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『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 2章 第27話

凰華「遅いよ2人共!!早くお兄ちゃんを探さなきゃ!!」
虎次「お前は黙ってろ!!」
凰華「だって!!早くしないと!!」
虎次「黙ってろって言ってんだよ!!てめェの都合で人に迷惑掛けてんじゃねェ!!」
凰華「………ゴメンタイガ」
龍次「何故か分からないんだけどね?孔はあっちの世界ではリミットが無いし、黒い戦士にも襲われていないんだ」
虎次「お前ェ俺に謝る前に住職に謝んのが先じゃねェのかよ」
凰華「あ、すみませんでした」
住職「うむ、これから説明をする、落ち着いて聞くのじゃぞ?」
凰華「分かりました」
住職「大体は知っとるのだろうがな?アソコ…グラン•バルでは龍次と虎次でさえまだまだキツい、少しの気の緩みや油断で直ぐに命を落としてしまう」
凰華「でも、私はお兄ちゃんを」
住職「ふむ、その自分勝手な考えで、龍次と虎次がお主の所為で死ぬ事になってもか?」
凰華「え?」
住職「そォ言う所なんじゃよあそこは」
凰華「私の所為でドラゴとタイガが?」
住職「今はな?」
龍次「住職、今の凰華のリミットは」
住職「良くて2時間、もしかするともォ少し短いかもしれん」
虎次「1回行ってるって言っても…か、ヤッパ短けェ」
住職「うむ、帰りの事を考えると、あの広大な地では大した距離は行けぬ」
凰華「そォだったんだ」
龍次「身体が馴染めば時間は増える、だからそれまでは何度も行くしかないんだよ」
虎次「簡単に考えるなよ?一回行ってから次行けるまでのリカバリータイムは半日以上掛かるんだ」
龍次「凰華、焦る気持ちは分かる、でも確実に孔を連れ帰るのなら、だよ?」
凰華「分かった」
虎次「ハァ………凰華にリミットが来ちまったら、俺ァ弁慶って事かよ」
龍次「良いのかい?」
虎次「仕方ねェだろ?俺の方がリミットは長ェし、攻撃力も上なんだ」
龍次「すまない」
凰華「ねェドラゴ、ベンケイって何?」
龍次「凰華は知らなかったか、そォだなァ……中国の三国志で言えば、橋に仁王立ちして仲間を逃した張飛って所かな?」
凰華「え!!タイガ死ぬ気!!」
虎次「死なねェよ!!それに張飛も死んでねェ!!」
凰華「あ、そォだった……ありがとね?タイガ」
虎次「俺はまだ何もしてねェ」
凰華「うん」
龍次「大吾郎君も居るんだから、案外早く解決するかもよ?」
凰華「そォだ、すっかり忘れてた、でも頼まれてくれるかなァ」
虎次「頼まれてくれるかじゃねェ、頼むしかねェんだ」
凰華「うん」
住職「娘よ、救いのチャンスは必ず来る、焦るでは無いぞ?冷静さを欠いた時、奴らはそこを狙って来る」
凰華「分かりました」


大吾郎「お、凰華さんマジやばいスって、危険なんスから、人探しなら俺がするっスよ」
凰華「ありがとォ亀太郎さん」
大吾郎「だァ!!お、凰華さんってば!!」
凰華「あ、御免なさい」
楓「何?亀太郎って」
大吾郎「煩ェ、何でもねェからお前は黙ってろ」
楓「はァ?何よそれちゃんと私に紹介してよね!!」
龍次「大吾郎君、彼女は?」
大吾郎「龍次さん気にしなくて良いっス、俺と同じになった煩ェだけの女っスから」
ドカッ!!
大吾郎「痛ェ!!何すんだてめェは!!」
凰華「私凰華です、宜しくお願いします」
楓「私は所 楓、宜しくね?凰華ちゃん」
龍次「俺は鷹村龍次だ、宜しくね?」
虎次「同じ年だが弟の虎次だ」
楓「わァ……2人共大吾郎の事百万倍格好良い」
大吾郎「煩ェ!!」
楓「で?亀太郎って何?」
大吾郎「何でもねェ気にすんな」
楓「何でもなくないよ、教え」
大五郎「龍次さん虎次さん、あれから結構探したんスけど」
龍次「そォか」
虎次「亀太郎、楓ちゃんには話してねェのか?」
大吾郎「はい、話して無いっス、それと虎次さんも亀太郎って言わないで下さいっス」
虎次「お前……結構頑固だな?」
大吾郎「これだけは譲れないっス」
龍次「フフフ仕方ないって」
楓「はァ~?何それ、馬鹿じゃないの?」
凰華「ちょ、楓さん」
大吾郎「ん?」
虎次「何だ?」
楓「アンタ馬鹿じゃないの!!虐められた位で名前変えてんじゃないわよ!!第一親から貰った大切な名前でしょ!!」
大吾郎「あァ!!凰華さん喋ったんスかァ?」
凰華「ご、御免なさい、楓さんがどォしてもって言うから」
大吾郎「はァ……一番煩ェのに知られちまった」
楓「人の話し聞いてんの!!」
大吾郎「煩ェな!!人の過去にズケズケ入って来んじゃねェよ!!何も知らねェ癖に偉そォな事言ってんじゃねェ!!」
龍次「大吾郎君」
楓「アンタの苦労なんて知らないわよ!!私は嘘付かれた事に腹立ててんの!!虐められるよりね!!信じてた人に嘘付かれる方がもっと傷つくんだから!!」
大吾郎「んな事言うけどな!!俺がどんだけこの名前で」
楓「どこが可笑しいって言うのよ!!何が大吾郎よ!!酒じゃないんだから!!私はね!!亀太郎の方が好きなの!!」
虎次「おっと」
龍次「ハハハ凄いな」
凰華「楓さん……それ告白じゃ」
楓「え?…………ち、違うからね!!わ、私は名前の話しを」
大吾郎「分かったよ、好きに呼べよ、どォせたかが名前だ」
楓「あ、うん」
大吾郎「とにかく俺には時間がありますから、絶対見つけるっス」
龍次「ありがとう」
虎次「ニーナは分かんねェけど、孔は確実に居るから頼むな?」
大吾郎「うっス」
虎次「あ、それとな?孔は見つけるだけで良いからな?特に話したり説得はいらねェから」
大吾郎「は?何でっスか?」
虎次「筋金入りの頑固だからよ、人の話しなんて全く聞かねェんだ」
大吾郎「そ、そォなんスね?分かったっスけど、一応話して見るっス」
虎次「ハハハまァ試してみろ」
龍次「さァ俺達は別であっちを探してみるか」
虎次「だな?凰華行くぞ?」
凰華「うん」
大吾郎「それじゃ俺達は」
楓「私虎次さんと一緒が良い」
大吾郎「黙れお前は」
楓「ちェ~、じゃァ私達はあっち行こ?」
タタタタタ
楓「早く行くよ!!亀太郎!!」
大吾郎「亀太郎って言うな!!」
楓「えェ~~好きに呼んで良いって言ったじゃん!!」
大吾郎「煩い黙れ!!」


虎次「おい!!何焦ってんだよ」
凰華「だって」
虎次「今回はお前のリミットを確かめるだけだ、見つけんのが目的じゃねェ」
凰華「分かってるんだけどさァ」
龍次「そろそろ戻るぞ?」
凰華「えェ!!もォ?……ハァ…亀太郎さんと長く話してたから」
龍次「そォ言うなよ、楓ちゃんも探してくれるんだよ?必要な時間だったと思うけどな?」
凰華「そっか、分かった戻ろ?」
コヒュ
凰華(え?い、息が)
ドサッ
虎次「あ?……ヤベェ!!リミットだ!!」
龍次「クッ、思ったより早かったか」
虎次「ケツは任せろ!!龍次は凰華担いで柱に急げ!!」
龍次「すまない虎次」
ダダダダダ
虎次(クソ!!間に合ってくれよ!!)
ダダダダダ
龍次「凰華、必ず間に合わせるからな?」


凰華「…………ん……んん………がハァ!!」
ガバッ
凰華「ハァハァハァハァハァ…………ド、ドラゴ?」
龍次「気が付いたか」
凰華「私」
龍次「リミットが来てね?」
凰華「私、倒れちゃったんだ…ここって」
龍次「ここは本堂だよ」
凰華「あれ?タイガは?」
龍次「……………………」
凰華「嘘でしょ!!タイガ……私の所為で」
タタタタタ、バン!!
虎次「おォ!!無事だったか凰華」
凰華「タイガ!!……死んだんじゃなかったの?」
虎次「あァ~?何だそりゃァ、俺がそォ簡単に死ぬか」
凰華「そ、そォどけど……龍次が」
龍次「ん?俺は何も言ってないけど?」
虎次「大丈夫か?凰華」
龍次「遅かったね?」
虎次「あァ、ちっと囲まれちまってな?次いでだから柱まで誘導して、全員光の中に蹴り入れて来た」
龍次「蹴りって」
虎次「仕方ねェだろ?殺す訳には行かねェんだから」
龍次「まァ……そォなんだけど」
凰華「私お腹空いたァ」
虎次「あっちに行くと凄ェカロリー消費するからな?」
凰華「んじゃダイエットには丁度良いね?」
虎次「必要ねェだろォが」
凰華「女の子は、見えない所に付いてるの」
虎次「お前のどこに付いてるとこあんだよ」
凰華「もォ、タイガのエッチ」
虎次「んだと!!」
龍次「フフフフフ」


龍次「大吾郎君、それは本当なんだね?」
大吾郎「はい、彼はそォ言ってたっス」
龍次「ここの他にも光の広場があっただなんて」
虎次「青いローブの男…ソイツが孔なのか?」
龍次「断定は出来ないが、全く無関係って事でもないだろォね?」
楓(あ!!凰華ちゃん)
凰華(シィ~~~)
楓(えェ~~シィ~って……嘘ォん、お願いされてもォ)
タタタタタ
楓「あ~~ァ行っちゃった」
大吾郎「ん?どォした?」
楓「え?…あ、まァ………」
大吾郎「何だ?変なヤツだなァ」
龍次「まァ方角が分かっただけでも良しとしよォよ」
虎次「だな?探し序に行ってみるか」
龍次「あァ、凰華のリミットがあるから急いで………凰華は?」
虎次「あ?凰華なら俺の後に……ん?居ねェ……居ねェだと!!どこ行きやがったあの馬鹿!!」
楓「それがァ~………」
龍次「楓ちゃん、何か知っているのかい?」
楓「光の広場の話し聞いた時にィ……一人で…行っちゃいました」
大吾郎「お前!!知ってたんなら何で止めなかったんだ馬鹿!!」
楓「だってェ!!凰華ちゃんがシィ~~って」
龍次「行くぞ虎次!!」
虎次「おゥ!!」
大吾郎「あ!!俺も行くっス!!」
ダダダダダ
楓「えェ~~!!私が悪いの?だって凰華ちゃんがシィ~~って……………もォ!!私の所為なの!!」
タタタタタ

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