何清漣★米国Z世代に取り憑く共産主義の幽霊   2020年7月8日


 トランプ大統領は、サウスダコタ州のマウントラシュモア国立記念碑のふもとで4日、独立記念日を祝う式典で演説しました。そして、アメリカの教育制度に直接言及し、最近のアメリカでの「清算の歴史」(私は「米国版文化大革命」と呼んでいる。 何清漣★「古い世界をぶっこわせ」――米国の「文革」⑴ ⑵ 2020年6月13日参照 )では、「子どもたちは自分の国を憎むように教えられている」と指摘しました。

 政治レベルで言えば遅過ぎましたし、原因の一部に過ぎません。しかし、ドナルド・トランプ氏だけが、敢えて憚ることなく口に出す勇気を持っていました。 もう一つの理由は、アメリカの若者の半数以上は、共産主義を愛する世代によって教育されてきたからです。

 ★アメリカの教育:硝煙無き共産主義革命

 BLM(Black Lives Matter)のメンバーは、奴隷制の歴史を清算し、アメリカを憎むことを主張しています。背後の重要な支持者には、左翼的なアメリカ人教育者であり、イリノイ大学シカゴ校のビル・エアーズ(William Charles Ayers)教授がいます。 同教授は、かっての「ウェザーマン」(訳注;天気予報係、左翼テロ組織)の創設者であり、指導者で長年「米帝国主義の終焉」を売りにしてきました。

 一部の米国人だけが、アメリカの若い世代の間で資本主義、アメリカを憎んで歴史を清算しようという考えが形成されて久しいことに気がついています。その根源は、今回、多かれ少なかれ、「清算の嵐」に襲われた教育システムに責任があります。

 2016年に社会主義者のバーニー・サンダース議員が大統領選挙に参戦したのは、米国政治の歴史の中での一里塚でした。というのは、サンダースが選挙に勝ったというわけではなく、彼が予備選挙に立候補して、青年を主体とする支持を勝ち得て、共産主義の汚名を米国から消し去る上で、極めて大きな働きをしたということです。それ以後、共産主義信仰は、颯爽と米国に登場したのでした。

 米国青年に共産主義が恐ろしいほど影響を与えたことは、NGO「共産主義犠牲者財団」(V.C.F)と調査会社ユーガブ(YouGov)は2016年10月に発表された2000人を対象とした調査でした。

 この調査では、米国の35歳以下の若い世代のうち、53%が現行の経済体制に不満で、自分たちに不利だと感じており、「社会主義が良い」と答えました。45%の若い人たちは、「社会主義者」が大統領になるのに一票を投じたいと答えたのでした。調査責任者は、これは「ミレニアル世代」が20世紀の共産党政権と共産主義、社会主義の名の下に行われた犯罪的行為を知らないせいだとみました。

調査結果に仰天した「V.C.F」では、以後、毎年同様の調査を行いました。質問の角度を変えて、調査結果を年度報告して、米国大衆の社会主義と共産主義への見方を分析しています。その目的は、16歳以上の米国人がいかに集団主義制度を見ているかを研究するためでした。

 2018年の調査では、大多数の米国人は、依然として資本主義社会で暮らすことを望んではいますが、ミレニアル世代にあっては、社会主義が第一の選択でした。52%のミレニアル世代が社会主義国家で暮らしたいと答え、資本主義での暮らしをのぞむ40%より多かったのです。一部の若者は、ファシズム社会を望み、6%は共産主義が最良の選択だと答えました。

 また「V.C.F」はアメリカ人の半数が、社会主義という言葉から、西欧や北欧の所得や福祉の平等を思い浮かべると報告しています。そして、26%は学校で共産主義について学んだことがなく、ますます「共産主義者」や「マルクス主義者」を否定的ではなくニュートラルな言葉として受け取る若いアメリカ人が増えているというのです。

 こうした全ては、当然、米国の大学や高校での教育がますます左傾化したからです。近年、左傾化した青年が小学校教育に就くようになって、小学校の教育も、ますます左翼的な色合いを強めています。

 ★民主党は急速に社会化

 ここ数年、米国二大政党の一つである民主党がますます社会主義化したという点では、ずっと民主党を熱心に支持して、共和党に反対してきたニューヨーク・タイムズ紙も、認めざるを得ません。

 2018年7月3日、ニューヨーク・タイムズ紙の「民主党は社会主義化するか?」には、民主党内部の調査でも、18歳から34歳の民主党員の61%が、社会主義を評価する姿勢を見せていました。若い世代、特に女性は民主党を民主社会主義化させるツールに変えようとしていることに触れています。

 民主党の社会主義化の原因は、サンダースが2016年に大統領選候補者選に出たことでした。選挙後、彼を中心とした米国の民主境主義者のメンバーは3.7万人で、この組織は、選挙では民主党と協力しながら、同時に、選挙以外では社会の不公正との戦いを唱えています。

 サンダース氏が大統領選から退場後、2018年の中間選挙では、グループ全員が民主党に合流しました。2018年の中間選挙では、民主党に23の下院議席をもたらしたのでした。

 その主なメンバーは、アレクサンドリア・オカシオ゠コルテス(AOC=中間選挙で最年少議員として初当選)女史らのように、民主社会主義の「社会主義」の部分を真剣に考えています。

 その綱領では、「社会主義」と「社会主義」の間の関係を「資源と生産の大量支配に基づく人間性、経済計画、公平な分配、フェミニズム、人種平等、非抑圧的な関係性 社会の秩序」と想定しています。(この部分は社会主義者の政治的攻撃性が極めて強く、AOCやイルハン・オマル=ムスリム女性初、ソマリア出身者初のアメリカ合衆国下院議員=などが下院入りして以後の発言は、下院議長のナンシー・ペロシは反発しているが、どうしよもないでいます)。

 彼らが加わってから、民主党は急速に社会主義化しており、これが今回のマルクス主義組織のBLMが民主党とハイレベルで一致して行動できた原因です。

 私は、2018年11月12日に「米国民主党の国内カラー革命」https://www.sbs.com.au/language/mandarin/zh-hans/guan-dian-mei-guo-min-zhu-dang-de-guo-nei-yan-se-ge-ming で、今日の米国の政局を予見しましたので、参考に。

★左派の「体制内長征」が米国の学校を制圧

 これは短い文章ででカバーするにはあまりにも多くの分野が含まれていますが、むしろ全体を概説して、アメリカが何をしているのかを読者に理解してもらうために、そのポイントを説明します。

  社会主義を信じているこの世代の若者が、アメリカの教育制度の左翼洗脳でいかに教育されてきたかについてです。

 様々なデータによると、2009年頃からアメリカの大学や高校の歴史教科書が変わり、人種差別教育を放棄したといわれます。大学によっては、アメリカ史を教えず、代わりにアフリカ史を教えているところもあります。

  この変化は、1968年以降のアメリカの大学におけるアメリカの左翼が、「体制内での長征(変革)」を通じて必然的にもたらされたものです。 政治学や社会学、経済学までもが左翼の文化的・イデオロギー的な道具になってしまっい、残るは歴史だけになりました。

  歴史はかなり重要で、"その国を破壊するには、まず、その歴史を破壊すべし"という古い中国の格言があります。


 資本主義の最後の砦、米国を破壊し、終わらせるには、歴史の”清算”は避けられません。トランプ大統領の「アメリカの子供たちは自分の国を憎むように教えられている」という発言は、この時点で正式に始まっているはずです。

 しかし、ローマは一日にして建設されたわけではありません。アメリカの教育が左翼の拠点に堕落したことは、 西側の大学の教壇が、左派によって徐々に占拠され始めた「1968年人たち」にまで遡ることができます。

 1968年のアメリカの人々は、毛沢東や文化大革命の影響を深く受けた反ベトナム戦争世代の若者たちでした。その中でも最も優秀な人々は、西洋資本主義のシステムを変えるには、教育を出発点にしなければならないことに気づきました。その多くは、大学や研究所に入って、自称「体制内の長征」を開始しました。

 この文章の最初の方で名を挙げたBLMに深く関わっているビル・エアーズは、テロ組織の「ウェザーマン」創立者であり指導者です。この組織は、共産主義的革命団体を自称して、帝国主義を打倒し、アメリカ帝国を終わらせることを目的としています。

 「ウェザーマン」は、1960年と70年代初めに警察署や米国議会、ペンタゴンを含む公共建築を爆破する運動を展開しました。しかし、チャールズ教授の最大の成功は、そういうことではなく、「体制内の長征」として、米国の大学に入り込み、教育者になったことでした。

 彼は講演の中で、「米帝国主義の終焉、新世界の樹立、そして「我々が全ての世界で欧文の役割を果たさねばならない」と語り、大学生から左派過激分子を育成しました。

 ビル・エアーズとオバマ前大統領の関係は、2008年の大統領選挙の40余日前の9月23日のウォール・ストリート・ジャーナル紙に「オバマとエアーズは、学校を過激主義に向かわせた」(Obama and Ayers Pushed Radicalism On Schools)に詳細に紹介されています。私の「何清漣氏:★アメリカ文化大革命の背後にあるマルクス主義の亡霊「BLM」 2020年6月30日 )をご覧ください。

 青少年教育の未来をかけた戦いで、アメリカの保守派は大敗を喫しています。 もちろん、大敗しているのはアメリカだけではなく、イギリスの世論調査会社コムレスが2018年に発表した 調査によると、英国の18〜24歳の若者は、世界が直面している深刻な危険は大企業だと考えており、 世界の危険は共産主義だと信じているのは9%の若者しかいません。

 ダレス元米国務長官は、第2次世界大戦後、共産主義体制をなくすための政治戦略として「平和的進化」を提唱しました。

 しかし、1990年代アメリカは中国に対するカラー革命をその代替え品にしようとして失敗したばかりか、逆に20年足らずのうちに、自国の青年たちが様々な左翼団体のカラー革命によって、陽に影に共産主義信者として飼いならされてしまいました。

 この経験から米国が学ぶ機会を得ることを切に願っています。(終わり)


何清涟:共产主义幽灵附体于美国Z世代


何清涟:共产主义幽灵附体于美国Z世代

2020年7月8日,

川普总统在南达科他州总统山集会上发表讲话,针对最近美国发生的清算历史(我称为美国文革,类于中国文革的“破四旧”),其中有句话直指美国的教育系统:“孩子们被教育成仇恨自己的国家(Children are taught in school to hate their own country)”——从政治层面上说,这是一句迟到很久而且只说出部分原因的话,也只有川普直言无忌地敢说出来。另一部分原因,则是美国青年人逾半早就被教育成热爱共产主义的一代。

7月3日,川普总统在南达科他州总统山集会上发表讲话,针对最近美国发生的清算历史(我称为美国文革,类于中国文革的“破四旧”),其中有句话直指美国的教育系统:“孩子们被教育成仇恨自己的国家(Children are taught in school to hate their own country)”——从政治层面上说,这是一句迟到很久而且只说出部分原因的话,也只有川普直言无忌地敢说出来。另一部分原因,则是美国青年人逾半早就被教育成热爱共产主义的一代。

美国教育:没有硝烟的共产革命

BLM(Black Lives Matter)成员声称清算历史、仇恨美国是因为历史上的奴隶制,BLM的背后重要支持者当中有美国左派教育家、伊利诺斯州大学教授威廉·查尔斯·艾尔斯(William Charles Ayers)曾是“地下气象员”组织的创建者与领导人,多年来推销其美国帝国终结理论,部分美国人才意识到美国青年一代当中,有不少仇恨资本主义,憎恶美国、清算历史的思想已经形成多年。推根溯源,这次多少也被清算风刮到的教育系统应该首负其责。

2016年社会主义者桑德斯参加总统大选,在美国政治中是个里程碑式事件。说这个事件是“里程碑”,不是指桑德斯赢了大选,而是指他的参选及获得以青年人为主体的支持,为共产主义在美国的去污名化起了极大作用,从此以后,信仰共产主义在美国闪亮登场。

震惊于共产主义对美国青年人的影响,美国“共产主义受难者基金会”(Victims of Communism Memorial Foundation)委托国际市场调查公司Yougov做了一次调查,这份调查于2016年10月发布。大约2000多人接受了调查。报告发现,美国35岁以下的年轻人中,有53%的人对现行的经济体制不满,认为这个体制对他们不利,“社会主义”可行。45%的年轻人更愿意投票选举一位“社会主义者”来担任他们的总统。调查机构的负责人认为,这是因为“千禧一代”不了解上个世纪共产党政权以共产主义和社会主义的名义所犯下罪行。

震惊于这个调查,该基金会此后每年都做类似调查,但有时会改变提问角度,根据调查结果发布年度报告,分析美国民众对社会主义和共产主义看法,目的是探究16岁和16岁以上美国人如何看待集体制度。2018年的调查表明,大多数美国人仍然希望生活在资本主义社会,但在千禧世代中,社会主义是第一选择。52%的美国千禧世代希望生活在社会主义国家,超过希望生活在资本主义国家的40%。一小部分年轻人希望生活在法西斯主义社会,还有6%的年轻人认为共产主义是最佳选择。

共产主义受难者基金会的报告也指出,半数美国人说起社会主义就会联想到西欧和北欧的收入平等、社会福利,而不是马克思主义独裁。报告说,26%的美国人从来没有在学校学习过有关共产主义的内容。越来越多的美国年轻人将“共产主义者”和“马克思主义者”视作中性词汇。

从2016—2018这三年的报告中,可以看出一个共同点:美国民众对于共产主义在全世界造成的死亡人数缺乏准确认识,每四个美国人中会有三人低估这个数字。2016年的调查报告甚至指出,每四个美国人就有一人认为,小布什总统执政期间成的死亡人数超过斯大林治下。此外,超过半数的千禧世代赞成在某种程度上限制言论自由。

这一切,当然都拜美国大学、中学教育日益左倾所致,近年来,随着左倾青年进入小学教育这个行业,连小学教育都充满了浓浓的左派特色。

民主党已经迅速社会主义化


这几年,美国两大党之一的民主党日益社会主义化,这一点,就连一直全力支持民主党、反对共和党的《纽约时报》也不得不承认。2018年7月3日,《纽约时报》发表一篇《民主党正在社会主义化吗?》,文章谈到,民主党党内调查显示,在18〜34岁的民主党人当中,61%的人对社会主义持正面态度。年轻人,尤其是女性,正试图将民主党改造为民主社会主义的工具。民主党的社会主义化,原因是桑德斯于2016年参加民主党总统竞选之后,他作为核心人物的美国民主社会主义者成员规模已经有3.7万人。这个组织在选举中与民主党合作,同时在选举之外也倡导对社会不公的抵制。

桑德斯退出总统竞选之后,这个组织全部加入民主党,在2018年的国会中期选举中,为民主党赢得23个众议院席位。其主要成员如AOC等,对民主社会主义中“社会主义”那部分相当认真,它的章程设想了“一个基于大众对资源和生产的控制、经济规划、公平分配、女权主义、种族平等和非压迫关系的人道社会秩序”。(这部分社会主义者政治攻击性极强,如AOC、奥尔玛等人进入国会之后,其发言屡屡引起南希·波洛西的不快与反感,但无奈其何。)从他们加入之后,民主党迅速社会主义化,这也是这次马克思主义组织BLM能够与民主党行动高度一致的原因。

我在2018年11月12日为澳大利亚广播电台写的文章《美国民主党的国内“颜色革命”》中已经预见过今天美国政治局面,可以参酌。


左派的“体制内长征”占领了美国校园


本节涉及的内容非常丰富,无法在短短篇幅内展开,只能提纲挈领地述其本末,让读者了解美国这代信仰社会主义的青年是如何通过美国教育系统的左派洗脑教育炼成的。

根据各方面资讯,大约从2009年前后开始,美国大中学的历史教材改变,放弃了种族主义教育,有的大学不再教美国历史,而代之以非洲史。这一变化是美国左派1968年以后通过“体制内长征”在美国大学占据统治地位的必然结果。当政治学、社会学甚至经济学都已经成为左派的文化思想工具,就剩下历史这一块了,历史这一块相当重要,中国有句古话:“欲灭其国,先灭其史”,要消灭资本主义的最后堡垒美国,终结美国帝国,清算历史是必然环节。川普总统说的“美国孩子被教育成恨自己的国家”,应该正式始于此时。但“罗马城不是一天建成的”,美国教育沦陷为左派的阵地,其始点可追溯至“1968年人”逐渐占据西方国家的大学讲台就开始了。

1968年人在美国就是反越战一代青年人,这些人受毛泽东与文革的影响很深,其中的佼佼者意识到要改变西方资本主义制度需要从教育起步,与资本主义争夺未来。不少人进入了大学、研究所,开始了他们自称的“体制内长征”。本文前面曾提到的与BLM有深厚渊源的比尔·艾尔斯,是恐怖组织“地下气象员”组织的创建者与领导人,该组织是一个自称为共产主义的革命团体,旨在推翻帝国主义,终结美国帝国。为反对美国参与越南战争,“地下气象员”在1960年代和1970年代发起了轰炸公共建筑(包括警察局、美国国会大厦和五角大楼)的运动。但艾尔斯最大的成功,不是这些业绩,而是作为“体制内长征”的一员,成功地进入了美国的大学,成为教育家。他经常在演讲与教学中谈到“美国帝国的终结”,建立新世界,以及“我们在整个世界中应扮演的角色”,并在大学生培养左派激进分子。艾尔斯与奥巴马的关系,在2008年总统大选前四十多天前的9月23日,《华尔街日报》曾刊发《奥巴马和艾尔斯将激进主义推向学校》(Obama and Ayers Pushed Radicalism On Schools),讲述了两人的亲密关系。欲知详情,请参考《美国文革/BLM背后的马克思主义幽灵》。

在争夺未来的青少年教育中,美国保守派输得很惨。当然,输得很惨的不止美国,英国也同样如此,英国民调公司ComRes 于2018年发布一项调查,18〜24岁的英国年轻人认为世界面临的严重危险是大公司,只有9%的年轻人认为世界危险是共产主义。

美国前国务卿杜勒斯在二战之后提出“和平演变”这个消灭共产党政权的政治战略,1990年代美国改用“颜色革命”代替,此后经过不到20年,美国对中国的颜色革命没有成功,反而让本国青年被各种左派组织或明或暗的颜色革命驯化成共产主义信仰者。其中经验,衷心希望美国还有汲取的机会。

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