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[エッセイお仕事小説]銀座東洋物語。

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ホテルは幸せな仕事。二十代半ばで転職し続けたどり着いたホテルは働く人も泊まる人も幸せなホテルだった。著者が経験した仕事をエッセンスに、小説風にまとめました。昭和の仕事の仕方はこん…
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#部屋付

銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の⑤

銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の⑤

 「吉田くんがね・・・」

 ホテルは幸せな仕事だ。お客様の笑顔のために働く。これほど清くて楽しい仕事はないだろう。残念なのは、その精神を間違った方向でゲストに利用されてしまうこと。

 清雅様に部屋の鍵を渡さない作戦の後、部屋の中にあるはずの未払いの帽子を身につけているところを撮影されていたため、マネージャーが部屋をチェックした。すると、何も聞かされていなかったスタッフが直接奥様から連絡をもらい

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銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の③

銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の③

 想像してみてほしい。主たる世界の都市の華やかな表通りのそばに一流と呼ばれるホテルがある。そのホテルは、国賓を迎えたり、国際的スターが宿泊したり、我が家のように滞在中使う。途中、各地を飛び回ることがあっても滞在中のハブとして確保され、その間荷物を保管したり郵便物や品物の送り先になったりする。

 銀座東洋は日本一のショッピング通に面していた。河童橋や浅草といった江戸指物や調理道具の問屋街にも近かっ

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