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「小説」永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 第22話

「┄┄┄と言う訳です」
「そんな状態で大丈夫なの?」
「どォでしょォか┄計画は忘れていないと思いますが┄何せ人間と融合しますと、寄生人(パラサイター)とは別の人間重視で動いてしまいますので」
「吸収しちゃえば良いじゃん」
「私もバルも同じ事を思っているのですが、今寄生している人間(からだ)が強者として生まれ変わるのか?と考えているのです」
「ハズレって事もあるからか」
「はい、当初の予定では命の種を寄生させ、強者にまで成長した者だけを呼び戻し、私達が融合吸収する、でしたので」
「自身が先に寄生する予定では無かった┄か」
「えェ、ですが人間に寄生しますと、力の回復が著しく早いもので」
「ねェ、アイツみたいに複数の人間を吸収しちゃえば?」
「育った命であれば別に何の問題もなく力の上昇は得られるでしょう、ですが抑から全てのパラメーターが秀ででいる人間の複数融合吸収と言うのは┄」
「リスクが大きいんだ」
「リスクでしか無いと思われます、恐らく1人が限界┄それと今まで私が地球へ放った種を呼び戻し、融合吸収しない訳は」
「あ、分かった┄最高位(ウィザーダ)に戻ってもいない状態での融合吸収は意味が無いからだ」
「半分正解です」
「半分?」
「はい、今のパラメーターは雑兵並です、その状態から力を増幅させ最高位まで戻した時、恐らく元のパラメーターより遥かに下回るでしょう」
「成る程┄最高位の状態からやっていれば良かったけど、それに気付いた時は遅かったって事なんだ」
「まァ人間と融合した事で気付いたのですから、マイナスから得たプラスと受け取っていますので」
「それで?念の為に確認を取るってのは分かるけど、自分の方が近くに居るんだから態々僕が行かなくたって」
「理解して下さい、まだ私の事を知られる訳には行きませんので」
「全く┄まァ僕には全て話してくれてるから協力はするけど┄余り沢山の計画を立てると失敗した時は総崩れしちゃうよ?」
「フフフ、アナタが私を信用して頂いているので、計画の失敗はありませんよ?」
「ハァ┄┄大した自信と重た過ぎる信頼だ事┄まァ良いや、分かったよ、僕から上手く接触する」
「助かります」
「そんな事より┄本当に終わらせるの?」
「はい、こんな事の為に私達は生まれて来た訳では無いと思っていましたが、もォ十分でしょう┄全てを終わらせなければ」
「そっかァ┄まァ仕方ないか」
「安心してください、守る者は必ず守りますから、当然アナタもですよ?」
「大丈夫なのかい?」
「えェ┄┄これを」
スッ
「何これ」
「その時の為、その時の後に必要な物です」
「凄いな┄┄そんな事まで考えてたなんて┄分かったよ、じゃァその時が来るまでは責任持って預かっとくよ」
「お願いします」
「気を付けてね?」
「はい、アナタも」
「うん」
「ではその日の為に」
「その日の為に」
スタスタスタ 
「うん┄その日の為に、今はまだ駆け出し┄前哨戦に過ぎないんだから」

美菜「ねェママ?」
麗美「なァに?」
美菜「今日優也君に、加奈と付き合いたいから協力してくれって頼まれたのよ」
麗美「あら、加奈ちゃんって城山君の事好きだったわよね?良かったじゃない」
美菜「本当に良かったのかなァ」
麗美「ふむ┄そォ言う事か、まァ美菜ちゃんの気持ちは分かるわよ?孰れ別れてしまうのにって、でも加奈ちゃんは結婚するまでは、自分が好きになった人と幸せな時間を作る権利はあると思うけど?」
美菜「そんなんで優也君納得するかなァ」
麗美「まァしないでしょォね?でもそれで諦めてしまうのなら、城山君が加奈ちゃんに対する想いなんてその程度のものでしょ?そんな軽い恋に協力する意味なんてあるの?」
美菜「┄┄そォだね?本当に好きだったならか」
麗美「ウフフ、若しかして思い切って略奪婚しちゃったりして」
美菜「もォ┄ママったらドラマの見過ぎ」
麗美「フフフ、連絡してみたら?」
美菜「まァ┄┄ねェ、若しかして楽しんでない?」
麗美「そォ?心配してるのよ?」
美菜「┄┄┄嘘ばっか」
スッスッスッ┄タッ
美菜「┄┄┄モシモシ?」
優也※おォ、どォしたんだ?こんな時間に※
美菜「ちょっと加奈の事で伝えたい事があって」
優也※伝えたい事?※
美菜「まァね?ちょっと覚悟が必要な事だからちゃんと聞いてよね?」
優也※わ、分かった※
美菜「うん┄あのね?加奈なんだけど、来春の少し前にパパの会社の都合で結婚する事になったのよ」
優也※は?※
美菜「まァそォなるわね?それで春にはその人と海外生活がが始まるわ」
優也※ちょ、ちょっと待てくれ┄何を言って┄え?結婚?┄海外って※
美菜「整理出来ないか、まァ当然だよね?急にこんな事言われたら」
優也※崎谷は!!崎谷はそれを※
美菜「納得はしていないと思う、でも会社の新しい事業の為に仕方なく」
優也※巫山戯るな!!何だよそれ!!子供を何だと思っているんだ!!※
美菜「優也君の感情は正しい、でもそれが通用しない事だって世の中には」
優也※俺は認めない、そんなの崎谷の幸せなんかじゃない!!俺は┄俺は崎谷と駆け落ちしてでも、崎谷の幸せは俺が守る※
美菜(うわ┄ママが言った通りになっちゃった)
優也※だ┄だが┄┄※
美菜「ん?」
優也※崎谷の気持ちが俺に無ければ┄┄ピエロだな※
美菜「あっそォか」
美菜(優也君は知らないんだった)
優也※や、屋中※
美菜「うん、分かってる、だから優也君に切っ掛けをあげるよ」
優也※切っ掛け?屋中が聞き出してくれるんじゃないのか?※
美菜「何それ、じゃァ加奈にその気が無かったら諦めるって事?」
優也※いや違う┄待て、今の俺の言い方だとそォなるな?※
美菜「おォ┄流石順応が早い」
優也※俺自身の気持ちは直に伝えたい、どォすれば良い?※
美菜「シチュエーションは用意する、来週の土曜日に私の誕生パーティーをやるの、そこに加奈は来るから優也君も来て?」
優也※誕生パーティーって┄┄※
美菜「あ、今ちょっと馬鹿にしたでしょ?16にもなってって」
優也※い、いや┄┄すまん※
美菜「まァ良いけどさ、来れば分かる事だから、詳細はメールで送る、詳しくは摩紗斗に聞いてね?摩紗斗も来るから」
優也※分かった、じゃァその時に俺の気持ちを伝えるよ※
美菜「うん頑張って、当日私は忙しいから傍にいてあげられないわよ?」
優也※そ、そォなのか┄分かった┄じゃァ土曜日に※
美菜「うん、バァ~イ」
タッ┄┄スッ
美菜「ママ1人追加、優也君パーティーで告るって」
麗美「へェ~、それで?」
美菜「ママの予想通り、駆け落ちしてでも加奈の幸せは守るってさ」
麗美「わァォ!!男じゃないの城山君」
美菜「うん、正直羨ましかった、そこまで愛してくれる人が┄それも自分が愛している人に」
麗美「美菜ちゃんにだってそォ言う人が現れるわよ?」
美菜「どォかなァ┄私結婚は余りする気無いし、それに若し結婚したとしても子供を産むのと育てるのがなァ┄子供は欲しいとは思ってるけど」
麗美「自信なんて皆無いわよ?ママだってそォだっんだから」
美菜「今は違うの?」
麗美「えェ、パパに支えられて、友達に助けられて、誰に見せても恥ずかしくない立派な娘に育ってくれたもの」
美菜「ありがと┄でも、私みたいなのが子育てなんて」
麗美「母親と言う職業になるとね?今まで1人で積み上げて来た経験値なんてゼロに等しいの、だから新しく経験値を増やして行く必要があるわ、子供は日々成長して行く、大人に向けてね?そして母親も日々成長して行くのよ、子育てを終えるまで共に」
美菜「あ┄┄子供が1歳になれば母親も母親1歳って、蘭さんが昔言ってた」
麗美「そォ言う事、まァ美菜ちゃんの人生なのだからパパもママも何も言わないけど、正直孫はこの手で抱きたいとは思っているわよ?」
美菜「まァ┄でもそれは未来の旦那様次第だけどね?」
麗美「そっか」
美菜「あ、そォそォ、私明日麻子とキャリーのコンサートだから」
麗美「分かってるわ、服とお金は用意しておく、ディナーは良いのね?」
美菜「うん、麻子と食べて帰るから」
麗美「ママも帰り遅くなると思うから、メールは忘れないでね?」
美菜「分かった、それとパパ」
麗美「大丈夫、当日にはアメリカ支社から戻って来るって言ってから」
美菜「そっか┄でもまた直ぐに行っちゃうんでしょ?」
麗美「そォ言ってたわ」
美菜「ハァ┄┄仕方ないか、じゃァ寝るね?お休みママ」
麗美「お休み」

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