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機内で出会った親切な人

体験談です。
単に私の体験談です。
こんなこともあるだなぁということがお伝えできればと思います。興味があれば読み進めて頂ければ何よりです。

冒頭

あれは私が東京からロンドンへ飛び立った時のこと。

ロンドンへむかう機内の中で、驚くほど親切にしてくれた人がいます。その人とはその時限りだったので、再会は難しいですが、きっと今でもロンドンで元気に暮らしていることでしょう。

機内

いよいよ搭乗時間となり、私は窓際である自分の席に座った。

私の左には座席があと2つある。

しばらくすると、おばあさんとお孫さんのペアが来て横に座った。

なんだか騒がしい。

おばあちゃんと言っても60〜70代くらいだろう。


なんだか孫のことを叱りつけている。

バチン!!!!!!!

なんか聞こえた。

孫は泣き出した。

そしておばあちゃんはガミガミと怒っている。

(うわ〜、なんかすごい人達と一緒になっちゃったな。。)

ロンドンまでまだまだ先は長い。

するとまたバチン!!!と叩く音がした。

激しい。

あまりの激しさに、これは虐待なんではないかと孫が心配になってきた。

「そんなんやったら連れてかんよー!」
「降りなさいよー!」
「なんべん言ったらわかるの!!!」

大阪人だ。

孫は顔や頭を平手でバシバシ叩かれていた。

(もう少し様子見てこれ以上いったら止めに入ろう。)

そうこうしている間に離陸時間となる。

隣もさすがにおとなしくなった。

しかし飛行が安定してからまたなんやかんや始まった。

私は、いい加減にしてくれよとあえて態度に出してみた。

しばらくすると、その女性が話しかけてきた。

「あんた一人で来たの?」

(げっ、、、、。)

無視するわけにはいくまい。

しかしそれを機に、私たちはずっと話すこととなった。

しかも話してみると、人情深くとっても良い人なのだということが伺えた。

更に、私が大阪に住んでいた頃のとあるマンションの横がこの女性の実家だということも判明した。

話は弾んだ。

もうロンドンは目前となっていた。

その時に、まさかの親切な行為を受けたのである。

日本で言うSuicaのようなものがイギリスにもあり、それはオイスターカードというのだが、なんと彼女のオイスターカードを私にくれたのだ。

しかも、いくらかチャージまでされているよう。

「これあるとすごく便利よ。少ないけど、お金入っているから。2枚あるから1枚あげるわ。」

「え!いいんですか!!ありがとうございます!」

後から分かったが、実際1000円分ほど入っていた。

オイスターカードがあったおかげで、私のロンドンの旅はスムーズだった。
英会話レベルは自慢できるほどではない中で、きっと毎回毎回切符を買っていたら、、かなり困難だったことだろう。
だからすごく、助けられた。

しかも、「明日はどこいくの?駅で見送ってあげる!」とのことだった。

着陸後、彼女の旦那さんが空港まで迎えに来てくれていて、私は彼女の荷物持ちをし、旦那さんへの元へと向かった。

私はホテルへの電車に乗るため、連絡先も交換しないまま私たちは口約束で別れた。

そして翌日、お互い再開できた。

女性は、私が改札に無事入るまで見守っていてくれた。

ただただ、手を振って別れた。

この女性とはそれっきり。

彼女はロンドンの日本人街に住んでいる。

連絡先を聞くなんて迷惑だろうと思い聞くことはしなかったが、せめてあの時、なにかもっと感謝を伝えられれば良かった。

オイスターカードは、私の宝物だ。


ありがとうございました。


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