ出す4つのポイント
僕が代表のクエストリーでは「ミッションを掲げ、その実現を目指す」中小企業の経営者のネットワーク「ブランディングクラブ」を主催しています。業種、業態、規模、エリアが異なる独自性のある企業が加盟しています。
本稿はクラブ会員向けに毎週配信している「ブランディングレポート」の1041号(2022年8月29日配信)に加筆修正したものです。ミッション経営を目指す経営者のご参考になればと思い、公開します。
「自社の持っているもの」と「社会が求めるもの」との接点
不確実性の時代を乗り切るシナリオは「ミッション経営」にあります。ミッションに含まれる要素は「存在理由」「立ち位置」「社会貢献」「判断基準」の4つですが、今回は「存在理由」の見つけ方について解説します。
自社の存在理由を考える機会は少ないかもしれませんが、いまほど問われている時代はありません。企業が存在する理由は何でしょうか?企業の役割は社会をよくすることですが、それぞれの存在理由は企業ごとに異なります。
存在理由の鍵は「社会が求めるもの」と「自社の持っているもの」との接点にあります。つまり「市場や顧客が求めるものに対して、自社はどのような存在として、どのような価値を提供するか」・・・これが存在理由です。
やりたいことよりも、まずはできることのリストアップ
存在理由を分解してみましょう。次の4つが挙げられます。「できること」「やりたいこと」「求められていること」、以前はこの3つだと思っていましたが、いまは「経済的な裏づけになること」も加えています。
「できること」「やりたいこと」はすでに自社にあるものです。やりたくてもできなければ、価値を提供することはできません。できてもやりたくなければ、力強い価値にはなりません。この二つの棚卸しは必須項目ですね。
「やりたいことだけを仕事にしたい」という方がいますが、「やりたいこと」は不安定で、状況に応じて変わります。やりたいからこそできるようになるわけで、やはり「できること」が優先してリストアップします。
やりたいことを支持してくれる市場と顧客を小さく切り分ける
次は「求められていること」です。できることで、やりたいことであっても、市場や顧客から必要とされなければ支持は生まれません。反面、求められることに合致していれば、支持が生まれ、自社の存在価値は高まります。
「求められているのかわからない」と語る人がいます。それは市場や顧客を大きくとらえているからです。中小企業の経営は小さく焦点を絞ることが大前提です。小さくとらえると求められているかどうかが見えてきます。
市場と顧客を細分化し、自社のできること、やりたいことを支持してくれるところを見つけ出してください。逆のアプローチで、小さな市場と顧客に対して、自社のできること、やりたいことを当てはめていくのも方法です。
3つの要素が力を発揮させられる市場と顧客を探し出す
最後は「経済的な裏づけになること」です。できることで、やりたいことで、市場や顧客も求めている、よしこれでOK・・・いやいや、それほど経営は甘くはありません。業績に結びつかなければ事業は継続できません。
趣味程度ならいいのでしょうが、事業には確実な市場と質の高い顧客が必要です。また、そこに強力なライバルがいて勝てないようでは意味がありません。この先も市場性があるかどうかの判断も重要になります。
これは二つ目の「立ち位置」とも関係がありますので、次回に詳しく説明しますが、できること、やりたいこと、求められていることの三つが存分に力を発揮できる市場と顧客があってこそ、企業の存在理由は光り輝きます。
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