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『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 第39話

『ちょっと┄参ったなァ┄┄まだ完全に身体が馴染んで無いってのに、もォ森に入れちゃ拙いのが分かんないのかなァ┄ハァ┄┄仕方ない行くか』
タッタッタッタッ
美菜「本当に凄い森だわ、もォどっから来たのか分かんなくなっちゃったし」
ゾワゾワ┄ポッポッポポポポポッ
美菜「え!!全身に鳥肌┄┄誰かに睨まれてる様な┄┄殺気?」
ゾワゾワゾワワァ
美菜「む、無理かも┄ちょっと耐えられそォも無い┄一旦戻るか」
ダダダダダ
美菜「これって完全に殺気だよ┄あの時の黒い服の人と同じ」
ガツッ┄ズザザァ!!
美菜「痛ったァ┄木の根に躓いちゃった、痛たたた」
ザッザッザッ┄┄スッ
美菜「ん?あ、ありがとォ」
ガシッ、グイッ
美菜「っと、ハハハ参ったよ、ちょっと躓いちゃって┄┄え?」
ガバッ!!
美菜「く、黒い戦士!!」
ザザッ!!
「何故だ」
美菜「え?」
「何故君がここに居る!!」
美菜「何故って言われても困るんだけど」
「ここまで僕を追って来たのか」
美菜「ん~と、ちょっと顔が黒い霧で隠れてて良く見えないんだけど、私が知っている人なの?」
「こんな所まで来てくれたなんて┄矢張り君は」
美菜「あれ?私の話し聞いてる?」
「なのに」
美菜「ん?」
「何故君の服は白いんだ?それにその剣┄┄君は僕を┄この僕を!!」
美菜「え?」
「斃しに来たと言うのかァ~!!」
美菜「ちょ┄何よ急に」
グワァ!!
美菜「え!!あ、危ないじゃ」
ブォン!!
美菜「嘘!!どォしたのよ急に」
「うォ~~~!!」
美菜「ヤバい!!逃げた方が良さそォだわ」
ダダダダダ
「ここまで来たと言うのに!!殺される訳には行かないんだよ!!」
ブン!!ブブン!!
美菜「ちょ、危ないから止めてよ!!私は何もしないから!!」
「僕は!!やっと選ばれたんだ!!こんな所でェ!!」
ブンブン!!グワァ!!
美菜「ヤバい!!」
ガキィッ!!
美菜「グッ┄┄重┄┄」
ググッ
美菜「お、押される」
「僕は┄僕は理想郷の礎に┄そして新しい力を」
美菜「な、何言って」
ドン!┄ズザザッ
美菜「ハァハァハァ」
ダダダダダ
美菜「正気じゃない┄何よ理想郷って┄┄理想郷?」
ダダダダダ
「ハハハ走れ走れ!!遅いんだよ!!そんなんじゃ」
ブン!!
美菜「クッ」
「もっと早く走らないと死んじゃうぞ?」
美菜「速い┄人が走る速さじゃ無い」
ブン!!
「ハハハ今のは危なかったね?次は当たっちゃうかもよ?」
美菜「┄┄次攻撃して来たら一か八か」
「ほォらァ」
ブン!!サッ┄斬!!┄ドチャッ
「グァ~~~!!あ、足がァ~~!!」
美菜「ハァハァ┄やった、これでもォ」
「グゾォ~~~!!あ、足を┄┄┄フフ」
美菜「え?」
「なァんてね?」
ググニュニュニュ
美菜「あ、足が元に」
「僕達黒い戦士は不死身なんだよ、君達白い戦士と違ってね?」
ダダダダダ
美菜「勝てない┄あんなのにどォやって勝つって言うのよ」
「また逃げるのかい?仕方ないなァ」
スササッ
「ほら、あっと言う間に追い付いたァ、無駄だって僕からは決して逃げ切れないよ?ミーナ」
美菜「え!!ミーナって┄┄嘘でしょ?アナタって」
「喋ってる暇があったら必死で逃げないとォ」
ドン!!
美菜「うッ」
ズザザ~ッ
「ほォら転んじゃったァ」
ザッザッザッ
「そろそろ終わりにしよォかミーナ」
美菜「何でよ!!」
「ん?」
美菜「こんな事┄こんな事する人じゃなかったじゃん!!昔はあんなに優しかったのに┄何でよ┄私の気持なんか全然分かってくれなくて」
「フフフ、終わりだ」
グワァ!!
美菜「あの頃の優しかった時に戻ってよ!!一矢ァ!!」
ピタッ
一矢「な┄┄」
ドクン┄ドクン┄ドクン┄┄サァ~~~ッ
美菜「顔の霧が┄┄一矢!!」
一矢「ちょ┄┄な、何で泣いて┄┄僕は┄何て事を」
美菜「一矢?」
一矢「な、泣かないで?ミーナ┄僕はまたミーナを┄┄殺す┄違う!!何やってるんだ僕は!!こんな所まで来てミーナを┄┄殺す┄止めろ!!」
美菜「か、一矢」
一矢「僕が悪かったよ┄┄僕が?僕の何が悪いんだ?┄ミーナゴメン、こんな事する筈じゃなかった┄┄僕を殺しに来たんだろ?だから僕は君を┄┄僕はミーナを守る┄殺す┄助けるから┄理想郷の為に┄┄逃げるんだミーナ!!」
美菜「出来ないよ!!一緒に戻る方法を考えよ?ね?」
一矢「┄┄僕がミーナを」
クルッ┄スタスタスタ
美菜「一矢!!」
一矢「守る┄殺す┄ミーナを┄殺す」
タタタタタ
美菜「一矢待ってよ!!ねェ!!」
ビカァ~~!!
美菜「眩しい!!ちょ、待って!!一矢が!!」
『ハァ┄┄どォなるかと思ったけど┄まァ良いや、後で文句を言いに行けば、それより先に』

麗美「もォ少しで夏休みだから頑張ってね?」
美菜「ママ┄┄本当に見守るだけで良いのかなァ」
麗美「どォなのかしらね?少し様子を見てからもォ一度考えてみたら?」
美菜「そっか┄うん、そォしてみる」
タタタ
恋「ミーナおはよォ~」
ハグッ、ギュゥ 
美菜「恋、おはよ」
恋「小母様おはよォ御座います」
麗美「おはよォ南(みなみ)さん」
恋「あのォ、小母様に相談したい事があるんですけどォ」
麗美「ん?今?時間は大丈夫なの?」
恋「多分┄┄あった」
カササッ
恋「これなんですけどォ」
サッ
麗美「ん?名刺?┄┄あら?この事務所って確か」
恋「知ってるんですか?」
麗美「確認するからちょっと待ってて?」
恋「はい」
美菜「何の名刺?」
恋「あのね?この間表参道でナンパされたのよ、でもナンパじゃなくって読モをやらないか?って」
美菜「へェ~読モねェ」
恋「前に麻子から話し聞いてたからさァ、一旦持ち帰ったんだけど」
美菜「あァ┄大吾郎の事か、それでママにって事か」
恋「うん、若し本当だったらね?挑戦はしてみたいかなァって思ってるんだけどォ」
美菜「ん?別に良いじゃん、恋は十分可愛いからイケると思うよ?」
恋「でもォ┄私ってミーナや麻子みたいに美人じゃ無いじゃん」
美菜「あのねェ┄まァ確かに恋は美人か?って言うと答えるのは困る」
恋「う、うん」
美菜「でもね?若し恋が美人だったら、きっと読モのスカウトはされなかったと思うよ?」
恋「ん~~┄何でェ?」
美菜「美人ならママと同じ系のモデルとして声が掛かってた筈┄そォだなァ、じゃァ何で読モとして声を掛けられたと思う?」
恋「ん~~┄分かんなァい」
美菜「ウフフ、恋にはね?他の人には無い、人を引き付ける可愛さがあるからなのよ?」
恋「どォ言う事ォ?」
美菜「じゃァキャリーって美人?」
恋「ううん、メッチャ可愛い」
美菜「うん、それじゃァ安室ちゃんって可愛い?」
恋「可愛いとは思うけどォ┄美人って方が合う」
美菜「でしょ?私の言いたい事分かった?」
恋「ん~~┄何となくゥ」
美菜「恋がメッチャ可愛いから読モの声が掛かったのよ」
恋「そォなの?」
麗美「えェ、その通りよ?私もそォ思うから」
恋「小母様」
麗美「おめでと、この名刺は本物よ?私の友人が居る事務所だから信用して良いわ」
美菜「ママの友人って」
麗美「そ、愛(あい)の居る事務所だった」
美菜「そォ言えば愛さんって今読モやってたっけか」
麗美「本条愛(ほんじょう あい)と言って、昔私と同じ事務所に居たのだけど、結婚を境に引退したのよ、出産を終えてから今の事務所にってね?まァ後は南さん次第だから、確り考えなさいね?」
恋「はい」
麗美「じゃァ美菜ちゃん、今日だから忘れないでね?」
美菜「うん、分かってる」
ブロロロロロロロロ┄┄┄┄
恋「今日何かあるの?」
美菜「パパがロスから帰って来るのよ」
恋「そっかァ┄それじゃ今日は誘えないかァ」
美菜「ゴメね?」
恋「若しこれが本物だったら、ミーナも誘うつもりだったのよ」
美菜「そォ┄でもゴメ、恋の気持ちは嬉しいんだけどね?私じゃ無理なのよ」
恋「うん、分かってた」
美菜「え?」
恋「あのね?中森薫(なかもり かおる)さん、あ、この名刺の人、スカウトされた時にね?他に誰か居ないか?って聞かれたから、ミーナの写真を見せたのよ、そォしたら中森薫さんが、ウチの事務所じゃ使えないって」
美菜「ふゥん」
恋「私怒ったんだよ?何でこんな美人なのにィって、そォしたら中森薫さんが、だからだよって」
美菜「うん」
恋「恋全然意味分かんなくてさァ、そんな恋を見てね?確かにこの子は凄い美人だけど、ウチの雑誌は流行りの服や小物、アクセサリーを紹介する雑誌だから、写真集は扱ってないんだってね?」
美菜「だと思った」
恋「先まで全然分かんなかったのよ、でもミーナの説明を聞いて、やっと納得出来たなら」
由美子「おはよォ、2人共遅れちゃうぞ?」
恋「あ、由美子おはよォ」
美菜「おはよ由美子」
天「お?3人共何してんだ?」
美菜「あ、天ちょっと良い?」
天「ん?あァ」
由美子「じゃァ私達は先行こ?」
恋「うん」
天「どォした?」
美菜「また行って来た」
天「何か分かったか?」
美菜「うん、色々とね?それに一矢に会った」
天「そォか一矢に┄┄一矢に!!」
美菜「うん、殺されそォになった」
天「何故一矢がミーナを┄と言う事は一矢は黒い戦士としてか」
美菜「時間が無いから詳しくはメールする」
天「分かった、俺は今日の帰り病院に寄って、一矢の様子を見て来る」
美菜「だったら私も」
天「いや、ミーナは止めた方が良い」
美菜「そっか┄うん、そォする」
天「┄┄ミーナ」
美菜「ん?」
天「色々な事に┄周りでは様々な事が起きているみたいだが、全てに首を突っ込んでいたら持たないぞ?」
美菜「うん┄ありがと」
スタスタスタ┄┄ガララ
摩紗斗「ミーナ大変だ!!優也が、アイツ朝一番で┄┄あ!!」
加奈「おはよォ田所君、優也君が朝一番でどォしたの?」
スタスタ
摩紗斗「崎谷」
加奈「何?私が聞くと拙い事なの?」
摩紗斗「そ、それはァ」
美菜「摩紗斗、話して良いよ?何れ皆知る事だから」
摩紗斗「ミーナ、知ってたのかよ」
美菜「まァね?私は摩紗斗の後に話すから」
摩紗斗「分かった┄今朝優也が俺の所に来て、部活を辞めたと言って来たから、問い詰めたらアイツ┄転校するからって」
加奈「はァ~!?何それ!!転校だなんて私何も聞いてないよ!!部活の事だって、どォしてミーナや田所君に話せて私には何も言ってくれないの!!」
摩紗斗「崎谷┄┄」
加奈「私嫌われる様な事なんて何も」
美菜「うん、してないわね?でも優也君は凄く┄物凄く悩んで苦しんでた」
加奈「でも!!」
美菜「あのね?16歳の彼1人で家族4人と加奈を養って行く事は出来ないのよ」
加奈「何言ってんのよ、そんなの私が」
美菜「出来ないの、優也君は加奈が取り乱すのを想像出来たから、黙って行く事にしたんだよ?」
加奈「ミーナ┄┄私達って1番の」
美菜「えェ親友だね?だからこそ加奈の事は分かってる、それで私も優也君と同じ答えを出した」
加奈「┄┄だからって┄グスッ1番の親友だったら」
スタスタスタ
優也「あ、お、おい崎谷、もォ直ぐ」
美菜「良いから」
優也「良いのかよあの儘で!!」
美菜「うん、今は良いの、後は任せといて?」

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